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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。



「その通りだろ。彼女の生命を危険に犯した、不良債権は帰ってこなくていいのに」



君そんなこと言う子だったかな?


「言い方、その言い方はやめよう。友情関係が崩れちゃ・・・」


「呼ばれてるよじいちゃん。後、彼女が疲れ切った顔でお前と一緒に出てきたのが気に食わない。例えテメェがはしゃぎすぎたとしても、彼女の睡眠時間を削ったのに関しては、万死に値する!」



「そっちかよ!」


「それでも自分には良き姉なんですから、変なことするとか、いかがわしい事をしようとか、困らせないでくださいね」



反論ができないが、一つだけ言いたいことがある。


「お前まだ彼女に生き別れた弟だって伝えてないの?」


「先週父親と一緒に買い物していた姉さんに遭遇して、父親にはバレました。姉さんはそう言う身内関係には疎いというか鈍感らしくて、表面化するまで内緒にしとこうと言うことで話がつきましたよ。もちろん母にも再会して喜びを分かち合いましたよ」


重い話かと思ったらそこまででもなかっただと!?

そして姉以外の家族とは既に再会してたとは、良かったじゃん。

「俺はこれから家族に再会するけど、何かこれやったほうがいいとかある?」


「俺はアンタが嫌いだ。だから助言はしない。はよ行け、そして戻ってくんな」


手で追い払う仕草をするが、この男は姉には強く出れないのできっと迎えに来てくれるだろう。嫌な顔して。


俺も覚悟を決めてタラップから地面に降り立った。懐かしの故郷の惑星には似つかわしく無いアスファルトとコンクリートで敷き詰められた滑走路。俺を迎えに来た男達の肩には、故郷からいなくなるまでは見なかった小銃或いは剣を担いでいるものが周りを固めていた。本当に色々あった様だ。それでも事情を聞きに懐かしの我が家に向かって車を発進してもらった。


空港から北に進む事30分。短く無い移動距離を進み見えてきたのは、かつて住んでいた家では無く、コンクリート製の家だった。

自然を愛し自然と生活するを体現していた彼らが今は人工物の中で生活するとは思わなかった。だが違和感は少しだけしていたが、案内された部屋のソファーに座っておけと言われれば何もする事が出来ない。少しだけ時間が経った。目の前のスクリーンから流れてくる映像には、私が子供の頃から住んでいた家が映し出され時間が経過していきうちの、俺の知る最も身近な身内が現れた。



「久しぶり、兄さん」


懐かしい顔とはいえ少し老け顔になった弟の顔を見て俺も目に涙を浮かべた。

時間は残酷だが、数100年の時間は思い出と近況の報告で補完できる。


「今どう言う状況か説明できるか?」



弟の一つだけメッセージを伝えた直後、グシャグシャの顔になり目には涙を浮かべて笑った。


「平和を目指すための行動にようやく目処が立った。今は戦後の後処理と残務処理の真っ只中。

もう直ぐ夜明けだ、兄さんも参加して、世界が見る世界で初めての平和の式典。その最初の第一歩。ともにここまでやってきた友達に会いに行くから兄さんも準備して!」


”思い立ったが吉日“異世界には数多くの言葉が言語があるが、あの国は更に言語も言葉も沢山あった。その中でチョイスする今の俺にぴったりの言葉。


何を目指すのかわからないのでついて行くだけになってしまう。船に置いてきた態度のデカかった弟はまだしも彼女に断りもなく宇宙船に乗るのは気が引けたので、事情説明含めて、この惑星から移動することを伝えに行ってもらおうと手配を頼むと、見知った2人の背中が見えた。


「なんだ?2人も一緒に連れて行くのか」


「兄さんを送ってもらった方たちに、不当な扱いはしない。それよりも式典会場はここから更に少し距離のある場所で行われる。君たちが迎えにきた人物は今少しだけ重要人物になっているのでしばらくは帰れないが、それでも1ヶ月以内には何とかするので暫しお待ちいただきたいが、それでも事情を説明するのは難しいのである程度端折らせてもらおう。それでも構わないだろうか?」


兄さん以外の2人は慎重に頷いた。



「我々のこの世界には数多の人々が住む惑星が多数存在するが、宇宙に飛び出す技術“星を渡る者”とテラフォーミング惑星開拓が出来る技術がないと世界を超えたと言う認識はされない。

私たちは数多くの星を人類が住める惑星に変えてきたことで世界を知った。

他の星々も我々と同じ様なことを行い世界を知るものがいる中で、我こそ人類の支配者だと言う欲張りものが登場する。数千年から数万年と言う定期的な感覚で滅んだり、現れたりするが今回は特にひどくてな。


世界を征服するための戦争なら理解できたが、自分の利益のために他者を巻き込むことを厭わないものや、快楽のための戦争など理解できないものまで出てくる始末でな。

世界が破滅に向かってるのかと思ったが、そんな事はない。精々星系が数個消し飛んだり全てが死の星に変わる可能性が合っただけで、世界はそう簡単には滅びやしない。

それでもそこに住む者の心は、違う。



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