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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。

周りの強面さんもビビるほど彼がこの場所にどうして来たかが明かされた・・・らしい。


「それでお三方は一体どのような要件でこの世界に来たのかな?ある程度は本国の親父から連絡を受けてるが、俺に何をして欲しくて来られたのかな?」


「やっぱり親父さんの差金か。

俺はこの世界に未練は今のところないんだ。今はただ世話になっている人がこの世界に来たので、そのお迎えに」


原鵺隊長は一体この世界でどんな暴れ方をしたのか気になるが、聞くなら本人にするしか無いな。


「へぇ、じゃぁお迎えなら早くいくことをお勧めするぜ。そろそろ一斉摘発があるから港湾施設が一時的に停止するぞ」



それは夜逃げみたいに逃げないとって事ですよね?私たちはどちらかと言うと穏便に撤収することを目的にしていますから、今は隠れて機会を伺うことにしましょう。って事にしてますが、覚えてますよね?ハイネ君!?


「んー?それじゃうちの探し人に会いに・・・言っちゃダメだったよね。隠れて会いに行かないとだったな」


「ダメですよ!忘れたんですか?静かにコッソリと会いに行きましょうって、そんなことも忘れてるなんてハイネさん、あなた」



・・・姉さん怒ると怖いもんな。ハイネの野郎は姉さんの凶変ぶりを目の当たりにして顔面真っ青だし、ハイネのダチってやつは周りの厳ついおっちゃん達と一緒にガクブルしてる。いったいコイツらは何なんだ?俺が思っている以上にココはヤバいとこなんじゃ無いかと邪推していたら、後ろから薬屋の秘書を名乗るオッサンが現れて少し離れたテーブルで詳細を教えてもらった。


簡単には言えないから詳しく言うと言われて聞いた話が、闇社会の人身売買から臓器販売その他闇賭博や薬を使った犯罪が数十年前からこの星を基点に横行。各惑星に密輸船や宙賊などが出這入りし、更に犯罪行為を拡大していた。そこで国の腐敗すら憂いた警察のまともな部分が敵味方関係なく一堂に会し、ある採決がされたらしい。この秘密を知るすべての参加者と協力者は全員捜査に協力し犯罪撲滅に手を貸すと。そして古いしきたりだろうが何と言われようが、出来ることをして協力をすると言うことで採択された。

その名を秘密協定:VvcI。誰かに嗅ぎつけられても口を割ってもこの名より先には進むことは叶わない。


皆それだけの覚悟を持って行動することを誓った名。この意味を知るものは私と薬師のあの人だけですと言われて固まった。たとえ敵に捕まろうとも何をされようと話さないと言う意思を貫いた称号だったからだ。


しかしその盟約じみた活動も今日をもって終了する。

原鴉隊長はこの組織の存在をどこのタイミングか分からないが知ったらしい。そして彼らに今までご苦労様。引き継ぎを行なってから次の仕事について欲しいと言って来たそうだ。


確かに今日までに確認した中でも厄介な組織は隊長が国境を制定したその日から、危険を察知した犯罪組織が手を引き、傍観しているうちに犯罪者の締め出しと取り締まりの強化を一緒くたにしてしまったらしい。

碌でも無いと思われていた人間も少しは役に立つと開口一番に昔の上司に言われて、ムッとしていたらやって来た警官に拘束されて、ようやく仕事が終わったと実感したらしい。



「そのあとはまぁ引き継ぎをして辞令待ちで本部のある場所で各員が各々待機して新たな辞令書を持って同じ建物、同じ部屋に先週まで一緒だったもの達がいたときは笑ってしまった。それ以上に俺たちに下された内容は衝撃的すぎた」


どんな命令されたかだって?元々やっていた仕事をまたやることになったらしい。



辞令;秘密協定:VvcIは本日11:00を持ちて解散。本日1200からは別任務でもある“麻薬取締”の捜査課として改めて雇うことになった。よろしくと言われたときは胃がひゅっとなった。それでもこうして補給物資を届けにわざわざ来て援助してくれる様になったことを思えば前回の仕事とは雲泥の差だと少し自慢げに教えてもらった。


「秘書の男性はそう言って説明だけして去っていったが、この話を聞いて何か思うことや意見はありますかね?」


真実とは闇に隠すのでは無い。森の中に隠すべきである。彼らは見事に前職を森に隠して、今の職務だけに注視していくことだろう。




「それはいい話にまとめられてるけど、実際のところ分からんのも事実だけど、これ以上は追及しない」


ありがとう。


この一言を聞いた時のハイネの泣き顔は忘れられないだろう。友が危険を顧みず、それでも世界を守るための職に誇りに思っていると言ってくれていたのが嬉しかったのだろうが、ソロソロ時間だろう。


管理職をしている我らが隊長殿は、もう少ししたら仕事をバックれてココに来るだろうと言っていた。


それならもう少し待ってみるか。




パタパタと階段を駆け降りる音ともにドアが開く音もした。


あの日気づけば居なくなっていた隊長に会いたくて。

あの日ラーメンを食べる約束をして待っていた隊長に。

あの日降り頻る雨の中で伝えたかったこと思いを言えずに後悔した日が何度も思い出し、そしてその彼が今後ろを振り返らなくても、そこに・・・


あなたはなんて声をかけてくれるの?





「ただいま、みんな。久しぶり」




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