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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
オーナーさんは何やら思案顔でエルフの交渉担当を見る。因みにオーナーのインパクトがデカすぎて双方が名乗ってくれてたのに、名前を忘れてしまった零である。
「いや、それなんだがハイネというエルフの男が幼馴染でな。私と嫁はハイネと三人兄弟のように育った兄的存在だったんだが、いきなり神隠しのように消えてしまったので探して探して、ようやく痕跡を探し出せたのが彼、あきら君の持つハイネの情報だったのだよ」
いきなりの自己紹介はテレはするが相手側は真剣な顔をして話を聞いている。それにしてもこの二人の話し合いというのは強弱をつけて緩急でしゃべる事が正しいのかと思えるが、先ほど小休憩の時にちらりと聞いてきたが実際は殺伐とした話し合いになるか、常に笑いが出て和やかにお話しできる環境にあるかだ。ちなっみに後者が今の状況にかなり酷似している。
「ほう。君が大絶賛していたハイネとやらはようやく見つかったのか。それにしては今回の旅時には同行させないのか。君には困った文化を押し付けるかもしれないが、ハイネ君の所在はこちらにも明かしてほしいものだ。だが今それができない状況にあると。
ならば聞くが、ハイネという人物について君たちと知っている人物に間違いはないのは確認済みなのか」
「普通こんな方法で確認はしないのだろうが、俺たちは魔族だ。それも希少性の飛んだ知的生命体だからな。あの外れにある星系の鬼畜生命体よりは貧弱だがな」
「あの場所の連中と比べるのはやめてほしい。あの場所にいる者たちはこちらを小さな人と呼ぶのは大変不愉快ではあるな。戦争回避のための同志としてはいいのだろうが・・・・・」
魔族?鬼畜生命体?一体何なんだ?この宇宙は?ただでさえエルフと言いう種族というのは気難しい人たちの集団だったとはいえ、ハイネのおかげで仲良くはなれた。そんな彼らから見てもしんどいという顔をするのか・・・・それは付き合いたくは無いな。
「それでその種族とは同志としての声掛けはしないのか?」
一応二人にも聞いてみたが二人とも渋そうな顔をする。
「うーん・・・・・・」
「それなー、なんて説明したらいいのか。あの種族は引きこもりなんだよ。だから自分のテリトリーにさえ許可なきものが入らなければ被害は一切ない。だが、少しでも被害を出そうものなら打って出る覚悟のある奴らだ。おrはそれを身をもって経験したわけではないが、私の国にある文献には過去数度の破壊的行為および敵性国家への報復活動を行ったという文献がな」
こわッ。一歩でも対応を間違えればこちらも攻撃されるということ。それをわかっていても交渉をするのかと続けざまに言われて、俺もこれ以上の介入を強要できませんね。
というか、できるか!それでもと追いすがったら俺が交渉して来いと言われそうで怖い。
それに鬼畜生命体という強者ワードもあるが、もう一つ気になっていることがあった。
「魔族って何?物語の悪役?」
それしか想像つかないが、自分たちしかいななければ人間とでも言うはずなんだが、魔族という物語に出てくる悪役なのでは?それしかわからんし、怒られたら仕方ないね。
「あー、魔族と聞いたら誰でもそうおもうよな」
「ははははは。私の星には昔魔法というおとぎ話がありましてね。その時に魔法種族というエルフ種や人間種という種族だけなんだよ。
そして、なぜ魔族ということになったかというと、ある時を境に魔法が使えなくなったんだ。まぁ、徐々になくなったんだがな」
オーナーの説明に対してペリオス卿が引き継いだ。
「当時かなり大惨事になったと聞いている。死傷者も多数出たことでこの件に関して彼らの種族は恥だとわかっていたので、自分たちの種族から二文字だけ取り払った」
そして・・・・。
「一種というこの二文字を取り払い、過去からの決別とみらいで再び魔法がつかえることを願って、魔族と」
長い、永い下りは、おもっ苦しいお話になった。だが、怒られることはなく、しっかりと説明してくれた。納得しつつも疑問に残るが、ペリオス卿が次の話題に入ったようだ。
「それにしても、オーナー。久しぶりに星系外に目を向けてみて気づいたことがあるんだけど、聞いてもいいか?」
「いいがどうしたんだ?エルフであるお前さんが聞いてくる内容がすでに怖いんだけどな」
「ケモミミ帝国というのはいつなくなったんだ?このエリアに侵入しても帝国が出張ってこないのは知っていたんだろ?」
ケモミミ帝国?かわいい名前の帝国だな。
「あ~あの帝国のやり方がひどかったから内部反乱がおこったのか、誰かが打ち勝ったのか、誰も知らないからな。ただ、正確にはわからないけど、あの帝国と周辺宙域ではもう酷いものだったからな。今もあの地域には近づかないほうがいい。あのあたりの利権争いでさらに今も戦争状態に発展していないのがすごいからな。ペリオス卿。気をつけろよ。君たちと今後戦争回避のための同志として手を結ぶことには同意したが、利権や領土拡大で戦争介入するというならこちらも容赦しないからな。これは国の国益のためにもな」
「戦争はそもそもしないつもりだったんだけどさ、人の生き死になどしたくない。この顔の傷でさえ故郷に戻れば嫌みの10個や100個は簡単に出てくるからな。だから気にするな、そんな馬鹿らしい戦争はしないよ。しっかり見張っていてくれ」




