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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
「基準点にしてはかなり低いように思えるが?」
そうだろうな、どんなに攻撃力を持っていても防御をおろそかにはできないだろう。
それ一点を持つというのもまずいだろうが、俺にはある確信を持っている。彼らは戦争を止めるために武力の根絶を目指しては居たが、それは多分難しいだろう。どんなに取り除いても敵は必ず何かを仕掛けてくる。それならどうやっても守れる守備部隊が欲しい。防御能力を持つ者たちがいれば、敵の侵入は防げる。そして最悪防げなくても数を減らすか、進行方向を読むことができる。二の矢三の矢が放てればいいんだから、それだけの実力を持っているかだよな?いけるのか?不安になってきた。
「これから言うことはまだ黙っていてください。彼らの実力を確認してからでないとこちらも正確なことは言えません」
「わかった」
「聞かせてくれ」
「…たのむ」
「いいですか?今回戦争根絶に参加してくれた国は5つ以上ですか?」
「そうだ。我々の星を含めて7つだ」
「エルフリーデン星系のペリオス卿。ブラナルズミナス星系の私、ピサヤ。ワルピオン星系のオーナー殿が最初の同盟参加者」
「だが、ここでは優劣をつけない。付けるのは同盟かどうかただ一つだけ」
そうか、7つも協力してくれるのか。
「で、あと4つは?」
彼らは交互に顔を見合して、言葉を紡いだ。
「定住を嫌う放浪民族の長の話では今回の同盟の件は受諾するが、”軍事力というものをはじめから持ち合わせていない。我々は常に移動することで精神汚染から身を守っている。罪を犯した者には常に場所の移動をさせないという強力な罰則を与えることで精神が参っていくほど強力だ。だが勘違いをしないでほしい。誰も戦争をしたいがためにそんなことをする者たちは居ない。
だから、了承する。どうか戦争を終わらせてほしい。終われるなら我らは惜しみない協力をしよう”とのことです」
「次にドヴェルゴ星系は物作りが盛んな場所です。常にやりたいことをやらせてほしい、とのことでした。”それをさせてくれるのであれば認可する。私は忙しい。どうしてもあの形にしてみたい”だそうです」
「グランツフォーン星系は数個の惑星からなる巨大星。我々に国土を踏みにじられたと言っておられれるか方たちが居るが、気にすることは無い。”我々には我々のやり方があるが、お手並み拝見だ。使者の方?”とのことです」
今でも強烈だが、これでもさらに灰汁の強い星は来ませんように・・・・・
「レイ君の番」
「あ!俺か。そうだったそうだった。忘れていたよ。すまないドラゴンを味方に加えることができた。と、喜んでいい物かわからんが、ここに居る方達がドラゴン族の中で精鋭とも言える方達です。
拍手!!
はは、そう皆さん気に入らないような顔しないでさ、僕は違う世界から来たので皆さんの苦労も辛さも悲しみも経験してませんが、その顔はいけませんよ」
そう言って周りをもう一度見回した時どこから叫ぶ声が聞こえた。
「ふざけんな!俺はそいつらのせいで父親が死んでしまったんだ!そんな奴らと同じ肩を寄せ合って戦っていけるか!」
そう彼らの何人かは迷信とも言える話に乗りドラゴン達を狩る者たちだったのかもしれない。だが今ここでこの件揉めても仕方がない。
だけど、おかしいな。今回のことで歪み合う事をする様な奴が居るのかな?
因縁や恨みなど横に置いておいて、憎しみの無い平和な世界を守るために立ち上がった者たちをこの場所に招集すると皆が言っていたはず。
「ならあなたに一つ聞きたい。今回この場所でその声明を発したが、今回の件の誓約書はあなた自身で無効にするというんだな?」
「そうだ!俺たちはあんたについて行くなんてあり得ない。違う世界から来た?悲しみを辛さを苦労すら一緒に味わっていないものが、俺たちと行動するなんてあり得ないんだ!今すぐここから去れ!俺たちはお前なんか求めていない!」
やはり、彼は今回招集された精鋭メンバーですらなかった。今回俺が招集された理由は話したと連絡が来ていたし、やはりどの星の人間も自分がこの解放軍の中枢に入り込むためにそれなりの文官武官を送り込ませよとしていたらしい。だが、戦争の火種になった醜い争いをこの場所にまで持ち込むことこそ“敵の思う壺では“という言葉で皆が最後の一線を踏み越えることなく全ての軍事力放棄案に同意してたと言っていたらしい。今回は、無線封鎖・星系封鎖を行い他の惑星に知られないように手を回して、他所の星に喧嘩を売られないように情報統制をおこなった。
なら、彼らはどこにいたのか?彼らはここの場所にいきなり連れてこられたのか?どちらも違うだろう。最初からいたはずだ。態度が良かったのか、優秀だったからこの場所に来れたが、俺たちの意見に賛同できるかと言われれば賛同できるものではなかったのだろ。
「そうだ!そうだ!」
「降りろ!そこは俺たちの中から選ばれるべき場所だ!お前はもう用済みだ」
「帰れ!帰れ!お呼びじゃないんだ。お前がここにいるだけで俺たちはお前に侵略を受けてるのと同義だ!」
彼らの目はどこを見て言っているのだろう、か?