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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
ココでもう一つ誰にも言えない諸事情がある。彼女のご両親だ。常にシスコンがそばに居るせいで、良い恋などは出来ずに大人になった。このままでは孫が見れないからなんとかして欲しいと相談されていたというのは内緒だ。
部隊の紅一点とは言っても、男どもの中に放り込むのは大丈夫なのかと言われたが問題ない。整備員は男女半々くらいで在籍していて、大体夫婦か親子連れのアットホームな部隊であった。もちろん子供と言っても軍隊に所属できる年齢ではあるんだがな。
パイロット達はパイロット達で、部隊内に恋人がいる奴や、部隊外や一般人にいるらしい。
俺もそこまでプライベートに知っているわけではないが、相談されれば聞く。ただ最近は彼女いないからもっぱら別れた後のうまい立ち直り方をよく聞かれる。
それ以外の成功例のアドバイスはベテラン主婦勢達、整備員のオカンを召喚する。
恋愛ごとを独身の俺に聞くな!とも一瞬思うからな。
「さて、元整備員は元気にしてるのか?弟が来る前に転属させたからその後は何も知らんからな」
「まぁ最初はちょっと拗ねてましたよ。でも彼女を取るか隊長と一緒に仕事するか選択迫られて、最初は私が出るつもりだったんですけど」
彼女は初配属のため実績が皆無であったが、彼氏の方は俺と一緒にいろんな現場に行ってたから技術面で優秀さを周りに示していた。彼が部隊を離れる時、数多くの部隊長がぜひうちに来て欲しいと言って、押しかけていた。奴は引くて数多の再就職先に条件を厳しくしても、彼らからNOと言われることが無かったと聞いた。だから1番大事な条件を言いその希望に沿った部隊に移動となった。
“彼女が何よりも大事だから、優先させてもらえる部隊”
「アレだけ啖呵を切れる奴はそうそう居ない。俺はアイツのセリフを聞いた時、こう思ったこいつに二番煎じな部隊は似合わない。だから押しかけ小隊長の中で1番優秀な整備班育成支援コースと呼ばれる学科の教官を務める部隊と引き合わせた。
お前と一緒になれば後方のさらに後方に配属される手配もしたし、1番最前線に立つ事はもう無いとは言い切れないからこそ、自分の腕を錆びさせない最高の居場所だ。常に視察名目で誰かしらが部隊を覗きに行けるしな?」
「感謝してます。それにアイツの調整が1番私にあっていますから」
彼女の機体は毎回整備士達がチェックしてはいるが、オーバーフローだけは彼氏をココに呼び出して、一緒に作業させている。技術革新をいきなり戦場で、救出現場で試すのが怖いからこそ、教練場で最終確認する。その最前線に立つ奴がこいつの彼氏なのだ。だからこそ最新技術伝授という役割で毎回来させている。
「最近弟が疑ってる様な視線を送っていましたが、家族に紹介した時の記憶は飛んで無かったんですね。だから常に私の近くにいる彼を睨みつけてたとは・・・」
難儀な奴。姉貴が未婚のままお前の近くにずっと居るはずがないだろ?お前は姉の幸せくらい考えて行動しろ。と思いはするが、このままコッチで暮らすとか言わないよな?
「この後の俺の行動を伝えておく」
「はい」
「もう間も無く、全ての引き継ぎが完了する。今は俺がいない間のトラブル洗い出し期間と称して、やらせている最中だ。この期間が終われば、帰還する。速やかな撤収をこちらで用意している。
2日後に出るエルフ達の定期船にて帰還し船のチェックを完了させて、この後渡す座標で待機。俺は単独あるいは送ってもらうので、心配するな。あまりに目立つやり方で行動したが、悔いはない。彼らの礎があったからこその平和を手にした。それで良い」
それで良いんだ。この後の後始末ももうすぐ終わる。
「隊長の戦果はどうやって誤魔化すんですか?」
「その事なんだが、俺は新しい名前をもらうって話を一度取りやめてもらい、架空の二人の生き別れの弟設定で乗り込むことになった。
当時の生き別れた弟だと言おうとしたが覚悟が決まっていた兄達に何も言えず、最後の戦線に共に参加、落ちる艦と共に兄に冥福を捧げたと言う事にした。
だから血族として一族の全てを継承したは良いが、いきなり横からでしゃばってきた奴が偉そうにしたら反感買うから今まで通りに全部お任せにして報酬をこっちに送ってくれと言って資産運用に回してもらった。
それとゼルセタル航空宇宙軍は企業の株を一時的に預かることで、その利益を使い組織運用を行える様にしておいた。これで当面の給料や装備の購入代金を賄えるだろ?
さぁこれ以上俺の手を煩わせるなよ!
俺だってこれから帰れば、書類地獄だってことくらい分かってるんだから」
流石に長文すぎて、理解が追いついていないか?
「分かりました。隊長が既に決めて行動しているならこれ以上何も言いません。私たちは2日後の定期便で帰還船に戻り準備でき次第、待機ポイントに向かいます」
「悪いが、頼む。これ以上目立つ行動はこちらも控えるので、頼むな」
これ以上は、俺に頼らず進んで欲しいものだ。