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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
「もう、許してやれよ、レイ君。彼らも反省しているからそれ以上の追い打ちは勘弁してやってほしい。それにそろそろ会議を始めよう。君が受けてくれた試験はこちらとしても急遽受けてもらったところで、本来ならば試験突破出来るということは、ありえないはず内容だったんだ。
その中でも医師免許を取得できたことでこのカプセルの有用性も実証実験で確約できた。これからこの宇宙で同盟を結ぶ星々たちの中で必須の品目に追加されることだけは確かだな」
中々にエグイことを初っ端にやらせる各国の代表方には恐れ入る。そして、そのほかの代表者たちが口々に声を上げる。
「それ以外にも使えるぞ。試験会場を設立させなくてもよくなったし、費用を十分抑えることができる」
「資格更新にも使用できるから一々試験会場にて説明せずに済むという利点もあるが、ちゃんと正確に情報が伝わっているかわからない対面形式よりも、カプセルで直接脳裏に叩き込むスタイルは、よそ見できなくできる代物だ。利便性は高い」
そこまで計算されていれば、俺には何も言うことは無い。それにしてもこんな僅かな時間でよくいろいろ思いつくものだ。そのままの勢いで必要であろう資格関係の整備に入ろうとしていたところをまとめ役が止めて、次の議題を話していく。
当たり障りのない会話ということは一切ないが、俺にかかわる関係の話し合いはなさそうなのでしばらく暇をしていたことがばれた時はさすがに怒られた。できれば真面目でなくても聞いている、フリくらいはしろとのこと。
それからなんやかんやで数時間が経過していたことに気づいた。外の様子を確認しようものなら何も見えない。
「星々の煌めきが余計に寂しさを映し出す俺の心のようだ」
そう呟いた時のみんなの顔はしばらく忘れることはできないだろう。彼らの顔はこの会議の真っ最中の発言とは思えないと言いたげな表情だったからだ。そんなこんなで集中力の落ちた俺は会議室から追い出されて、今はあの星々を眺めるだけの会議室と異なり人々の行きかう道路を歩いていた。近場から良い匂いのする食堂を横目にどこに入って食事をするのか、迷っていたのだ。
「お兄さん。見ない顔だけど、この辺の人じゃないよね?今戒厳令が出ているのは知っているのかい?こんな場所をうろうろしていたら、兵隊さんに見つかって連れていかれてしまうよ。よかったら家にお出で。そこの小料理屋をやっているんだ。今日は客の出入りが少ないからまだ余裕があるからね」
料理屋を営んでいるというオバちゃんの家に上がり込むと、そこは小料理屋と呼べないスペースを所持していた。
「まぁそうだよな」
みんなが俺と同じサイズの人間サイズでこのあたりは官公庁。それも惑星内を統治する官公庁ではなく、惑星外を基準に考えた官公庁。ならば外からやって来る者たちのことを考えても、人型サイズが好ましくなるものだ。そんな官公庁をウロウロしていたら声をかけてくれた女性にノコノコ付いてったらさ、そりゃそうなるわな。このあたりのドラゴン。竜人族たちは思い思いの姿で食べたり飲んだりしていた。もちろん人型で食事をする者もいるけど、それは少数の者たちであって、体を伸ばせるスペースがあるなら元の体に戻ってゆったりする者たちもいるか。
それでもこうして見ると、そこまでゆとりのあるスペースはなさそうだ。
「何言ってるのやら?ココは小料理屋だよ。こんな場所で元のサイズになれるだけの場所を数席だけでも用意しているところをほめてほしいね。そんなことより、あんたは何でも食べそうだね?ハイ、この店オリジナル名物 ミュマンビョ。おいしいから遠慮なく食べなさい」
みゅ?色は普通に蛍光色。だけど周りのみんなも食べてるし、たぶん大丈夫なはず。
・・・・。色はヤバめだったけど、味は塩辛いよりもちょっと甘辛ベースのトロッとしたお肉の炒め物だな。色がショッキングピンクやショッキングブルー、それと普通の色した緑の葉野菜だった。
味もおいしくて、酒も提供していたら普通なら人気が出てくるのだろう。
周りに絡まれずに食べれるから俺的には当たりの店として記憶しておこう。
「おい兄さん!」
お隣で飲んでいたオッサンが急に声を掛けてきた。
「お前さん、外の人間だろ?ドラゴンとは波長が違うから一発でわかるが、お前さんは今回のお国からのお達しを聞いたうえでこの星に降り立ったのか?それとも、隠れてやり過ごしてるだけか?」
「んー。わかった上でというのは語弊があるが、喋っていい物なのかな?」
俺が聞いたのはこの飲んだくれではない。俺の横にいつの間にか座っていたボディーガード兼秘書もどき。
「ダメですね。政府発表の声明が出ていない現状で答えるのはダメですが、一つだけ答えるとするなら、彼は政府が招き入れてマスコミからこの星を守ってもらえると信用した人物です。とだけですかね?」
中々重要なことを言っているはずなんだが、そこまで言ってしまって良いのか?いいんだろう。彼が怒られるだけだからな、俺。何も言っていないし、直接どうすればいいのか聞いたんだから。