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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。

 

「と、言うわけで食べ終わりましたよね?こちらの会議も紛糾は多少しましたが、一応の決着はつきました。戻りましょう」


「おう」


 席を立った時にお代を置いておいた。ココに連れてきてくれた彼女に軽く頭を下げて店を出た。







「すまない!」


 まず会議室に入室する。すると目の前にオーナーやピサヤさんとウズラさんを含む20名程が、先日からの悪ノリを謝罪して来た。


 彼等は少しだけ過去を思い出し、高揚していたのだという。


「我々の代でこの醜い争いが終結する事が判り、平和を維持するための礎を築ける栄誉に酔いしれてしまった。貴殿はこの世界とは全くの無縁な者なのに」


 こうして和解した事で今後の奉仕を聞いた。勿論正式な謝罪や個人的な謝罪を持って許した。彼等には彼等なりの苦労があったのだけは理解していたからな。






「“世界は残酷の一言で未来永劫、滅ぶまで戦争に明け暮れると我々は思っていました。だが人は立ち上がる決意と共に前へと進む勇気を持てば、それが苦難の始りだろうとやり遂げる事が出来ます!”」



 大観衆の前で、カメラの前でこの発言をすれば素晴らしいが、何をとち狂ったのかこの場には俺と賛同者達20名。そしてその20名が所属する国家元首達が居並ぶ会場での発言だった。


 そう、この場に集まったのは平和の式典の序章に過ぎない。俺は遠くからこの光景を眺めている。


 今世界で憎しみの連鎖を止めるための議論が起こり、過去を思い出す名称の撤廃のために、惑星や星系の名を変えるか?という話し合いをしている真っ最中だ。





「エルフリーデン星系からハイエルフの方たちがお越しです」


 突然会議室に入って来た伝令にそう言われて、皆扉を見る。



 エルフ。それは長命種の一族。この星々の中でも2番目に寿命が長い。その中でもハイエルフと呼ばれる者たちが、この会議に参加を表明してこの場にやって来た。


「我らはここに来るまでに各国の代表たちが集う星々に立ち寄り、国民の声を聴いてきた。



 我らに求められるのは、独立したここに星系が独自運営するのではなく、統一した議会を設立する事。


 軍事・警察・消防などの各国に必要ではあるものの、意思疎通が難しいものたちは全て統一して大きな一括りにし、各星系各惑星に配置できるようにする事。


 医療など民間病院と国家運営の医療機関は統合ではなく、議会に所属する全星系惑星の医療関係をまとめランク化し医師免許を発行するようにする事。


 この平和に向けた各惑星の集まりに対して大きな名前を付ける事。

 軍・警・消という集まりは形態を変化されるため名前を付けて判りやすくしてほしい」



 ココまで一息で言ったエルフの爺さまに俺は感動した。最初はヨボヨボの爺さまが来たと思ったが、コレは考えを改めねば。


 それにしても、どこまでも着いて回る話題だな。それくらい皆が思っていたほど統一性が無いのかな?


「レイさん勘違いしてますね?警察と消防などの公務員制度が廃止されては今まで勤務していた者たちから暴動が起きます。

 それを皆が痛感しているから議題に上がるんですよ。どの惑星でもやりたい放題で目に付くからいい機会だと思って法律もルールも全て統一。


 そして監査官も賄賂が通じない者がやるのが1番良いかと、不正は無い健全さが大事なので。身に染みているからこその重大案件だと捉えているんですよ」



「そういう事か。普通警察や消防は健全とは行かなくても人々を助ける業務で、軍人達は秘密主義者が多いのかと思ってたよ」


「それ以外にもあるのはあるんですがね、今まで戦時扱いでもあったのでどちらかというと先ほどから挙げている軍人警察消防は秘密主義に近い軍人達の退役後の就職先が1番多かったので、新人が入ろうとも、歳上の退役軍人の方達が、そのねぇ」



 あぁ、権力とまでは行かないけどかなり威圧的な方達がいたんだな。それで風通しも含めて統一を訴えてると。大変だな、巻き込まないなら俺は気にしない。


「レイ殿!貴殿は軍関係者と警察消防をひとまとめにした組織構築とその指揮をお願いします。

 既に全軍を呼び寄せると言うのはまずいので、各星系各惑星の各部隊ごとにシフトを考慮して出頭命令を出したので、交代で来ます。

 ついでに睡眠学習カプセルをこのタイミングで使いましょう。いい機会です、このタイミングから使用しましょう!」




 えー、マジかよ!久しぶりに見かけたピサヤさんが凄まじい事を言ってのけた。

「辞退したい」


「ダメダメ、話合いで決定したんだから今更無しはダメなんでよろしく」



 それじゃ!そう言って手をヒラヒラさせてドアを潜り消えていった。




 さぁて、どうやってこの難題をクリアしなければいけないんだ?俺にどうやってそんな大組織を回さなきゃならないんだろうな。静かに生きたい。


 無理か。




「誰か優秀な部下が3人くらい欲しい。真面目とかじゃなくていいから、俺の手となり足となる者とか、居ませんかねぇ?」



「居ますけど癖強が4名程。まとめてもらってくれるのであれば、融通しますが?」



 癖強か・・・。仕方ない。居ないよりマシだ。


「お願いします」


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