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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
「おい。お前、ちょっとこっち来ようか?」
!?
「・・・・・・。」
「・・・・・・・。」
空気が重い。先ほど副長から連れてこられた部屋は副長専用のお部屋。こうもっとメルヘンチックにしているのかと思えば、シックなデザインの落ち着いた部屋に案内されて拍子抜けした。
だが、だが、それを抜きにしても彼と相対している身としては空気の重さが現在重要視されている。
俺はソファー。
彼・・・は?お姉さん?はパイプ椅子。
副長と俺の間には一つのテーブルがあり、コーヒーが二つセットされておかれている。飲めと言われているのはわかるが、すぐに手を付けれないほどの圧迫感がそこにはあった。
そして、この後事態は大きく動いた。
「すまん!」
急に頭を下げて謝った副長を前に俺はどう行動すればいいのやら?
「えーと」
そう答えるしか、俺には持ち合わせていない気がするのだが・・・。
「そ、そうだな。まずは、謝罪の内容説明からだな。今回、の損害状況を確認してもこちらが・・・・・。いやこちらの予想より・・・。えー」
あぁ。今回もしかしたら損害ゼロで作戦が終了すると思って蓋を開けてみたら、味方艦が攻撃されて惑星上に落下して燃え尽きるし、降下させた主力部隊と思しき部隊は機能せず、指揮系統の問題から現場指揮することになった俺が一番の成果を出してしまったことで彼らの不甲斐なさに拍車をかけてしまったようだった。だが、それは結果論で有り、偶々撃沈して周りに居る艦が一致団結して次の作戦に取り掛かってくれたからこそ、こちらは助かる見込みが得られたんだから50-50だった気がするんだけどね?
「今回の謝罪は不要です。当初から艦長たちには言ってありました。もちろんその件を艦内の乗組員の方たちに伝えてもらうことはいいが、外部に漏らさないようにだけは言っていましたから。
今回撃沈判定を受けたあの艦は艦長止まりの話を艦内に居るすべての乗組員に話していて、どうなったとしてもそれが未来のためだと一人一人説得して回っていてたので、きっとあの船に乗っている人たちは、最後の一瞬まで努力していたのだろうと俺は思います。
この船の艦長は、皆に話していなさそうでしたが、この船を知る他の艦長たちは少しも驚かれませんでした。皆さん話さなくても大丈夫だという、絶対の安心があったので気にしていなさそうでした。
だから、みーちゃんさん。あなた一人が苦しまなくて結構です。もしあなたと同じ思いの人がいるなら、心配しなくていいと、そう言ってください。それがあなたができる対応です。
後の結末はすべて作戦を統括している私が、受け持つ責任ですから」
かっこよく決めたかったが、どうしても責任云々の話になると俺ではなくわたしになってしまうな。もっと柔らかくフレンドリーな対応をしないと、彼らに重責を負わせてしまっていると思われてしまう。そう思われないようにそしてしっかりと対応しないといけないのに・・・。
いつか、本当の名を名乗るときに胸を張れなくなるから。
さて、そろそろ本題に入らないとな。小惑星型居住区にガスが詰まった状態で放置されているとか・・・。なら中に詰まっているガスを外に排出させるには、すべての隔壁を開放して宇宙空間とのつながらせればいい。やることは一つ。空気を外に排出させる。
「では、この後の行動を決めましょう」
その後の行動決めは早かった。
1.現在の捕虜たちを可能な限りこの宙域から撤退させること
(現在撤退させるための輸送船不足)
2.輸送船不足解消のため居住区型小惑星制圧と解放
(解放には二重の意味があり、小惑星に展開している敵勢力の無力化と小惑星内の有毒ガス排除のための排出行動)
3.こちらの宙域からの完全撤収を見届ける
(我々が決めた領海外への見届け)
4.これらすべてを完了したのち次のフェーズへと移行する。