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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。

 


 同じ気持ちを共有してくれる秘書さんサンクス!


 コレで分かった。睡眠学習機能の付いたカプセルだけではどうやっても受からないということが・・・。





 そう思っていた自分の先ほどの感想を返せ。



 医療系の睡眠学習において本来、俺が思っていたテキストや論文などをマルっと頭の中にコピーしてくれるものだと思っていたんだよ。


「それなのに、なんで軽ーく施術の真似事を空中に撫でるだけでやってみたのに・・・」


「ホッホッホッホ~。ようやく睡眠学習カプセルの真価をお試しいただけたようでうれしい限りですな。わたくしは、このカプセルの開発者にして実験台第一号もしておりました。たしかに当初貴殿が申された通りテキストを丸々頭の中に叩き込むことだけに意識を集中しておりましたが、それだけを目的としてしまえば、テスト勉強を一夜漬けで行う学生と一緒になってしまいます。彼らは勉強をせず、授業をせずにこのわたくしが開発した発明品に入るだけでいいということになってしまったのなら・・・・発売中止は目に見えておりました。ならば、前提条件を作ることで、学生が単体で使用できるというのを排除することから始めようと思い、今に至る所存です。



 まず一つ目に情報の取得に必要な前提条件をどこで見極めるか。

 二つ目にテキストだけ叩き込むのではなく実際の行動にも表れるように睡眠学習をプログラムすること。



 これを主軸に改良に改良を重ねたのが、今貴殿が入っていたカプセル型睡眠学習機能Mark12という代物です。お試しいただいて、感想は聞きました。実際に軽く動かしただけで機能するのも実感できたかと思いますが、いかがですか?この使用感、この圧倒っ的な知識のおかげで貴殿に更なる繁栄の糸口を導き出すことはできましたでしょうか?」



 凄い講釈を述べてきたが、どれもこれも納得できるものであるに越したことはない。


 なら今俺の目の前で起こった手術風景は睡眠型カプセルのおかげで引き出せたということか。本当にすごいことを考え出したものだ。




「そうだな、最高とまではいかなくても十分改良の余地ありと言えないくらいの完璧さだったと言っておくよ。それにしても不思議だったのは、貴殿のような発明者が今まで無名だったというのはおかしいよね?今まではどんな物を発明していたのか、興味あるね」



「興味を持つ。それはよいことですが、それを聞くタイミングは考えた方がよいですぞ。



 出なければいつか、すべての不幸ごとが襲ってくるかもしれませんからね?





 たとえば、記憶を無くしてしまうことになるやもしれませんぞ?」







「へぇ~、それは脅しかな?」


 君は俺を脅して黙らせようと考えていたりするわけか。なら代表たちにこの人物は危険人物の疑いアリ、と報告したほうがいいのか?と思っていたら、この発明者の爺さんが大笑いしながら謝罪してきた。


 今まで無名だったのは、この睡眠学習カプセルの開発一本に絞った開発しかしていなかったためだった。開発理由が不順だったのも功を奏していたもう一つの理由かもしれないが・・・。



「わたくし、実は大変不真面目な生徒でしたが、体力自慢ではありませんでした。ですから軍人となって国に尽くす兵士になれるはずもなく、知識を生かした参謀タイプになれるはずもありません。それどころか、戦争にかかわる職に従事する術を持てないほどの大バカ者でしたから、人生の大半を費やして自分の金でこの馬鹿でも、皆と同じように生活できる術を身につけさせてあげたいというのがコンセプトですね。そして私自身を笑いものにしてきた同輩たちを見返したい気持ちで開発に取り組み幾年が過ぎましたが、この開発成功を発表しようと表社会に出た瞬間、号外が・・・・」


「号外?」


 何の号外だろう。気になるけど話の続きを促した。


「戦争の終結。外部に一切発信することは禁止という二つのメッセージを渡されました。ですからこの装置はもう必要ないと絶望していた矢先、この機械は使えるとおっしゃってくださった各国の代表方にぜひともお礼を言いたかったのです。


 あの日あの場所で絶望していた私に、生きる術とお金を渡していただいたのですから。


 貴殿に体験していただいた、カプセル型の睡眠学習装置は、複数個の用途と使い方があります。


 ですが、これだけは言わせていただきます。



 医療系の資格を取れるために貴殿には、無茶な形でのスパルタ仕様で学習されているので、試験は多分合格されますよ。


 何せ、貴殿は夢の中で数千人もの人をお救いしているはずですから。どんな病も直せるベテラン医師としてね」


 なんか、すさまじいことを教えてもらったが、ありがとうという言葉だけでは足りないだろうけど・・・。


「ありがとう。試験に挑んでくるから、少し待っていてほしい」


 そう言葉を伝えてから、秘書に案内されて試験会場に向かったレイ一行。



 大きな建物から下を見る絶景を今は何も感じない確かな思いを胸に試験会場に着席する。



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