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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。

 


「こちら本部。突入班へ突入を一時中止、繰り返す。突入を一時中止。検知器の反応を一度調査し本当に有毒性のあるガスかどうかを確認しろ。もしかしたらガス出ないものが検知したのかもしれないからだ。現場で待機!検知データだけ艦に送れ!


 データが届き次第検知器の分析を始めろ。彼等の命に関わることだ。早急に確認して突入に問題が無いなら任務続行だ!」




 データが送信されてきたので確認したが、捕虜にした敵兵たちは間違ったことを言ったわけではなかったようだ。ただし、有害ガスだけでもなかった。俺の知識不足というかこの世界には有害な成分の混じった物質がもともとあるにはあったが、それがこんな前線にあるとは思ってもいなくてそこまで警戒していなかったんだと。


 なにが有害性で危険なのかは今ここで話すのも大変らしいから聞かないでおいてやるが、もう少し詳しく聞かなければ今後の行動に支障が出そうなのは確実だった。



「で?受信したデータで情報収集して、危険な物質が検知されていたというとこまでは理解したが、そのあとの対策はどうすればいいんだ?」



「レイさん。それは違うんだ。本来ならこんな場所で感知しないほど内部での処理をしていなければいけない代物を前線で使用していることこそが問題なんだが、あんたに行ってもわからないか・・・・。どうせつめいするか。


 まず、大前提に話させてもらうがあの小惑星にて検知された危険物質は小惑星などの岩石を宇宙空間で溶かすために使用されるが、安定した場所で使用しなければいけない。


 それだけ人体に大変有害な影響がもたらされるということだ。

 危険薬物Lv10という扱いが大変に難しい薬剤にはそれだけの厄介性が付属すしてしまうのだ。ただそれだけで戦争に活用する、という行為には最善種だと思えるようだが、さっきも言ったが、安定性が全く無いんだ。少しでも圧力を掛ければ発火するし、衝撃はわずかにでも揺らすことで液体が保管されていたケースから溶けて漏れ出る恐れもある。


 敵陣より自陣にも被害を免れないことで有名な物質である。そんな物質をどうやって使用しているかというと、現地で全ての原料を混ぜ合わせて使用する。小惑星の一部を溶かす、岩石を溶かすには最低でも宇宙空間での使用。通常は、引力の大変強い太陽やブラックホール付近で行われるが、それをこんな場所で使用しているという条約違反を通り越して世界の敵とまで言われてしまうほど危険なんだ。


 この件を周辺国に告知するだけで村八分状態に陥る程な、でどうしたい?これだけの証拠物件だ。抑止力にすら使えるぞ?使うか」


 データの結果を聞いたが、これは対処を間違えるとこちらにも飛び火しかねないが。どうすればいいんだ?



「どうすればいい?国家間に今行ったところで、こちらにも飛び火して被害が出ないか?」


 腕を組み、う~んと悩むそぶりをしながら、口を開く。


「そうなんですよね。だから新鮮なヒントとかあれば・・・とか?」



 とか、とかってなんだよ。俺にはこの物質がどれだけ危険なものかわからないってのに・・・。


「わからない。わからないけど周りに告知すれば村八分が確実。でも今の現状でそれを行えば、こちらにも飛び火する。なら中継しながら国際社会に訴えかける?いやそんなことをすれば、こちらの自作自演を疑われてなおかつ危険なものを押し付けたというレッテルすら張られかねない。でも想像以上にいい考えともいえる内容。


 だが、しかし今の現状でこの捕虜たちを追い出せるほど大きな輸送艦を送り出すことは・・・・」



「レイさん。真剣に考えていらっしゃるところ申し訳ないんですが、この物質には無害になる期間がかなり短いんです。だからあと数日待ってもらえればたぶん無害になって乗り込みも可能になりますよ」




 先ほどから副長のみーちゃんさんとしゃべっていたが、横から出てきた博識女子に答えを教えてもらい、その答えが事実かどうかをしばし眺めながら待つことにした。





 数日後・・・・。



「おお~小惑星内部に毒ガスもすべて排出完了。もうあと数時間で酸素注入も可能になりますよ。それと小惑星内部に巨大な居住空間が残ってはいましたが、こちらもある程度の掃除で生活可能な範囲に持ってこれますね」


「それは、よかった」


 本当に良かった。あのまま有毒ガスが危険物質を隠したまま小惑星内部に侵入させていれば、突入班は即死。あの時近づくことすら禁止したけど、小惑星に接触していたら、彼らは死にはしないが、重傷で今頃ベットの上で生死の境を彷徨っていたとまで言われていた。


 賞賛の嵐にはならず、粛々と輸送艦の様相が出てきた小惑星型居住衛星も、もうあと数時間で全ての艦船から貰ったエンジンで航行可能になる。もちろん移動は数回しか行えないほどの燃料を抑えての島流し。


 今後二度とこの領宙内に足を踏み入れることのないように言い聞かせた。彼らの恐怖体験をもとにしたと言われても俺は知らない。




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