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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。

 


 事態の収拾を図るための議論は長い事続き・・・・・。


「レイ殿に命令する。現在鍛えているものを除き、これから入隊してくるものと、現在現場と後方で仕事をしている者たちは、全員睡眠学習カプセルに入り、資格試験を受験してもらう。そこでの成績が悪かった場合、どの企業や国からも支援が打ち切られる可能性だけは理解していてほしい」


 そして、男はホテルに居るであろうレイを呼びに行った。






「レイ殿に命令する。現在勤務している者たちを除き、これから入隊してくるものと、現在現場と後方で仕事をしている者たちは、全員睡眠学習カプセルに入り、資格試験を受験してもらう。そこでの成績が悪かった場合、どの企業や国からも支援が打ち切られる可能性だけは理解していてほしい」


 そして、男はホテルに居るであろうレイを呼びに行った。




「遠路はるばるご苦労様です」

「ようこそ!」

「ようこそおいでくださいました!」


 空ではパンパンと花火の音が聞こえてきたが、空を見上げても花火の華すら空には描かれない。ただ遠くで聞こえるだけのむさしい音が俺の内情を響き渡せているのかもしれなかった。


 外は炎天下を超える炎天下。

 今年の夏は異常気象で常に最高温度が毎時更新されていく。




 今日は今まで話し合っていた各国のお偉いさんが集まった会議ではなく、各国の代表が集いメディアに戦争の終結と平和宣言が行われる。その時についでとばかりに俺がまとめている組織の発表も行われるとあって裏方のメンツや事務方は大慌てで支度中。もちろん軍や警察消防のトップが集合した。



「お久しぶりですね、隊長?」


 軍議に参加していた時、一緒だった顔見知り程度のオッサンが声を掛けてきた。

 その後ろから火傷が顔の前面に負っている男と30代の女性が立っていた。


「久しぶりですね。ですがあのときは自己紹介はしないほうがいいということでしませんでしたが、あらためまして今回この組織の初代司令を賜りましたレイです」


「こちらこそ、はじめまして。ヤン・トーツ・G・榛です。私は軍のTOPとしてこの場に来ました。横に居る傷アリはグレン・ルー。あだ名はカレールー。こっちの女性は俺の姉の」


「フィーネリア・H・榛です。弟ともどもよろしくお願いします。カレー君は私の夫の弟さんなんです。そして消防官。私は警察官僚というポジションですね。ヤン君は軍のTOP扱いですが、実際の組織運営はすでにレイ殿に移行されているということなので、軍関係者は絶対服従していると思ってこき使って下さい」


 さぁてちょっと思ってもみなかったが、なかなか濃い人間関係の紹介を教えられてビックリした。それにしても揉めていた彼らがここでは家族関係とは世間は狭いというかなんというか。


 後で内密に聞いた話では、組織としての立場では会議場での発言が正しいらしいが、会議の後で情報を交換したときに軍関係者の一部からこれからは惑星間だけの交流でこういう統合組織を作るために会議を開いたと思っていた者たちを説得して回ってくれていたらしい。

 そして軍人の中でも特殊部隊の方たちを筆頭にレイたちと行動を共にした者、国境線沿いでの防衛任務に回っていた者たちの勤務交代を機に軍内部での情報が統一。


 全星系内のうち今回会議に参加することが確定していた各国軍は全員、今後の活躍の舞台が大幅に広がっていることに気づいた。

 それからは行動が早かった。消防や警察との揉め事をいち早く止めて、利権や権利なんかをすべて一度排除した後にもう一度考えるための時間を少し置いてから、話し合いを行った。


 成果はあった。彼らは自分の事ばかり見ていたが、少しだけ上を見た。今まで宇宙での災害、戦闘、負傷者、病気による緊急搬送などは軍が取り仕切っていることが多かったが、これからはすべてのエリアを軍が受け持つことは()()()。それが分かっていたと思われる言動が節々で見られていたため、軍関係者はレイに対するこれ以上のややこしい話し合いを内輪で行い、まとめ上げたのだ。


 そして、軍関係者は絶対服従を以て準備と組織始動からの命令待ちでレイに指示を仰いだ。


 警察関係者たちはその話を聞いた時、思ったことがあった。今まで宇宙に逃げられれば追う術がなく野放しだった犯罪者たちがこれから取り締まれる対象エリアが増えるということだった。犯罪の抑止力と再発の防止。そして犯人の拘束逮捕で犯罪の撲滅が一歩でも近づくとわかり、支持が集まったのだ。


 消防も同じようだったが、こちらは少し否定的だった。今までも自分のえりあだけでも大変だったのだ。それをさらに範囲を広げて自分たちで管理することに否定的ではあったが、自分たちが介入できる窓口が持てるので政府との兼ね合いをあまり必要とせず対処できると少しは支持できるかもと今はまだ、消極的らしい。


「みんなありがとう。それでもやらなきゃ、何も始まらない。でしょ?」


 ま、そうだな。とみんなが言って笑いあった。これから長い運営が始まるのだ。ここらへんで皆を会議室に案内しよう。彼らも驚くだろう。どれだけの人が平和を待ち望んでいたのかが分かるのだから。





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