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「我々のこの集合体にいい加減名前をつけようということで、考えて改めて決まったので、君に発表しようと思うんだ。それとこの発表はまだ極秘で頼むよ」


 あぁ、今まで俺自身も統一組織だの統合組織だとか言っていたのが、ようやく正式名称で呼ばれるようになるのか。


「わかりました。それとこちらからもお願いがあるんですが」


 と、言ったところで後でその願いは聞くからまぁ、背筋を伸ばして聞いてほしいと言われた。



「我々国家間のいがみ合いを取り去るため、惑星国家同盟と名乗ることにした。そして君たちの組織名は、これまたなんで?と言いたいだろうが、こう名乗ってほしい。


 ゼルセルタ航空宇宙軍」



「ゼルゼル航空?」




 なんだそりゃ?一応なんだけど統一とかそういう纏まった名前にしなかった理由を聞かせてほしい。軍と名前はついた形になったんだ。しかも航空というのは警察や消防でも使うかもしれないが、そこまで使う頻度は低く思うしな。それでもこの名前にした訳を聞きたい。



「君にはゼルセルタ航空宇宙軍としてすべてを取り仕切ってほしい。だが、我々も彼らが言う基準というものに縛られて動いている現状を打破できては居ない。惑星国家同盟ができた暁には、君たちに対して最初の指示を与えることになるだろうからココで言っておく。ビックリさせないためだからな。

 全惑星・全国家・全住民に君たちの存在を認知してもらう。それを認知し了承が得られた時、初めて君たちが正式に稼働できるようになるということだ。今はまだ認知されておらず、内部もまだまだゴタゴタが続く。それならゴタゴタがいっぺんに来る方が長引くよりはましだろうと思ったまでだ。


 もちろん、我々は今回集結した国家だけでやりくりするのではなく、新たな種族たちとの友好関係を結び、なおかつ同盟締結ができる下地を作る。そのために新たな宇宙の海を共に行くために君たちは安全を我々に届けてほしい。それが今回君たちに命じる二つ目の命令なる。




 受け取ってくれるかね?」




 なんとも、壮大で夢のある仕事だこと。



「その命令

 確かに受領した」



 そして、その後彼らがレイに対して先ほど、願い事があると言っていたようだが?と聞いてきたので、答えることにした。内容は複雑で本人も報告するのが気まずかったりする内容だったのだ。



「あのな、軍と警察それと消防の三つを統合することに合意は得られたんだけど、当初の目標だけは達せられたので、ヨシとするか、その先をどうするか今ここで決めてほしいんだ。せっかく新たな名称ももらえたからついでに決めちゃいたいんだ」


 ゼルセルタ航空宇宙軍。消防官たちとの決め事をしたとき、採用基準は各々でというやり方にしたのは良いが、考えてほしいんだ。これだけの星系や惑星が絡む中、惑星内、大陸内での移動だけで良しとするのか、悪いと考えるのかが重要になってくるのだ。


 レイの考えでは、宇宙空間においてはやり方も決まりもあの段階では誰も気づきもしていなさそうだった。それをあの場所でさらに混迷にさせてはいけないと思い、言わなかった。まずは3つを統合する第一目標。第二目標に宇宙空間での作業があるので、どう振り分けるのかを確認することだろうと思ったが、周りの人たちに確認を取るのが、先だと思ったからだった。


「うーむ。レイの言っていることは理解できるが、今すぐそれは対処可能な問題なのか?引き延ばして後日改めて考えるのはどうかな?」


「もちろん、それでもかまいませんが、新体制がスタートしたところで更なる混乱を起こさせるのはまずいと思ったので、報告したまでです」


 中々に殊勝なことを言ったようではあるが、実は難問にぶち当たっているとも言うのだ。彼らはレイに厄介ごとをすべて押し付けはした気でいたが、レイの投下した重要なお話は、大きな爆弾として登場したのだ。



「由々しき事態は理解した。今後のために組織結成時のルールや改正など頭に悩まされるだろうが、宇宙空間ではとにかく危険を回避するために軍が先行して資格の取得を目指すやり方で実践するというのはどうだろうか?」


「そんなことをすれば、警察や消防は自分たちが、おろそかにされたと言われますよ?」



 事態の収拾を図るための議論は長い事続き・・・・・。




「レイ殿に命令する。現在鍛えているものを除き、これから入隊してくるものと、現在現場と後方で仕事をしている者たちは、全員睡眠学習カプセルに入り、資格試験を受験してもらう。そこでの成績が悪かった場合、どの企業や国からも支援が打ち切られる可能性だけは理解していてほしい」


 そして、男はホテルに居るであろうレイを呼びに行った。




「遠路はるばるご苦労様です」

「ようこそ!」

「ようこそおいでくださいました!」


 空ではパンパンと花火の音が聞こえてきたが、空を見上げても花火の華すら空には描かれない。ただ遠くで聞こえるだけのむさしい音が俺の内情を響き渡せているのかもしれなかった。


 外は炎天下を超える炎天下。

 今年の夏は異常気象で常に最高温度が毎時更新されていく。



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