表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
394/450

394

誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。

 

「遠ざかる小惑星を見送っていく日かたったある日の出来事・・・」




「何バカなことを言ってるんですか?

 遠ざかる小惑星ではなく、私たちが!小惑星と一緒に離れていっているんですよ?なんでどっかのナレーション風にカッコよく語ろうとするんですか?」



 そう、今現在小惑星型居住輸送艦とも呼ぶべき大きな大きな移動輸送艦は宇宙の大海原を時速2000kmと言う遅さで移動しつつあった。


「なんでワープ機能を付けてかっ飛ばそうって話を却下したのか理解に苦しむ」


「ですよね、ですわよね!」


 なんか話し声が聞こえたと思って振り返れば艦長と副艦長が揃って文句を言っていた。なぜか2人ともランニングシャツに汗がべっとりで少し臭い。


 近寄らないでほしい。




「レイ殿、あの戦艦に元々ついていたワープ装置をなぜ取り外して付けなかったのですか?」


 副長は俺の提案に理解を示していたが、艦長は納得していなかったから、今この場に俺たち3人しかいない時を狙って聞いてきたのだろうが、まだ分からなかったのか。


「副長は理解していた方に見受けられたが、聞かなかったのか?」


「コイツ、自分の中では理解出来てはいるが説明するとなると難しいとか言いやがってよ」



 説明が難しいときたか。そう難しく考える必要はないんだけどな。


「あー、なんだ。つまりだな、今この現状でワープ装置とか加速器をあの大きな石ころにくっ付けたと仮定して想像してほしいんだがな」


「はい」



「ワープに失敗して星に墜落して大被害を被るとかワザと加速して大地に突撃をかまされたらコチラには手の内ようがないんだ。なら多少速度の落ちる大きな大きなお荷物だとしても、あぁやってちょっと早い程度のスピードでこの宙域からの離脱をさせた方がいいと考えただけだ」


 それが一番怖い。あの捕虜達のことを考えるに司令官がこのままでは終わらせないとか言って星に突っ込むかもしれないことを考慮しないといけないとは、戦争ってのは本当に嫌だね。

 軍属に所属しているとは言っても、俺の世界では戦争とかよりも宇宙空間での犯罪や災害とか救難に重きを置いてたからな。あっちのみんなは順調に俺の仕事、減らしてくれてればいいけど・・・。サイン待ちの書類が壁の様に威圧してくる空間に1人取り残されるのは嫌だし、きっと誰かが、減らしてくれて・・・いれば







 いいなー。





「あのー、何か遠くの方を見ながら話を華麗にスルーするのだけはやめて下さい。こちらはこちらの仕事を行います。あなたはあなたで仕事をして下さい。いいですね?艦長?」





 ふと気づけば先ほどの話は終わっていたが艦長は途中から心の気にあらずと言った目をして天井を眺めてはいた。それを咎める副長の目には怒りより呆れの表情を浮かべている様に見えた。


 彼等が自分の仕事に戻ると言うなら、この後の展開をさらに詰めていかなきゃ行けないだろう。


 今の現状的に今後の予定を立てたいが・・・。



 えーと、おれは今後の予定をどう入れてたかな、どっかにメモしてたかな?


 1.現在の捕虜たちを可能な限りこの宙域から撤退させること・・・CLEAR

(現在撤退させるための輸送船不足・・・CLEAR


 2.輸送船不足解消のため居住区型小惑星制圧と解放

 ・・・CLEAR

(解放には二重の意味があり、小惑星に展開している敵勢力の無力化と小惑星内の有毒ガス排除のための排出行動・・・CLEAR)


 3.こちらの宙域からの完全撤収を見届ける・・・実行中

(我々が決めた領海外への見届け)


 4.これらすべてを完了したのち次のフェーズへと移行する。



 3番目に到着か。後少しだな。

 この後のフェーズは短縮をせずにそれでも最短距離で突き進む!





「あの、さっきから向こうの連絡で何度も何度も言ってくれるんですが、ゴゴゴゴゴと言う音がなっているそうですが、何かご存知ではありませんか?」


 通信士が俺たちの仕事スペースに入ってきて開口一番言ってきた。


「それは何か、そちらの整備不備だからこっちに来たいとでも言っているのか?」

「それが本当なら図々しいものだ」


 艦長副長ともに怒りをあらわにするが、俺の考えは少しだけ違う時に目を向けていた。


「きっと小惑星と居住空間で広げていった穴に無理やり入れた建物がこの速度で飛ばしているのでどちらかあるいはどっちもが削れていっている音でしょう。カメラを置いて中心部に集まるだけで対策は取れますよ。あとは放置でいいでしょう」



 こんな俺を薄情と言いたげな表情をする3人に目を背けた。


 やってられないからだ。分からないと言う周りに目を避ける様に1人になれるスペースに降りてきたが、何んで皆んなは薄情とか思うんだろう?魂胆はわかりきっているのに。

 彼等はただ小惑星を見捨てるのではなく巨大質量兵器をどこかの星に落とす算段をつけたがいいが、自分は生き残りたいから乗り移ってから実行するように命令したのだろう。酷い奴らだ、味方を見捨てる様な真似をするなんてな。


「艦長、副艦・・・みーちゃんさん。あの小惑星から逃げ出そうとしているのはお偉いさんだけで実際に動かしている人達は置いて行こうとしている。これはどう言う意味かわかるよね」


「うーむ」

「あー、コレがさっき言っていた。惑星に落とそうとでもしているのかな?」



 そうだと思うよ。想像したくもなかったし、実現して欲しくなかったけどさ。

 一体この後の処理どうしようかな・・・。






2024年、今年最後の投稿です。

みなさん、来年は良いお年をお迎えください!


それではまた次回!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ