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航空隊からの報告が届いた。
大まかに言えば最近この宙域で船が漂流もしくは消息を絶つことが多いので調査に出たとのこと。
今調査している宙賊で機関部に何かが接触したのか破損して発電機が故障したらしい。護衛艦3隻が爆散で一人の生存者もいないとのこと、もっと早くに駆けつけていればと、悔やまれるが仕方がない。宇宙に出て仕事をするということは、死と隣り合わせということを前もって覚悟しなきゃならんからな。
それにしてもなぜ、護衛艦が爆散したかも謎だし戦艦1隻だけ中破判定で身動きが取れないってことはいつでも宙賊なんかに狙われるってことを意味してるから早めに発見できてよかったよ。
おっと、通信圏内に入ったようだ。
「----こ、---こち---こちらゼル-ル--空宇------しょ-くのジェダ--少-。」
だめだな。何を言っているかわからん
「すいません、何言っているか聞き取れなかったんですが(航空隊、通信用の中継アンテナ代わりを頼む何言っているかわからん)」
航空隊の通信を経由すれば聞こえるかな?
「航空隊、了解」
ザザッ
「こちら、ゼルセルタ航空宇宙軍 エルフリーデン星系駐留軍 第24師団所属、ジェダロン少将だ聞こえているか?」
「いま、聞こえました。こちらは、ゼルセルタ航空宇宙軍 特殊特務大隊所属 第七大隊 大隊長の智也・ルルーシュ・ラングストンです」
「・・・第七聞いたことがないな。」
「直近にできたばかりですから無理はありませんね。とりあえず、艦を曳航させてもらいます。疫病などの病原菌が確認できるまでは申し訳あ」
「それについては、理解している。確認してくれ、それと、トリアージも完了している。そちらの医師にすべて任せるので指示を頼む。トラクションビームの牽引用パネルは今しがた開いたので曳航頼みます」
「了解しました。同時に行いますのでもう少しお待ちください」
「頼む」
少将か。艦長が出ないのが不安だな。
「もうすぐ港に着きます。。。港の管制室からです」
「つないでくれ」
「こちら、ミッドガルツ宇宙港、管制室指令センターのオルキスです。24師団の艦を曳航しているとの報告ですが、こちらの登録されている24師団の艦ではなさそうです。再度確認します。そちらは24師団の艦を曳航しているのですか?所属と階級、氏名を明らかにしてください」(軍港管理施設に緊急報告、こちらの登録外の艦が2隻、確認しました。至急身柄確保並びに保安部隊の派遣を要請します)
(ミッドガルツ駐留軍管制センター、あとは引き継ぐ。悟られぬように一時退避勧告を出せ)
(ミッドガルツ宇宙港、管制室指令センター。了解、すぐに実行する。気をつけろよ)
「こちら、ミッドガルツ駐留軍管制センター指令室。貴君らの所属と氏名を明らかにせよ」
「ゼルセルタ航空宇宙軍 エルフリーデン星系駐留軍 第24師団所属、ジェダロン少将」
「ゼルセルタ航空宇宙軍 特殊特務大隊所属 第七大隊 大隊長の智也・ルルーシュ・ラングストン 元帥」
「第七大隊の元帥閣下は確認が取れたが、少将。あなたの確認が取れない。再度命令させてもらう。所属と氏名を明らかにせよ」
「ゼルセルタ航空宇宙軍 エルフリーデン星系駐留軍 第24師団所属、ジェダロン少将。と言っても無駄か。失礼した。こちらはゼルセルタ航空宇宙軍所属、公安部の者だ。現在この宙域での遭難事件を秘密裏に追っているところで事故にあった」
「指令室。誰に確認を取ればいいかな?」
「指令室室長にジェダロン少将が被害を受けたが第七が救助に来てくれた、それだけを伝えてくれ」
「了解。少し待て」
「公安の方でしたか」
「失礼したね、第七の智也艦長」
「自己紹介はなさそうだね」
「今は勘弁してくれ」
「今回の事件、意図的な人為的策略?」
「わからん。データの収集は出来ているから分析班に回すよ。それよりすまないね、現在この宙域は警戒態勢が非常に高く設定されているから皆高圧的な態度を取ってしまっているようで、私から謝罪させてくれ」
「いえ、たまたま立ち寄っただけなのでかまいませんが、それより何か手伝いとかしたほうがいいでしょうかね」
「艦長。ありがとう。だが艦長のお手を煩わせてはこちr」
「歓談中失礼、こちら軍指令室、指令室長だ。第七の大隊長に事情の説明と協力をお願いしたいのですが大丈夫でしょうか」
「可能です。ここで聞きますか?」
「いや、曳航している船と一緒に24師団の持っている808倉庫に来てほしい。頼めるか?」
「かまいません。少将、お話は後ほどで」
「あぁ、また。すまんが曳航の件頼む」
「クロ。この宙域での事故、事件、遭難、漂流、消息不明のニュースすべてを調べて関係のあるものをリストアップ。詳細確認はクロとSAMIDC・解析班と共同で行え、開発班は曳航している船の故障具合からこちらに被害が出ないように強化できる装甲などを開発してくれ。」
「「了解」」
----808倉庫
「お待たせしました。24師団の指揮司令、四季です。」
「・・・」
「ダジャレではないですよ」
「失礼、えーと」
「状況のご説明したほうがいいですね」
「お願いします」
「まず、船の消息不明が多発したのが2週間前、最初は事故ととらえていました。最初は手がかりも何もなかったようですが、軍の輸送艦が消息を絶ったことで我々が捜査に加わったのです。我々が捜査に乗り出したのが4日前の14時からです。捜査の資料などを読んで少将という偽名で調査を開始してもらいました。行方不明にならずに済んでよかったというのもありますが、原因究明ができなかったことに腹立たしくやるせない気持ちですね。ただ、少将が無事であったことは喜ばしいことですが、護衛艦が沈んだことが・・・」
「まぁ、もともとそういうことがあると分かっていて護衛艦に乗った者たちだ。責任感は無くていい。すべて私が受け持つ代償だからな」
「すいません。智也大隊長、質問何かございますか?」
誤字脱字、もし見つかれば報告、よろしくお願いします。