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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
時は少しだけ遡り、
3週間前。
『新たな命令を与える。貴様たちには死んだことになってもらい、こちらの提示する人物との接触を図ってもらいたいのだ。この件には君たちの人生より重いものが乗っかていると思ってもらって構わない』
「と、言いますと?」
「君たちは、この果てしない宇宙戦争をどうにかして止めようとは思わないかい?」
「それは思いますけど」
私たちに言い渡された命令はこの宇宙からさらに先の次元を超えた先にある宇宙に存在してくれている者たち。彼らがつい最近接触を図ってくれていて、その接触後に上層部からのお達しで再度私の心は決まったともいえる。
~~このお話が持ち上がる結構、昔~~
ハイネが以前から隊長と呼びしたっていた男にはある一つの重大な悩み事があった。彼には違う世界になんとなく来てしまう能力が備わっていた。以前もこれで自分の世界から違う世界に転移してしまい、その世界で様々なスキルなどを取得してしまっていたのだ。現在彼に備わっているスキルとして最も厄介で一番封印したいと本人だけは悩み中なのは、異世界転移。
ある時は扉を潜るだけで違う世界や異世界などに飛ばされていることも多々あったが、違う世界と言っても彼の所属する部署に連絡の着く場所であったために早々に戻ってこれていたが、今回はなんか違うと感じていた。以前から独自開発が行われていた緊急通報システムを用いた連絡を行おうとしたところ、一切の電波が確認されていなかったのだ。
そして、その危惧がこのタイミングで発動してしまったのだ。本人は一切自覚していなかったのが一番厄介だった。
「ここは、どこだ?おかしい。書類整理をようやく終えてやっと寝れると仮設ベットの置いてある部屋の扉を潜ったら見知らぬ部屋に居た。これは、アレか?またやってしまったのか?以前から気を付けるように言われては居たが、もしかしたらもう戻れない場所への転移をかましてしまったのではないだろうか・・・・? ハッ!俺の周りで最近行方不明になる者たちも、もしや俺と一緒に神隠し現象に会っていたのでは!?」
注:彼は混乱しているのと、冗談で言っているだけです。本人の現実逃避をわかってあげて下さい。
なわけあるか。神隠しは無いわ。これあれだろ?俺のスキルがまた悪さし始めてるんだろ?こうやって元の世界に戻るためにまた一歩と進むと俺の意思とは反対方向に進みに行こうとする何とも嫌がらせなスキル君だね?俺もいい加減にしてくれないと怒るからね?さぁ、もう気は済んだろ?俺を元の世界に戻して。もう眠いんだ。
「さぁ、早く・・・・・この扉を潜れば元の世界に帰れる!」
ガチャ。
そして彼はおもむろに部屋の扉を開いた。
そこには彼が読めない異世界の文字でこう書かれていた。”関係者立ち入り禁止。この先、戦闘区画にて一般人の立ち入り禁止”と・・・・・入ってからの行動は早かった。即逃げるの行動に出た智也とこの場所にいきなり現れた人間を追いかける異形生物たち。彼らの追いかけっこはそのエリア全体から艦内全体に及び、捕虜奪取の任務を請け負っていた者たちの注意を惹き脱出までの時間稼ぎを頼まれ、了承して逃げ回った。
この時、なぜ言葉が通じたのか気にも留めていなかったが、これがこの世界の初めての接触になりかなりの時間を過ごす羽目になるとは夢にも思っていなかった。
「こっちだ!こっちに来い!脱出するぞ!」
「エンジン点火、間もなく脱出できるから機体を浮かすぞ」
「あの人間は後部ハッチから乗り込ませろ!」
そんな掛け声を聞きながら男は最後の全力とばかりに走り抜けた。そして飛び乗った機体に乗っていたのは、エルフたちであった。
「助かった。ありがとう」
「いいさ、こちらも隠密行動していたんだが、つい先ほど巡回兵に見つかって危なかったからな」
「それにしても凄いガッツを見せてくれたな。君はこの船に居たということは潜入中だったんだろ?申し訳ないことをしてしまったな」
「送っていくよ。君はどこで降りたいのかな?」
「いやいや、あの逃げ回りからしてスパイか何かをしている人物だろ?我々にも場所を知られたくはないだろうから、我々の交易都市に下した方がいいのではないか?もしよかったら、言ってほしい。好きな場所で降りてもらって。こちらは助けられた身だ、全力で行ける場所に行こう」
かなり友好的に話しかけてくるエルフたちにどう接すればいいか迷っていた男はまず初めに自分がどういう人物で、どういうことなのか状況を把握しなければまずいと判断して、話すことにした。ただし、今後男が居た世界に被害が及ぶ可能性を考慮して彼の数ある偽名の中からこの名前を見かけたら詳細な調査を行い本人と確認がとれたなら最上級の警戒をもって事にあたれという意味を持つ名前を使用することに。
「まず、自己紹介からでもいいか?」
「あぁ、すまない。こちらは構わないが、君はいいのか?」
「構わない。現状何もわからないからな。だが、ここだけの話、俺は違う世界から突然あの船に飛ばされてきたと言って、信じてもらえるか」




