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「それでコレは一体何なんだよ。隊長?」


「あ?見てわからんか?使えねぇー。睡眠学習っていう優れた機械だよ。コレさえあれば講習を受けることも出来るから資格更新も楽にできる優れ物だぞ」


胸を張ってそう答えるか。ただし何させたいのかを聞きたかったんだけどな。

そして眠くないのに寝かされる俺の気持ちを考えてほしい。目覚めてからまだ3時間くらいしか経ってないんだぞ。シュワシュワな飲み物をこう、グッと一気飲みした後に濃いめの熟成させた原液をグラスに入れた氷を・・・



カランカラン。この音と共にグラスの中で氷を軽く振り回す。

お酒を片手にバーカウンターでゆっくりとグラスをカウンターテーブルに置く。そして、開いている教材に目を落とす。教材の表紙には“大型船舶・中型船舶運行管理責任者一級資格試験“今回新たに発表された資格試験。その民間において最高峰に位置付けられる船舶の取り扱いにおいて艦長や船長が持たなければいけない資格試験となる。これに関しては惑星同盟国家の領域内侵入した全ての船舶に対して運航管理者としての資格を保持しなければいけないという新たな法律ができたからだ。ただ、本当にこの空間にジャンプしてきた船舶に対しては睡眠学習を用いた資格取得をしてもらうことで逮捕や拘束ということは免れることになった。

なぜそこまで詳しいかって?この最初の数ページになぜこんなにややこしい事になったか理由が説明されており、この説明すら資格試験の問題になるので絶対に覚えておくように。と注意書きまでされていた。


ただし、睡眠学習をしているものたちにはすべて脳に焼き付けるようにして、全ての情報を叩き込むので全てのページをよく読んでおいてください。ただし記憶を完全に乗っ取るのでこの睡眠学習に入ったことは今ここで後悔してももう遅いです。



だそうだ。だが、俺は気にしない。俺は結局睡眠学習を使わなかったんだよ。ほら、もう外もこんなに暗くて・・・・アレ?お外真っ暗なの意味わかんないんですけど?今日ってまだ数時間しか始まってないのに俺は夜まで一体何してたんだろうか?全然思い出せないんですけど?それに今思えば、此処どこ?隊長を迎えに行く前も行った後も、行ったことないバーだし、それに見覚えのない銘柄の酒を飲んで美味いとも不味いとも感想が言えない飲み物は、すでに何かおかしい。


なぜ?

なぜ?


NAZE?


〜ALERT〜


“緊急“ “緊急“


たった今俺の目の前に出現したこの二つの言葉で目が覚めた。

俺は?


「弟君!? 大丈夫か?うなされているように見えなかったのに一体全体どうしたんだ?何か突然危険な脳波パターンになって睡眠カプセルが運転を緊急に見合わせて君を覚醒させたんだ。一体何があったんだ?


おい、君!一体どういうことなんだ?彼はどうしていきなり覚醒したんだ?おかしいだろ?」


俺が、なんだって?睡眠学習カプセルに入っていただと?それは一体・・・・あ、もしかして今まで見ていた景色も飲み物ももしかして紛い物だったからAlertが出たのか?俺が強い違和感に囚われて激しい動悸まで起きたから機械が危険だと判断して、緊急停止したのでは?

これって結構やばい感じなのでは?俺のHARTはそこまで弱くはないはずなんだよ?

昔戦場で銃弾が飛び交う中、医療班として戦場に赴いた際でも此処まで激しい動悸なんか起こらなかったのに、歳なのかな?まだ二十代で?それとも今も夢の中なのかな?


そうだといいな〜?



「弟君!弟君」


・・・・・



目があああ!

突然視界に現れたのは高出力の真っ白い明るさを持ったライトの光が目に直接当たった。


俺は一時的に意識を失い、病院に緊急搬送されて居たらしい。


あのあとの現状を詳しく聞いたところ、なんと脳波パターンに異常が来たのは当たりだったのだが、その後意味不明の言葉を発しながら、ハイネへの恨み言をずっと呟き始めたので、怖くなって気絶させたら意識を取り戻さなくなり、病院に緊急で運んだそうだった。隣が救急病院だったのが幸いした。


医者からは、過労と極度の疲労が原因の可能性があると言われて、一時的に精神が幼いものや疲れている可能性のある人たちは使用が禁止される事態となった。

みなさま、俺がやらかしてしまった事で多大なご迷惑をおかけしました。と反省していると・・・


「よ!起きていたんだな?

アレからどうなったか聞きたいか?」

そう問いかけられたら、聞くしかない。俺も悪いことをしたなという自覚くらいは芽生えているし、存在している。少し罪悪感に駆られながら、俺が目覚めるまでの現状を聞いていくことになった。


悲しい。


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