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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
「誰か優秀な部下が3人くらい欲しい。真面目とかじゃなくていいから、俺の手となり足となる者とか、居ませんかねぇ?」
「居ますけど癖強が4名程。まとめてもらってくれるのであれば、融通しますが?」
癖強か・・・。仕方ない。居ないよりマシだ。
「お願いします」
背に腹は代えられない。どんな人でも仕方がない。取りまとめるにはどうしても必要な人材なんだから。
「容易には時間が掛かるから、先にある程度始めていてほしい。それと君に癖強の助っ人を渡すお詫びにここに来るまでに出会った秘書を君につけよう。もちろん恋人としてではないぞ。彼女は既婚者だから定時帰社は絶対だからな」
そう言って、紹介されたのはココに来るまでにいろいろと手続きをしてくれていた秘書官。
「君はあの資格試験の時に案内してくれた方だね?よろしく。かなり重労働になるだろうけど・・・」
少しだけ、引きつった笑みを浮かべながらも、挨拶はしてくれるようだ。
「え、えぇ。よろしくおねがいしますね。レイさん」
こうして二人で軍部の統合と警察消防の統合を同時並行で行う猛烈な忙しさにまい進することとなった。
あれから十年・・・・。
というくらいの時間が過ぎたことにしてバックレていればよかったが、そうは問屋が卸されるわけにはいかなかった。やはり大事になった。もちろん、利権やなんかは絡んでいたが、そういうことではなかった。理由を聞くもの、聞かぬ者たちへの話し合いと多少の暴動でもひるまず話し合いに徹して2週間が過ぎ去ったのは間違いない。そのあと軍人や警察官たちはある程度の情報共有で合意を得られたのだが、消防関連はいまだに了解の二文字がもらえていない。だんまりとも無視ともとれるやり方でこちらとのコンタクトさえ取ろうとしてはくれないのだ。
「もういい加減、実力行使に出てはいかがか?彼らの納得できない気持ちも理解できるが、限度というものもあるのだ彼らにすべての時間を割いてやる方が、時間の無駄だと隊長も理解されていると、思っていたのですが」
こうコメントを残す発言をしているのは、癖強助っ人軍人のモーチャ大佐。彼の来歴と人脈により世界中の軍人たちの理解を得て改革を推進し、ある程度の目途が付いたので、今は他の組織の調整に入ってもらっている。
「そうはいっても、あんさんたちでさえ、実力も実績も何もない者たちに主導権は握らせたくはないとか言って、無茶苦茶ご立腹だったのは見過ごせませんよ」
彼の名は、パース。警察組織の中でも政財界に通じているため、今まで彼を排除しようなどと恐れられてはいないそうなのだ。
「それでも軍人と警察にはある程度理解が示せるとして、吸収合併に乗り気だったのを見るとお前らはお前らはそれなりに吸収合併をするときに反発も起こらずにスムーズに終わってくれてよかったね?」
ちょっとお怒りモードになっていらっしゃるクロト君。消防士の取りまとめ代表のような方が選出された形になっている。
彼ら三人を含めて俺と秘書の彼女の三人でこの新部署の設置を急いでいる。これまで各惑星、各星系に点在していた者たちを一つにまとめるというのは、言語の壁を突き破ってでも難しい話になった。最初は、意思疎通とこちらから伝えるべきことを睡眠学習カプセルの使用だけで伝える案もあったのだが、それをしてしまうと彼らの意見すら無視する形になってしまうので、意見をそれぞれ聞いた。もちろん聞く気が無いのにただ質問だけ受け付けたわけではない。
彼らにも悩みや相談事があるかもと聞いたが、想像以上に寄せられた意見にすべてを答えることには無理難題に見えたが、データ化して平均した悩みや相談を取りまとめ、それ以外に弾かれたものもある程度ザックリではあるが、読み終えてから改革に着手した。
これでも計画通りに物事を進めるために反発も暴動まがいも恐れていたが、戦争を止める平和への第一歩を共に進めませんか?の一言でまず、こちらの意見に耳を傾けてくれた。それが今回の軍と警察の統合合併了承に至ったと考えてはいたが、まさかまさかの消防はこれに猛反発。我々には我々のやり方があり、戦争を減らすのと火を消し、人々を助け、救助する特性を持つ我々に貴様たちとの友好な話し合いとやらに納得はいかない。と、彼らは再三にわたる吸収合併に伴う統合処置を一切理解してくれないだけにとどまらず、こちらの要請には断固として、従わないという趣旨の署名活動さえもいとわないと通告してきた。
これに、対処するために癖強助っ人たちを投入し、どうしてこうなったかを最初から最後まで話して伝えに行った。かなり手厳しい意見と共に、少しづつ理解してくれる惑星内部の一部の消防から、惑星規模、星系全体にまで話が伝わり、説得を続けてようやく全消防官が見守る中での合同会議にまで漕ぎつけるまでに至った。
彼らには彼らの意見があるが、これを機に全員の意見と意思を一つにして前へと進めるように努力しよう。
さて、時間だ。緊張の会議が・・・・今、始まる。
「皆さん。改めまして、本日多大な時間を使ってこの会議に参加してくださったことを大変うれしく思います。まず初めに・・・