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彼らの目的も指針もある程度一緒に考えて、ゆっくりでもいいから回り始めた途端。彼は帰路についた。誰にも言わずに帰るには距離と支援が必要だったので、エルフの一団に頼んだ。
口伝師の一族がその任務を受付けて、世界中が帰還することすら秘密にして彼を目的の場所まで送っていった。
私が結婚するときにもこの話を当時の口伝師の人が話してくれたが、本人から聞く方が臨場感も感情も篭っていて新鮮さがあった。物語がクライマックスに到達してさらに家族は耳を傾けた・・・・。
「俺にとってこの世界は歪だった。だから友の世界を戦争から解放して、いつでも戻って来れるようにしようと思った。頑張った結果だったんだがな。まさかあの時ふと呟いた発言がココまで事を大事にしてでも叶えてくれているとは思わなかった。
だからこそ、君たち家族と一緒に探してみたい。いや、俺も自分の部隊を組織して自分でも探索してみたいな?
できるかな?」
「できますが、それにはかなり多くの柵がありますね。調整はします。それまでは私の娘夫婦と共に行動を共にしてください。
できますか?クリス。私たちは口伝師一族として世界中を巡る旅に出ることにしたので。
智也さん。大変心苦しいのですが、私たち夫婦にはあなたに提供できるものがこんな形しか用意できないのです。申し訳」
「いえいえい、構いませんよ。本当に、エルフの口伝師の方々は相変わらず硬いな。もっと口調も崩してくださいよ、もちろん本名を隠して行動するのですから、当初の目標から時間がかかることくらい予想ができます。大丈夫です。休暇はかなり残っているので、こっちで何年いてもそこまでの誤差は出ませんし、よっぽど急ぎの仕事が来ない限りこちらからは帰りませんから」
「ありがとうござ・・・ありがとう。智也くん、あなたは本当に口伝として語り継がれた方そのままのようね」
「セレスティーナさんにそう言ってもらえて嬉しいんですが、先程までバリグストくんが語ってくれた口伝師としての俺がこの地に降り立ち、戦争の真ん中までは忠実に伝えられて気恥ずかしかったんですが、この世界から俺が帰った後どうなったか気になるので、教えてもらっても?」
「もちろん大丈夫ですよ。私も祖父から聞いた口伝の内容が間違っていないとわかり、ホッとしているくらいですからそれでは、最後の下りというかちょっと長いんですが・・・」
その後、語った内容は確かにちょっと長かった。そして、理想と現実以上に内容が、濃いな。俺の想像以上の厄介さになっていたんじゃないかな?こんなことになっていたとはと言えるほどに・・。
「・・・・。
この世界には、必要とされていた人物が多数いただろう。だが、憎しも戦争という人々が戦いに赴くことで人材が死んでいく。いつ終わるかもわからない戦いに人々は疲弊するが、戦いをやめればこちらが死ぬ。止めることするらできない戦争が溢れていた時代。
彼は迷い人としてこの世界にたどり着いた人物となり、密かに戦争を終結させた人物として軍人達に英雄視されたが、帰る準備ができたことで誰にも知られず帰還することにした。
それも一部のものにしか知らせずに世間には人知れずに密かに闇に消えた。
しかし世界は嫌でも時が廻り続け、いつしか世間に情報は漏れる。
かつて英雄が存在し、彼は伝説になるほど長い年月が経つ。
伝説は神話となって人々に語り継がれる。
そして過去の伝説や神話は御伽噺となる。
だが、長生きをしている長命種の中でも長のようなもの達にはある伝承が残された。
いつか英雄がもう一度この世界に足を踏み入れるとき、土産を持って英雄達の墓を巡る。
その時彼は、英雄ではなく
ただの1人の人間として扱って欲しいと懇願するだろうから、彼の願い通りにしてほしい。
彼は、物語に出てくるような英傑のような存在ではない。泥臭くとも人間なんだ。どんなに神聖視したところで彼は神なのではない。
語り継げ、我らエルフは選ばれた。一族の中でも記憶力の高いものは口伝師になることで過去から未来へ紡げ。
世界よ、彼が残した平和という贈り物を大事にするばかりに慎重になるな。ときには大胆な改革が必要になる。その時が来たら迷わず行え。
我ら長命種は意見を聞き助言を与えることができる。いつでも相談してほしい。
きっと彼ならそうするであろうから、と。
幾百年が経ち、世界も十分栄えた。エルフなどの長命種族たちも参加しているゼルセタル航空宇宙軍には、今なお世界中の治安が求められている。
だが、当初の目標が一つだけある。彼がかつて最後の戦闘後、捕虜を同盟国家から追放処分したとき、宇宙に浮かぶ星々にはきっと未知の惑星や資源の眠る星が多数あるだろう。いつかそんな星々を見つけてみたいと・・・・。
その願いを叶えられるだけの資金と技術力が追いついてきたので、実行に移した。
かつて英雄が残したこの世界をさらなる発展を成就させる、居住惑星探索任務。
ゼルセルタ航空宇宙軍はこの探索班を正式に稼働を開始させた。第一班、第二班、第三班は正常に成果を生み出し、第四班からは家族ぐるみでの部署に挑戦することに
そして結果は・・・・」