444
誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
彼らは今後こう呼ばれるらしい。
ジャハス工房のスミスとパルフェルク工房のスミスという今後どのような道を辿ろうとも、未来へと続く伝説の工房となる最初の一歩を踏み出し始めた。
開発部署で親方が、渾身の設計図を描いたが、今の技術体系では実現が不可能とされてしまいお蔵入りするよりかは、実験艦としてしばらく運用する方が効率的だと言われて500年毎に実験艦の更新が行われ、最終形態とも言われる最後の実験艦が誕生する。その船は、この開発局で生み出された。
開発局開発設計部署リーダー的存在の親方が最後に此処を去るときに残した、言葉はただ一言だけだった。
「俺は、探索船という平和な時代の宇宙を征く最高傑作を作りたかったが、想像が足りん。あとは、任せた」
この言葉だけは、技術者の間で語り継がれ、そして智也の手に渡ったことで彼らの願いは叶えられた。
元実験専用艦アオとして運用され続けた艦は、色々あったが後世に名を残すほど引き継がれた名前。それは・・・・。
超弩級戦艦級:戦艦 蒼
艦籍番号:GAT-X9-X9000
分類:恒星間航行用・惑星機動特装揚陸探査艦
智也が乗る時は、どういう経緯で建造されたかは伏せられていたため、詳細を語られなかったが、こういう経緯であった。最初の三人が目指した究極の頂点を目指したがために、経緯は夢と意地。そのせいで語れなかった。だが、その思いは、彼らの道で示されるだろう。あとは乗り手が決めること。
建造者はそれ以上のことはノータッチということだ。
だからこそ、これから始まる最初の一歩を進むための下地を作る彼らは未来に繋げられるほどの夢と意地を見せたのだから。
だからこそ、弟子が寄越した新たな人員の振り分けが完了した親方は、目をキラキラさせてビスマルクにハッチャケていい許可を取りに行った。
これは無視してもいいだろうが、放置だ。
「よし、ある程度軍艦は、揃ってきたな。ビスマルク、次に行ってもいいよな?」
「あぁ、次は、消防艇と警察艇の建造に取り掛かろうと思う。それにはまず、消防関係者の聞き取り調査で分かったことは、消火活動・救助活動・医療船に近い救急車になり変わるものが欲しいとのことだ。民間船を改造しただけだと、こちらもかなり使い勝手が悪いらしい」
分かりきっているがな。これは難題では?
「うーむ。消火といっても地上での消火ではないからな。乗員を沢山乗せれて、船内での消火活動が出来るようにするために色々なところから乗り移れるようにチューブで接舷出来るようにしようか。後はどんな船でも即座に対応できるようにというのも重要か。
警察は取り締まりと拘束用の牢屋のような場所か。なら軍艦を雛形に改造していこう。確かにコレからは宙賊も活発化してるから大至急準備しないとだな」
宙賊は戦時中でも蠢いていたし、一部国家では私掠船免状を発行していたらしいが、同盟国内ではどの国も発行していなかった。コレは調査しないといけないかもな。
「後、調査船も設計して欲しい。ゼルセタル航空宇宙軍としてはコレから住める惑星や資源惑星を見つけていくのに、民間だけではなくて我々も調査に乗り出したい・・・と思ってはいるけど、今現在人数が足りないから行動に移せていないから準備だけして欲しい
出来るかな、親方」
「調査船か。乗り手の希望が大いに反映される船だぞ。それをさらに先行して開発か。
ならばこう言うのはどうだ。
元から実験艦として準備する。そこから正式採用されたものを使って調査船を準備する。他の造船開発にも使える機能を実験艦に取り付けて調査もできれば一石二鳥だろうからな。経理屋、それなら予算浮くよな?準備まかせるぞい」
チーちゃんさんは頷いてくれたから会議はココまで。準備を始めよう。
そして、これまでに造船建造した船たちの分類を決めた方が良いと会議で言われたので、その話をすると親方が言った。
「実験艦と言うのはロマンに欠けるな。
それに確かに、型式は決めておくに越した事はないだろうな。
うちとパルフェルク、ジャハスの3社で建造された船舶にはこのGAT-X0-X000を適用する。
GATはココと2社のみの造船場を意味するための記号だな。
次のX0が実際に使用する所属部署を指し示し、最後の4〜9桁で船の番号とでもしようか。
だから、ウチが使用する実験艦にはX1000番X2000番と千の位で変えていこう。正式採用はまた違うコードを作れば良い。
ちなみに、GATの次の二桁は、X1が消火、X2が救助、X3が救急。
X4警察関係の取り締まり、X5は犯罪者護送船。X6は警察の特殊艦という括りにしておこう。
X7は軍艦 種別はひっくるめようか。
X8、コレが調査船にしようかのう。
X9がワシ達が実験するための実験艦としてのう」
なかなかに厄介なものまでさらりと決めたな親方。雛形だけでなく、ベストの指示文書として出せば、余裕で上層部はOKしてくれそうだな。このまま提出しておこう。




