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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。




「レイくん。ちょっとだけテンパっているここの馬鹿どもはほっといて一緒に来て欲しい。これから来る奴は戦争反対者たちの中でも過激派に分類される奴だが、そういう奴だからこそ戦争を止めるための主戦力にもなる。しかもだ、此奴は周辺宙域では有名な奴だ。君もきっと気に入られるよ」



ふーん。戦争反対者にして過激派?何だそれ?それに気に入るって・・・え、気に入られる?俺が気に入るじゃないのかよ!?


おかしな奴が来ると言うことか。変人か?そしてその恐れていた通信が入る。



『今からそのお艦に乗り込むので準備をお願いしてもいいかねー』




・・・・無線がすでに何かを物語っている気がする。すでに引き腰なのに俺と一緒にいて欲しいと頼んだ男の顔色はすでに悪い。先ほどまで楽しそうに笑っていたのが嘘のようだ。




ドッキングの音と共に現れたダンディなマッチョおじさんが現れた。こんな人が変人とは可笑しくない?


「やほほほほーい。おーしさしぶりですね!」


「あ、あぁ。久しぶりですね。オーナー」



あぁ本当にすごそうな人が来たようだ。そしてオーナーと呼ばれて笑顔でこちらに向かっている人物を眺めながら一言呟いた言葉を俺は聞き逃さなかった。


たぬき親父め。今から主導権を握られないようにどうすれば・・・・



一言なのかな?それでも笑顔で対応するほどの気力で交渉担当に就くべく対応していく。



話の概要は俺には判らないが一つだけ思ったことがある。この二人こそ狸オヤジと呼べるくらいの主導権の取り合いから始まった話術交渉。


ただ一つ言えることは双方とも責任は取りたくないということ。話の内容がそもそもずれていっているから、こちらからそろそろ修正しないといけないだろうが、どうやってこの二人の会話に割り込むか・・・・。



「それじゃ、こちらは大艦隊を率いて砂原星雲を迂回するルートで右翼から叩きましょう」


「いえいえ、こちらは左翼からミサイル攻撃と有視界攻撃を行いますですよ」


「いやいや、それは私たちエルフが行いますよ」

「はははははは、まず最初に私たちが迂回ルートを通れる」



「あの、まずその前に戦争を回避することを視野に検討しませんか?」


このセリフを突如として入れてみた結果。ものすごい迫力のある眼力で睨みつけられたかと思ったら、急に“あ、居たの?”って顔をする二人。すごく疎外感を感じるが、決して悪意から僕を忘れてたとかじゃないよね?ちょっと顔に出てたみたいで、二人とも大丈夫大丈夫。今のはただのジャブだから。と呟き二人揃って肩を組み合い仲の良さをアピールしてくるが、今そのアピールいらないと思う俺。


「それじゃ、今回どうして戦争を止める又は戦争に介入するという話になったかを説明するぞ」

「おう。聞くぞい」


話が進みそうにないが、結果的な話では全面的エルフ支援を約束。話の最中に俺が登場していたようだが、内容的に族長の息子さんが俺と友達であり保護もしてくれているので心配いらないと伝えてくれた恩義があるのにも関わらず、惑星内でゆっくりしているのは性に合わないと申されて、一緒に戦争を止めるお手伝いを自ら始めるので一緒に共闘しませんかと言われて、我々もこの話を聞き恩人としてだけではなく一人の人類として恥ずかしくないように、戦争を止めるための戦いを始めることにした。



と、単純な御涙頂戴劇に感動したのか、その場で交渉官が大泣きを始めた。



ちなみに、彼が即座に動きこの船に乗り込んでしまった影響で、置き去りにされた秘書官などの事務方はこのタイミングで参加して、詳細を詰める作業を始めていった。



「いや〜、さらっと決まってよかったよかった。それにしても君のような人材は久しぶり見るが、君はその中でもさらに異色の天才に近いのかもしれないでござるな」



この、オーナーと呼ばれる人物はちょいちょい喋りかけている人物を笑い時にさせるために危険な場所でこそその真価が発揮されると言わんばかりにおしゃべりを開始してしまう人物だった。


喋らないと死んでしまうのかな?と疑った目で一瞬見てしまった。



「はははっはは。はー笑い死にしそうなほど久しぶりに腹を抱えて笑ってしまったな」


「そうだろうそうだろう」


狸親父はだんだんさっきの腹の探り合いから、腹を割って話し合うにシフトし始める動きを見せて来ていた。


「そうか、それで重くて重くて動かず根の張ってしまった大樹のごとき腰を持ち上げる決心がついたのか。それにしてもよかったのか?サーシャちゃん達には黙って来ては来れないはずだから説得できたのか?よく出来たものだ」


オーナーさんは何やら思案顔でエルフの交渉担当を見る。因みにオーナーのインパクトがデカすぎて双方が名乗ってくれてたのに、名前を忘れてしまった零である。



「いや、それなんだがハイネというエルフの男が幼馴染でな。私と嫁はハイネと三人兄弟のように育った兄的存在だったんだが、いきなり神隠しのように消えてしまったので探して探して、ようやく痕跡を探し出せたのが彼の持つハイネの情報だったのだよ」




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