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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。


「さて、英雄殿は帰還されたそうだが、我々の今後の目標などある金?」


「おい、最後の部分変なニュアンス入れるなよ。あるかって聞くところをかね?って何を思って言ってるんだよ」


「聞き間違いさ」


笑って済まそうとするなよ。

レイさんが旅立ってから3ヶ月。ようやく情勢も落ち着いてきたが、同盟国になった惑星の政権交代は優しい範疇でドロドロだったのは、国営企業や軍事企業関連の倒産や民間企業に切り替えだったんだけど、国民の怒りが別のとこに向いてしまったために治安維持部隊が少しだけ仕事する羽目になった。


俺は参加してないが、ある程度詳細は聞いた。何でも国とズブズブの関係で戦争を煽っていた者たちが軍事産業にも国営企業にも居てて彼らの悪逆が暴かれてしまい政府が隠し事出来ないくらいの疲弊で、政権交代。その後1からスタートするにしても問題の多い従業員をそのまま使うのに抵抗があったので、双方企業は倒産か細々と経営をやる以外、生き残る術がなくなってしまった。


ココで倒産を選んだ国営企業は、主に貿易や運輸関係が多く、かつては兵員輸送の手伝いまでしていたのである程度の規模がいきなり消失した事になる。



失業者も大量に出す事態に、治安の悪化は避けられなかった。

国力があっても内部が腐っていたらどうしようもない一例という、不名誉な歴史的一ページとして刻まれた。



逆にココで景気貢献した企業があった。

通信関係だ。彼らのネットワークには目を見張るものがあった。

戦争当時でさえ一部区間でしか通信できなかったエリアを同盟国領域内に張り巡らせた事で通信不備が無くなり、緊急通報などこちらへのSOS信号も受信できるようになった。

おかげである程度のの信頼性向上と惑星間や星系間の通信ができて、経済の発展に向上したとして表彰された。

今でこそある程度不安定な場所も存在するが、あの場所は同盟国の中心に位置する暗黒宙域。皆が遠回りするのだから、保険適用外でいいなら飛んでも大丈夫だろう。


私は飛びたくないけど。




「・・・い。・・・おい!聞いてるのか!?会議の真っ最中で虚空を眺めて聴かないというのはいただけないのだが?」



会議中だったな。

「すまん」


「そろそろ3時間経つからな。少し休憩にしよう」



私は過去を思い出していつも恐怖する。怖いんだ、恐ろしいんだ。目を覚ますと4段ベットに寝ている自分。赤ブザーが鳴れば、銃器を持ってエアロックのドアの前に行き、いつ吸い出されるかと戦々恐々しながら今日も死ななかったと言える。あの日には帰りたくない。同胞を親友も今異世界で亡くなった。俺だけが生き残ったが、それはまやかしだと言われたくない。


だから考える。常に最善の手を常に生きる方向に視線を持っていくために。


私は今ではオフィスワーク。二度と戦場には出たくない・・・男。







この世界には悪意しかない。

それが私たちに向かないように自衛を目的とした習い事をしていたある日。突然世界が平和になった。


突如各国の国家元首が連盟で発表した。

その時を持って私たちの攻防も終わりが見えた。


世界はどんどん豊かになっていく。一部の企業は倒産したらしいが、私達には関係無い。


今日も見上げる高いビル。


私の就職先は、ゼルセタル航空宇宙軍。教導隊 警護課事務方室長補佐として警護する人たちを守るために、頑張る彼らを見守りながら書類地獄に生きていく女。





ワシは造船業 一発屋の主人として代々戦艦から奇襲船を手掛けてきたが、戦争が終わった。

良かったと思う反面、コレから輸送船を手がけるだけなら仕事は来ないだろうと思っていたら、ゼルセタル航空宇宙軍に誘われた。

彼らの乗る船の開発と製造を任された。もちろんある程度他の造船屋も居るが、この惑星内にはワシの造船屋しかおらん。


最高傑作はいらない。同じ方の同じ種類を多数作る方が今は喜ばれる。


なら今だけは我慢だ。コレからきっとワンオフの戦艦を作れる日が来る。それまでの我慢じゃ。



ワシはドワーフスミス。世界でも指折りの造船業イッパツ屋の工房主じゃ。







「よくコチラの呼びかけに答えてくれた。感謝する」


何でだろうな。もうお外で仕事したくなかったのに、誰が提案しんだ?開発部門初代部長に?


「えーまずは、自己紹介させていただく。ゼルセタル航空宇宙軍 開発準備室室長から軍事船舶開発部門を新たに創設となりその部門長に就任したビスマルクです」


は、ずかしい。久しぶりの注目の的は、いつだって恥ずかしい。


「なんじゃだれも挨拶せんならワシからやるぞ。ワシはイッパツ屋の工房主じゃ。工房長と呼ばれるより親方と呼ばれたいからそう呼んでくれや」


堅牢な胸板を拳でドンと叩きながら、ドワーフスミスが自己紹介する。

続いて、


「警護課事務方室長補佐をしていましたが、前職が経理課だったこともありコチラに転属になりました。オバ・チエミです。おばさんなんて呼ばないようにチーちゃんと呼んでください」


初対面の女性に対して確かに呼べないが、いいのかそれで?




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