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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
「もういい。君が話に出ていた零君だね。私は独立国家であるために軍事費に盛大な予算を取られてきた。戦争を無くすのはいいことだが、無くすなら自国の軍隊くらい無くしてもいいのではと思っている。君ならこの提案どう思うかね?」
おぉー。言いたいことを気持ちよく言えるのはいいこと・・・・なんだけど、今ここで言うのかよ。
「久しぶりの突然に君は何を言い出すのかと思えば、凄いことを言ったね。オーナー君。君も以前から考えていた軍事力の撤廃とその後の世界平和実現。どう両立させればいい?」
ペリオス卿。言い方はキツイがはっきりした意見を求めているのか、オーナーさんが意を決したように何か言うらしい。
「私もそれについて考えていました。戦争は反対。侵略は断る。経済制裁は世界の停滞につながる。ならどうすればいいか。軍事費なんて相手との信用がないから跳ね上がるだけ。なら戦争の起きない未来を作れば軍事費はいらないのか?いやそうではない。完全な平和を得られない今、現状軍事関連は手放すことはできないはず。だがどうすればいいのか?レイ君。私の意見でもなんでもいい。君の意見を言ってくれないか?」
難しく、あまりにも簡単にこの話題を投げられても困りものだが、一つだけ思ったことがある。言ってみるか。今は意見交換会。ココで否定的な意見や何も述べないのはおかしい。
「軍隊を一つの国家が持つのではなく、同志となった者たちで一つの軍隊を持ち、同志たちの居る惑星以外を見張るもの。犯罪行為や戦争の機運を感じ取って即座に動くもの。それらの役割を持つ者たちを国や惑星代表ではなく、すべて一つの大きな軍隊として集約させるのはどうだろう?この時派遣した者たちから得られる情報をもとに惑星事に強くなるのではなく、すべての惑星に共通の情報をもたらされるようにする。
そのために派遣という言葉は争いと誤解を生むことになると思う。
だから、もしこのような軍隊をつけるというなら、惑星や国に対して軍事権の放棄と指揮権の放棄を約束させて一つの集権を行う方がいいだろう。もし一つの惑星で持てる武装はどうすればと聞かれれば、警察・消防などの一般的な人々を助けるという信念を持つ者に任せればいいと思う。軍は破壊を。警察は犯罪の取り締まりを。消防は火災や救急医療を。それぞれの持つ分野の強みを生かした配置にすれば更なる革新をもたらすことができませんか?」
この答えをもって席へと座る。聞こえてくるのはしんぎゅなんたら。その一部分以外聞こえなかった。
「ここまで具体的な意見をくれるとは、彼はいったい何者なのだろうな?」
「今考えることではないな。私たち魔族は戦争以前に武器を持つのすら面倒くささがあったが彼の意見を聞いてからは視点が変わった。自己防衛は惑星や国家単位でするのではなく、運命共同体へとなる者たち皆で行えばいい。それは盲点だった」
「エルフとしても同じ意見だろう。あれだけ世界をしっかりと見据えているのだ。彼はもしかしたら特異点なのではないかとも思える」
「「特異点?なんだそれは?」」
「二人そろって、特異点を知らないとはな。昔誰かが唱えた提唱だ。進化した未来を的確に誘導するものを予言者という職業だとすると、特異点は関わる人間たちすべての生活をより良い生活にするための起爆剤。特異点に近ければ近いほど、その実感は顕著にわかる。
もしかしたら私たちの今この瞬間こそが歴史の転換点であり、特異点としての初登場した存在なのかもしれな」
「イレギュラーとも呼ばれるが?」
「ピサヤ君。たぶん彼にその言葉は失礼になるかもしれない。私なら彼をこう呼ぶ。」
「私も一緒に言わせてほしい」
「オーナー。ペリオス卿。
それでは一緒に!」
「「シンギュラリティ」」」
おうおう、なんか急に団子状態で喋っていたおじさん達が一斉に頭上に向かって拳を上に向けながら「シンギュラリティ!イエーイ」と言い始めた。ちょっとだけ周りにいる人も俺自身も引いた。失礼、女性陣だけはドン引きしてたね。
それで確認が取れたがシンギュラリティと言うのは俺こと零の二つ名として良い案なのではという発想から彼らの中で急遽決まってノリノリで拳を突き上げたんだそうだ。
面白いよね。人を化け物みたく見るよりはマシかもしれないが。
「それでピサヤ君は同志として参加してくれるということだが、独立国のあの国は賛同してくれるかな?」
「謎ですね。独裁国家といえば聞こえは悪いでしょうが、実際は民主国家であり何かあれば独裁者だと名乗って国を守ることにする為に設立してますが、あの独立国家は私たちと発想が逆ですから、戦争?参加しない!を表明した国で今も実現できている数少ない国家ですからね。
ですが戦争の魔の手はどの惑星にも忍び寄っていることを考えたらあの国も怪しいですがね」
やはりすごい技術で戦争をしないと言っているのではなく、他国を攻めない。侵略を許さずの姿勢が今の国家を維持しているのだろう。
今後どうなるかは不明だが。




