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「緊急脱出?なぜ?」
「はぁ!馬鹿かお前は!増殖プログラムの暴走が分かった時点で脱出か消滅かしか手がないのに俺が脱出を選んだ時点で察してくれ!って言うか走れ!!」
「どう言う意味だ」
「消滅プログラムが作動できるのは完全に増殖が止まってから出ないと機能しない」
「!?」
「そういうことだと!お前は未来から来たんだ!それも俺の子孫かもしれないと言うくらいな!」
「つまり、一万と四千年前に俺は来てることになると。」
「帰り方は今は分からん!ただ、事情を聞きたいというか質問に答えてくれ。」
「なんだ?」
「時間城はまだ存在していたか?」
「時間城?なんだそれ?時間研究所のことか?」
「時か、そうだった。悪いこっちでは、城を改装して研究所を作ったから、皆んな時間城って呼んでるんだ。あそこは智也がいた時も地上か見えるとこにあったか?」
「無かった。一面岩石に覆われていた。」
「名残とか文献みたいなのは無かったか?」
「そういえばイオがたしか、」
「イオ?」
「メインコントロールルームに自立型AIが起動していて、データ収集と消滅プログラムを起動してくれた。その時、たしか最後の住民が脱出後時間研究所が30時間だけセキュリティをオフにしてその後爆発したって聞いたぞ」
「それだな。きっと何かあるんだろうが、智也はそれで未来に帰れるんだろう。悪いが、30時間ほど俺たちに協力してはくれないか?」
「構わない。ただし、この星のこれまでの歴史が知りたい持っていけるか分からないけどデータを全部くれないか?後世に伝えたい」
「構わない持って行ってくれ。俺たちが居たという証にな。着いたぞ。ここがゼス惑星のゼノス公国首都、ゼス公国官邸庁舎だ。一緒に来て説明をしてくれ。ちなみに智也のことは大丈夫。くる前に通信を繋いで内容を共有してある。勝手ですまないが。」
「構わない。行こう!未来のために!」
「あぁ未来のために!」
「失礼します!ハイネリック・アリアン・V・ラングストン」
「おう!待っていたぞ。それと必要だったとはいえ会話を勝手に筒抜けにさせたことをお詫びする」
ダンディーなおじ様風な人だが、ハイネが部下っぽいから偉い人なんだろうな
「智也、顔に出てるぞ。怖いオッサンがこっちを見てるって」
「そんなこと言ってないよ!」
「安心しなさい。このバカはいつもこんな調子で周りをおちょくるが場は弁えている」
ほんとかよ、ハイネが調子こいてるだけじゃねえか。懐が広い人だな
「失礼しました。改めまして、自己紹介させていただきます。
ゼルセルタ航空宇宙軍 特殊特務大隊所属 特殊特務大隊大隊長 兼務 特殊特務大隊第七大隊 大隊長 兼務 戦艦『蒼』艦長 兼務 艦隊総司令官 智也・ルルーシュ・ラングストン 階級は元帥をいただいています」
「「・・・」」
「コメントに困るな」
「あぁ。だがハイネ。お前の一族に連なる者ということだろ」
「あぁ、そうらしい」
「もういい。智也でいいな。」
「構いません。」
「そうか。俺はこのゼス惑星の現最高指揮権を持つクォーツ・インバシ・ナウだ。クォーツでいいからな。まず、やる事を決めておく。
1。惑星脱出は今から24時間以内で全員を脱出させる。残りの6時間で必要な物を大陸ごと移動させる。こういう時のための研究もしていたから問題はない。
2。消滅プログラムが起動できるかを試してきて欲しいのと、AIプログラムはあるにはあるが未だに流暢に喋ることは出来ないので、我々のデータを全部コピーして歴史などを閲覧できるようにしておいてほしい。
3。移住先の当てを見つけること
4。時間城の研究者にワープ航法装置の研究をしている奴がいる。智也はワープ航法装置を改良して未来に帰れるように研究者と協力しろ。
以上の4つが完了するのが30時間で、さらに脱出後30時間で智也は帰還しろ。いいな」
「わかった。行く当てはあるのか?」
「うーむ。帝国と戦争をしているからな当てがないことも無いんだが」
「クォーツ、俺の知り合いがここからは観測できない星系にいる。そこに行くのはどうかな?」
「場所を聞いてから出ないと」
「ここから約百億光年くらいの場所だ」
「遠いわ!」
「そんな場所あったか?」
「それは、観測ができなくて当然か・・・遠くて観測できないとかありえんだろ。帰っては来れないかもな」
遠いというレベルじゃないよな
「なぁ、一ついいか?」
「「なんだ?」」
「俺と一緒に行けばいいんじゃね?」
そうすればそのまま自分たちの星に直接降りれるじゃん
「つまり、1万年後に飛んで生活すればということだろう。」
「そうそう」
分かってるじゃん。そうすれば
「それはダメなんだ。」
「えっ!?」
「我々だけの問題ではないからだ。我々は現在有志同盟として戦争中だ。ほかの惑星の者たちもここには滞在している。その者たちも一緒には行けないし、私もこの世界の歯車の一部なんだ。逃げることは出来ない。戦争をしている責任があるからな。戦争を終結してから、この世界からハイネの知り合いの所に向かうよ。ありがとう。智也」
「俺たちの最新成果であるワープ技術改良Vol1098試作の物で50年くらいに短縮できるはず。往復に100年かかるだろうから。智也と俺はかろうじて会えるんじゃないのかな?まぁ、向こうでの生活基盤も必要だろうけど、向こうで9,000は生活しないと思うし」
すげぇ、14,000年も生きていられるのかな?
「なんだ、お前寿命おかしくねぇか?エルフだろ?」
「あぁ、昔から機械のパーツを体に入れていたからなたぶん移動中に切り替えていけばそれくらいは行くと思うが」
「「機械エルフ」」
「それは生きているのか」
「それ、法律上大丈夫なのか?1万年後の世界じゃ聞かないけど」
「当たり前だろ!俺の技術だ!誰にも発表してない!」
「「・・・」」
(だめだこりゃ)
(だめですね)
「ダメじゃない!なんだよその目は!」
「いいや、何でもないぞ」
「なんでもないな確かに」
またいつか会えるならそれでいいや。
「ほらお前たち準備に取り掛かれ!ハイネは消滅プログラムをメインサーバールームに移植してAIもその場所に移動させておけ。俺は惑星全域の住民の避難を行う。智也は時間研究所の所に行きな、話はもうついている」
「わかった、サーバールームで仕事してくる。智也行くぞ」
「OK、では時間研究所に向かいます」
「智也!俺はこの官邸でお別れだ。君に聞いた未来を聞いて緊急脱出ができるんだ。ありがとう。全員を脱出させることができる。」
「いいえ、クォーツさん脱出とはいえよい船旅を」
「ありがとう。無事の帰還を」
「智也、さっき言ったように俺は機械の体に現在移行中だ。よほどのことがない限り外面は変えないから、一万年後は君の部隊で仕事がしたいもんだ。」
「いいよ。会えたら、仕事しよう。ハイネのような研究者も艦には乗っているからぜひとも合わせたいよ。」
「じゃ、俺はこっちだから。一応全員を脱出させた時点でアラートを鳴らして知らせるから俺もここでお別れだ。またな」
「あぁ・・・」
「・・・智也、俺は本気だからな。未来で待っていてくれ。・・・・・・・み、未来のために!」
「・・・未来の!ために!!」
「「またな!親友!!」」
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