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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。

 

 姉ちゃんがまた難しい顔をしながら百面相しているのを横目で見ながら少しだけ、隊長が消えた日々を思い出す。




 あの日、姉ちゃんはアイツを待ってたのは知ってた。でも俺には関係ない。俺は姉ちゃんさえいてくれれば、それで良い!


 そう事務所で叫んだことがあったんだが、周りにいた女性隊員のあの冷ややかな眼を見たら何だかわからない扉を解放した気がする。即座に姉ちゃんとあのイケスカねぇハイネに殴られて、正気に戻されたが開き切りたかったなあの、扉。



 そんなこんなで数日が経ち、数ヶ月が経とうとした時にようやく待ちに待った連絡が来た。一体どこで何をしていたのか問いただそうとしたのだけども、どうやらあのエルフが一枚噛んでいることがわかり、さらに嫌悪を抱いた目で見てたらまた姉ちゃんに殴られた。






 俺は弟。

 みんなが可愛がってくれる弟でありたい。




「お前さ。例え心で思っていたとしても口にだけは出さないでほしい。気持ち悪いから」


 何だと!


「吐きそう」


 失礼だろ!


「それどころの話じゃない。お前ここがどこだかわかってるだろ?」


 当たり前だ。


「更衣室で制服に着替えてるんだ。目悪くなったのか?病院行ってくるか?」


 全く人がいい気分で着替えてたのに水を差すなよな全く。


「何かお前勘違いしてるよな?そう言うセルフは女の子の前で言えよ。俺は女の子が好きなの!お前みたいな筋肉モリモリでゴツい奴がいきなり「義弟になります。お兄さん」なんて言われた日には全身蕁麻疹になるか弾丸をばら撒いてやるぞ」


「酷いな〜。僕は姉さんさえいればそれでいいんです。勝手にどこかの女と一緒にしないでください」



 別に彼らとは啀み合いも睨み合いもしていないが、基本的にいつもロッカーで会う別部署の面々になる。彼らには彼らの担当任務が与えられたりはしているが、時たま俺だけ彼らの部隊にお邪魔して、任務を手伝ったりもしていた。


 あの日、姉さんが泣きながら帰ってきた日は、辛かった。あの男が姉ちゃんを振ったのかと思ったが、違っていた。


 あの日行方不明になっていた隊長からの通信が入りすぐにでも助けに向かおう宇宙地図を開いて絶望した。


 あの宇宙地図に書かれたどの星図にも載っていない、未知の星々に来てしまったとのことだったからだ。だが幸いにも忌々しいハイネの実家に厄介になっているとわかり今のところは殺意よりも無事だった安堵感の方が感情的には大きかった。




 それでも事態は好転するにはまだ早かった。いま現在帰還のめどが立たない時点で、連絡付くからと放置では意味が無い。彼を迎えに行く手段が必要だ!

 その考えは下っ端の意見だけではなく上層部からも、重要視されていたので早急に向こうの世界に行けるための物を作れと開発班を急かすように急がせた。



 俺は今までに乗れたことのないものは無かった。だからこそ今回の試験運用のための操縦士も、救出任務に欠かせないと言って上司や開発部に説明しまくり参加を認めてもらった。


 それでも次元の壁を越える事の怖い事。

 壁と壁との間の高温の無色透明な壁には驚かされた。あれは練習でもなかった動きになった。開発班には礼を言いたい。何があっても良いように見える対策も見えない対策も準備してくれた。


 それでこそ操縦士はやめられない。




 今回の任務については、9割姉ちゃんについて行くことが目的ではあったが、残りの1割は隊長を俺だって迎えに行きたい想いくらいはあったさ。


 ハイネの故郷を見た途端、はしゃぎすぎるヤツの相手を姉ちゃん1人でさせてしまったから、夜勤明けの姉ちゃんには悪いことした。エルフの故郷とも言える惑星に到着した当日に、ハイネは強制連行。姉ちゃんは事情説明のため船から一時的に降りて行った。


 しばらくして戻ってきたやつの目は軽く虚ろになってはいたが、俺は知らん。


 その後訳もわからず、体調のいるとされる場所っぽい所を連れ回されたが、気にするな。姉ちゃんは俺がしっかりと護った。


 そして気づけば、夜。

 備え付けのベットに制服のまま・・・それも靴を履いたまま寝かされていた。

 誰だ?俺の姉ちゃんを引き離そうとした奴は?


 そう思って暗い部屋から光がたて一線に伸びていたのでこじ開けた。そこには!



 バーの横に設置されているコの字型ソファーで寝ていた俺。コワモテなおっさんに話しかけられている姉ちゃんを救おうとしたら、ハイネに止められた。


 首を横に振り説明するから落ち着けと言われた。黙ってはいられなかったが、仕方ない。



 その後一部始終を話して教えてくれた。飲酒運転ではないが、この部屋に入って最初に摘んだのがお酒入りのチョコだったらしく、一口食べて酔っ払って眠りこけてたらしい。介抱していたのは、姉ちゃんじゃなくて、ハイネ。ハイネの話では酔っ払いを姉さんと喋っている優しそうなお姉さんたちに近づけさせたくは無かったそうだ。妊娠していることもあって寝起きか寝相で暴れられるのもまずいと言うことで気まずい思いをしながら俺はハイネの膝で寝ていたそうだ。だから気色悪い夢を見てたのか。


 俺の姉ちゃんが欲しければ、力ずくではなく礼儀正しく対応しろ。


 と、思っていた時期があったんだが、多分見えてきた謎に俺は・・・




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