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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
「そうだ!そうだ!」
「降りろ!そこは俺たちの中から選ばれるべき場所だ!お前はもう用済みだ」
「帰れ!帰れ!お呼びじゃないんだ。お前がここにいるだけで俺たちはお前に侵略を受けてるのと同義だ!」
「此処まで言われるとはな」
流石にキツイかもしれないが、彼らの目はどこを見て言っているのだろう、か?
当たり前だな彼らがこの場所に来れたのは偶然かもしれない。だが、きっと本国から戦争の火種を作れとか言われていそうだな。そうでなければこんな馬鹿げた発言をして周りを怒らせることに気づきもしないのはおかしいだろうからな。
拘束された一行がこの部屋から連れ出されてからは一転して生き生きとした彼らが何処を制圧してどこは領有権を主張しない方がいいとか武官目線や文官目線で喋ってくれるから実にありがたい。
「でもみんなに最初に言っておくけど、これだけのエリアが〇〇の星系範囲とか同盟国で持つ境界線だからとか言われても、君らが国境警備に携わる可能性もあるんだからあんまり大きな括りとか複雑な領域設定したらダメだよ。それと星系の警備もこちらが受け持つから範囲が大きくなるとややこしくなるよ」
ま、極論言えばこの宇宙全てを統治する!といっても実際にできればいいけど内部分裂するのが目に見えるから、警備のしやすさを重視して活動できるようにしないとね。
「あの、思ったのですが、この同盟国家に参加する星系国家は皆固まっていますよね?と言うことは外側をぐるりと囲む同盟国家領域にしませんか?
星系の大きさや周辺の資源衛星分が領内だと言うよりもよっぽど警備がしやすそうですが・・・」
彼は文官出の軍人らしいがこの案はみんなの意見が出揃った後に採用するかを決めよう。
「では私から一つ確認なのですが、グランツフォーン星系にはこちらも把握できていない宇宙空間が存在しています。どのあたりまでが領域だと認められますか?」
俺にはその地域がどれほど厄介な物か知らないから知ってる人に聞く事にした。
「誰か答えられる人いる?」
・・・・・あらら無言。これは厄介だな。誰も知らないでは守りきれない・・・そう思っていたら遠くの方で誰かが手を挙げた。
「ドラゴンのさすらいの旅路へ一緒に行こう!と言う馬鹿者たちが以前言っていたことがある。グランツフォーン星系の星雲を大回りすると一時的に何もない空間が現れる。どれだけ離れているのかわからない場所に小さな星の煌めきが見えた。だがそこに至るまでの距離があまりにもあるため飛行は断念したが、一周して戻ってくるにはいい距離感だった。と言っていたのを小耳に話したが、この件はそのグループに参加していたものに直接聞かせて貰おうか?」
どうやらドラゴンの中でも異端に近い存在が居たようだ。
それにしても本当に不思議な生態してるよな?アレで更に最近は人化出来る存在が出来てきたので、爺龍はしばらく見なかった光景だ。と呟きながら目を丸くしてたな。
そして事情聴取が終了したようで、より正確な座標とでも言う地点の割り出しが終了したとのこと。彼らがその周辺を飛び回っても、攻撃されなかった原因は彼らが言っていた星系の中にある星雲の一つ一つが喧嘩を売ってくる者たちには害になる物質なり音波何かの波が彼らに悪影響を与えて近寄れなかったそうだ。
ちなみにグランツフォーン星系一つだけ違う天体・・・いいや違う星系がくっついているが、宇宙に出るための技術どころかまだ地上での派遣争いしかしてない未開地惑星だと言う事で全て後ろにずらすよう指示も出れるとの事だった。
「おぉすまんかったのぉ。少々時間がかかりましたが、グランツフォーン星系だけではなく各国の星系の外周は飛んだことが有るそうなんです。ですから詳細な地図は用意できなくてもある程度の境目は案内出来るだけの情報は得ました」
この爺さまドラゴンは意気揚々と胸の辺りまで拳を構えて、そんな事を宣う。
その生き生きとした表情は他のドラゴンをドン引きさせ、各国の各リーダー達はありがたい情報提供と更なる調査結果をもとに線引きをして早期解決に測る手段に舵を切る事に。
だが、この時は誰も理解すらしてはいなかった。
この戦争を止めるべく立ち上がった者たち平和を渇望する者と反対に戦争で金儲けをしたいと願う悪者たちとの血と血で洗う戦争が待ち受けているとは露ほど理解していなかった事に。
この世界の人間は何度も何度も平和のために立ち上がりつつも成し遂げられなかった実績を持っていたのだ。
そう、此処に今までの歴史からは考えられないほどの力と権力で屈しない男が突如この世界に舞い降りた。
この皆から呼ばれていたレイと言う間違った呼び名で知られていた人物の暗殺に乗り出した者たちからの執拗な試みにより、かつて存在したと言う魔法と言うメルヘンチックな物まで使って殺害を試みた。
結果は悲惨な物を含めどれも失敗に見えた。