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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
辛く、悲しい時代は終了だ。戦争は、終わりを告げて、平和路線を開拓するために我々は、今から本国に戻る。再集結せよ。繰り返す。
再集結せよ。
再集結は、3日後だ。以上」
とは言ったものの3日というのは無茶だったかな。未だに小惑星帯を抜けきれず、航路図を元にしたワープ用の計算は終了しなかった。
「小石、見飽きた」
今一緒に航海している仲間達の総意を代弁してくれた一言ではあったが、言うな。分かってるから。
「艦長、計算終了まで残り8%です」
こう言うロード時間は時間がかかるし数パーセントでも期待するだけ無駄だから他の用事でもしておこうかな。
そして1日が過ぎ2日が過ぎた深夜、ようやく計算が終了しワープできるところまで漕ぎ着けたのだった。
「ようやく次の集合場所まで行けるな」
「ですね」
しみじみと呟いた俺の言葉を誰かが肯定してくれた次の瞬間・・・。
「緊急通信受信!」
この言葉を聞いた時、あぁこの平和を作る手伝いはまだ掛かりそうかもと密かに思ったのは誰にも言うまい。
『レイd
れ・・い殿、聞こえて・・・・じしてほしい』
「音声解析は難しかったですが、唇から内容を確認。読み上げます!
レイ殿。聞こえていたら返事を返して欲しい。
こちらは集結場所で君達の帰りを待っていたが、ある連絡を受けて内乱を制圧中だ。君たちも集合場所ではなくこれから言う場所に来て欲しい。
ドラゴン達の反乱で、現在惑星内は内乱状態。大至急彼らを止めてくれ。
軍人や政治家だけならまだしも一般人に被害を出すわけにはいかない。
以上です!」
反乱が起こったと言うことは現在参加中の若いドラゴンではなく大人よりか年寄りだと仮定するとこちらの言うことをまともに聞いてくれるのだろうか?
それでもいくしか無いか。
「艦長、進路変更、ドラゴンたちの反乱が起きてしまっている惑星へ緊急ワープ開始」
そう言えば、以前俺の部下が言っていた事を思い出した。『ワープ航法装置ってやつは人間の考えるスピードを凌駕できるほどの計算能力を持ってはいるが、ワープを実際にできるかと言えば違う。
ココで必ず初期設定というものが必要になってくる。この初期設定は馬鹿にできないのだけど定期運行線や宇宙図、航路図など決まった物から観測がしっかりされていればそれ程必要な初期設定でないから見落とされがちになる物だ。
だが、軍艦や探索船だとこの初期設定を良い加減にした場合、大量の星図測定から始まり各惑星間の空間計算・小さな小惑星や小惑星帯の位置確認。危険物質の可能性からワープ自体を迂回するルート作成まで全ての計算を行うから、どんな地域に入ろうとも、まずは事前準備としてデータ収集を常にONにして少しでも計算能力に幅を持たせる事をさせないように設定しておくことが大事になる。
コレを少しでも怠ると必要な場面でワープ航法が出来ず敵に見つかり撃ち落とされたり、ずっとワープ出来ずに目的地まで巡航速度での移動になってしまう。
もしワープ航法装置の電源が入ってないかもしくはデータを保存してなかったら諦めろ。全てのデータを一度集計して再度観測したデータとの突合に不備がなければ23時間でワープ出来るモードに移行できるが、突合不備が確認されるとさらに12時間程の確認作業ののち最終確認でワープ航法装置の擬似ワープを敢行し実際に実行可能かを調べるから、絶対宇宙船でしかも定期便何かの決まったエリアしか飛ばない船なら規定してでも押し通せ。
絶対に未知の領域に行く時は事前データ収集は確実にON設定。コレ大事。
絶対、忘れるなよ?痛い目見るぞ』
そして、今。
痛い目見た自分がココにいます。今思い出しても意味がまるで無い。集合地点にに着いたら・・・合流したら全艦に徹底して命令してもらおう。全てのワープ航法装置を搭載した船舶には初期設定と事前データ収集のスイッチは常にONの状態。コレを怠れば、最悪の場合船舶運用が二度と出来ないと、明確にしてもらおう。
「レイさん。まもなくワープします。長いことお待たせしてすいませんでした。ワープ航法装置を搭載した船に特有の事前データ収集のスイッチがOFFになっていたことがわかったんです。国によって違うのかもしれませんが私の国ではこの機能は基本的には使用しないのでOFFと記載されていてこんな事になるとはと言うやつでした。すいません」
「いえいえ、私も遠い昔にこのデータ収集のスイッチは切るなと言われていた事を思い出して焦ってしまいましたから」
本当にこう言うことが今後もないと限らないが、次は無い。こんなミスで合流出来ませんでしたはあり得ないのだから。
「さぁ、みんなが待っています。ワープして目的地に行きましょう。内乱制圧後各首脳達との協議もしないとですしね」
「了解です。それでは、行きましょう」