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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。


それで、その後の展開としてざっくりと説明すると、彼女サーシャちゃんは12歳から通う幼年学校の最高学年で次に通うのは高等学校になるらしい。わかりやすく言うと、小学校→中学高校一貫校のような場所になるらしい。 13歳~18歳までの6年間は寮生活になるので父親としばしの別れになるなら会えるうちに会っておいでとの母の提案で一緒に旅をするつもりで今日は行動をともにしていたそうだ。だが、そこに現れた違う戦場からの流れ弾ミサイル群に右往左往することなく迎撃を選択し、住居型惑星へのミサイルをすべて撃滅させる指示を出してしまったのだから、どこにも故障がないかを調べたりするのに忙しくなってしまった父に無理やりついていかないほうがいいと幼いながらの判断をくだしていたそうだ。


「それにしても凄い判断をとっさに下せるのはいいことだ」


「私だって、いずれはお父さんみたいに凄い人になりたいけど、お母さんもお父さんも私にそんな生活より違う生活でもしてみたらいい。時間はたくさんあるって言うんだもん。嘘はついてはいけないってお母さん言っていたのに。あきらお兄さん、戦争の足音がしてるの?」



あきらお兄さん。訂正はしっかりと。読み間違いはダメ絶対。

それにしても聡い子だ。わずかな情報と顔色だけで判断できるなら俺なんかいろんなところで読まれてしまいそうだな。注意しよう。


「そうだな。君にとっての今とエルフとしての今は、認識の違いもあるけどこの後の展開まで予測している大人な人たちの方が一枚も二枚も上手なんだろうけど、君にとってそんな答えが欲しいわけではなさそうだね。膨れても意味は無いからね」


軽く、本当に軽く膨れているほっぺを両方同時に押してあげると彼女の頬にためていた空気が外へと飛び出してくる。少しだけむくれているな。


さて、なんと返したらいい物か。



「君はみんながもっと仲良くしていれば争いごとは無くなると・・・・思っているみたいだね」

「はい。だって、学校ではみんな仲良く。話し合いで解決しましょうといっているんですよ。今更態度を変えるのはよくないと思うんです」



彼女の意見ももっともな考えであり、戦争が無ければぜひとも立派な答えを誰か用意してくれるだろう。だが今は戦乱の時期。ココで優しさを見せれば更なる戦火に人々は焼け出されてしまうかもしれない。今ここで手を尽くせる状況ならどんなに大変でも、やり通すことで未来に報酬を渡せるかもしれない。そういう思いも感じるが、どう伝えたらいいことやら。





結果から言えば理解してくれたようだが、今はそれどころじゃなさそうだ。今の俺は客将。この船を自由自在に歩き回れないとしてもある程度の場所までは把握しているので、彼女には父親と一緒に行った場所以外をエスコートしながらおしえていく。









「この場所は・・・・どこだ?」

「どこでしょう。もしかしてお兄さん、迷いました?」

「さすがに自分でも大きな宇宙船だとは思っていたが、大きすぎて現在地が分からなくなったな。確かこの辺に地図があるはずなんだ。こういう船で迷ったときはどうするかわかるかい?」


考え込む女の子はこう答えた。

「乗員に聞くのがベストですね。それが一番手っ取り早いです」


模範的な回答をありがとう。そして、思い出せ。この場所に来るまでに誰も通らなかったことを。つまりこのエリアは普段から人の出入りはあまりないということ。想定外の現状に二人は右往左往しながらそれでも共に分かれて別の道を探そうとは思わなかったようで、片方が探しに行けばもう一人は退路を確保しつつ一緒に確認しに行く。それを繰り返しそんなことをやっていればわかることだろ。あの少女は男と仲良くなること間違いなし。ただし、本人たちはそれ以上にこの部屋の脱出を最優先にすることだけを目指してあてもなくさまよい続けて歩く。





「そういえば、レイお兄さんは、私たちが戦争に参加しても一族が生き残れる確率は何パーセントありますか?そして私の家族は私以外を残して死んじゃったりしませんか?」



あまりにも悲しく切ない質問に心が締め付けられるが、その答えを教えることは簡単だ。間違いなく死ぬと答えるのはあまりにも簡単ではあるが、本当にそうか?だが全員が生きて帰れると嘘を言うことに罪悪感は無いのだろうかと考えてしまう。ではどう答えればいいか。


答えは数個あるのかもしれないが、俺から言わせてもらえれるので去れば。


「もしかしたらそうなるかもしれない。だが、今の現状でわかるわけがない。この先の未来を考える前に今は一歩ずつでも前に進もうという努力と意思が関係してくる。だからこそ、サーシャちゃんはまず

お父さんに言われたことをやってみよう。なんて言われたかな?」


「おとなしく待っていなさい」

「そうか、なら君は今学校に通っているがなぜ通っているんだい?君はその学んだすべてを家族を夢を世界を守るために行動するのはいいと思うぞ。それでもわからなければ聞いてごらん?」


難しいことを言った自覚も、言わなくてもいい事実を突き詰めた気がするが、それでも言いたいことは君がこの場所にきて新たな知識を得て更なる次の一歩が踏み出せるようにするためだ。


その一歩が、君のって幸多からんことを。俺の傲慢だな。


さて、案内を続けることにしようかな。

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