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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
今、お迎えの船に無事ご搭乗が完了して、先ほどまで乗っていた脱出ポッド。通称棺桶から出してもらってどうして無線連絡その他の連絡ができなかったのかをご報告中なんですが、どうやらこの艦に乗っていらっしゃった方はエルフの方だったらしく、俺とは直接の面識はなくとも俺のことは去るお方から聞いていたと言ってくれたことにより誰のことかくらいはわかった。今現在表には出れない一族だということだけは聞いた。
「それにしても、この艦にはあなたがたお二人しかいないのですね?」
「ハハハハ。この任務を受けるにあたって仲間割れをしておりまして。私もこの仕事が終了次第、彼女に船をすべて預けて田舎に引っ込むことにしておるんです」
何という剛毅な話をされる方なんだろうな。俺にはとてもまねできない筋肉量と知識欲で今まで他者に与えてきた実力を今度は育成に力を入れることで自分の趣味を一癖も二癖もある新人たちに猛威を振るうため、現在研修中なのだろう。
彼らが夢に見る艦の本来の役割は、軍艦の指揮と運用の素早さが必須となり、初心の気持ちで常に勝つという気持ちを彼女が持てるかどうかだけは決まっているらしい。
でも、彼女がこの戦いにおいてどういう思いで参加しているのかを聞けただけだけでも十分この後の仕事が捗りそうだ。
無線機壊れた脱出ポッドで送り出した奴らだけは許すまじ、だけどな。
そして、船に揺られてドンブラコドンブラコと運ばれてきたのは、以前ドラゴンたちの秘密基地ともいえる小惑星をくり抜いたがらんとした格納庫に案内された。
「・・・・。アレ?以前来た時より何もない気がするんだけど、何があったんだ?」
そう、あの時はエルフリーデン星系の奥に敵が前線基地を作っている可能性があったので確認と現状確認ということで向かう途中か向かっている途中に寄ったんだよな。
「あぁ、お片付けしました。きれいになったでしょ?ココ結構油で汚れてて汚いし男所帯でドラゴンだから”人型の時の汚れなんか気にしない”なんて男どもが言ったので物理的に掃き出しました。ついでに格納庫の武器庫はすべてドラゴンナバロニクスハウウェザー星系の軍物資格納エリアにすべて移動させておきましたよ。それでもココ物凄い汚かったんです。それでね、でね!」
確かにあの時も格納庫は汚かった気がするが、ドラゴンのあの巨大な巨体を見て驚き、縮小して人型になる姿に感動していてそれ以外覚えてないな。記憶すらないぞ。
「さぁレイさん。こちらにお茶を用意しました。この小惑星と首都との直行便まではしばらく時間が空きます。そのお茶は気分を落ち着ける私一押しのリラックス効果のお茶なのでそれを飲んだらソファーで申し訳ないですが、少しお休みください」
ありがたい。そう感謝を述べてからお茶・・・紅茶だな。紅茶を飲み終えてからソファーでしばしまどろみの中を漂うことにした。
「見えてきました!アレが中央会議室です!」
今いる場所は、ドラゴンナバロニクスハウウェザー星系の中でも一番人口の多い惑星ではなく、官公庁が多く存在している惑星の中でも、最も警備の多い中央会議室に来ている。
「みんなが来てるって聞いたが、もう会議室にそろっているのか?」
「いえ、事前情報で申し訳ありませんが、オーナー殿とウズラさんは・・・・」
彼女は何故かものすごく嫌なものを見る目で遠くを見ていた。これは、怖いな。この話はもう話題に出さないほうがよさそうだ。
「そうか、なら会議室に行こう。俺がたどり着いたら世界の話をしよう」
「はい!
それで世界の話とは一体?」
アレ?この子は知らないのかな?この戦争が今どういう道をたどっているのかなんて。
薄紫が広がる屋根にオレンジの外壁。きれいに色飾るステンドグラスは、踏み出すことすら躊躇してしまうような美術館風の建屋だった。きれいな建物には訳があるらしく、以前は官公庁ということでイメージ的に色は抑えめか白。という色だったが、何代か前のお偉いさんが建物の色を決めるときにこれがいいと言って鮮やかな色にしたことで街になったらしい。
凄くきれいな建物に入ったら、シックでモダンな部屋だった。
「やぁレイ君久しぶりだね。元気だったかな?」
そう声かけてくれたのは、ピサヤ殿だった。
「お久しぶりです。こっちは何とか元気ですが・・・・すいません。任務中に一隻落ちました。まさか落とされてしまうとは」
「気にするな!と言える立場では一切ないし、彼ら彼女らの待っている人たちの気持ちを考えると安易な答えは言えないだろうが、君が無事でよかった」
「で、他の方たちは?」
俺の一言に、ピサヤ殿は苦い顔をして少しだけあきらめた表情をしていた。理由?それは・・・。
「はぁ?うさぎさんのおうち~!?」
「あまり大声で言うなよ。抑えろ、そのだな、いかがわしいお店の名前に聞こえるが、違うんだ。うさぎさんや猫さん。お犬様がいるモフモフカフェにオジサンたちが突撃をかましていてな。現在この会議に居なければならない20名近くのメンツがカフェに行ってしまっていてな。




