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「教えてやるよ。俺は隊長を連れ戻す!だからこそ俺の仕事を肩代わりできる人材を育てていたのさ!」
「あぁ、お前はようやく其処に気づいたんだな。人間種は結構前からそこに力を入れていたんだよ。言ってくれればこちらから手を回したのに」
「え?」
今不吉なことを聞いた気がした。今こいつはなんていったんだ?人材育成に力を入れていた?俺の数年を無駄にしたということか?俺は・・・・
「もっと周りを見て行動したほうが、いいぞ。この部署で黙々と書類整理と格闘している猛者いや、書類整理の鬼と呼ばれているぞお前」
「え?」
「そんなハイネにおれは、亡霊という称号をあげるよ。電子データでハンコとサインを無くしたのに、この部署ではいまだに採用しているからな。時代に置いて行かれた亡霊からとったんだ」
え?俺のやってきたことは無意味だったのか?
「そんなことは無いぞ?お前が独自に編み出した方法は今なお軽快に動いているシステムだ。あのシステムのおかげで書類整理がやりやすくなったんだから。それにしても、有休消化してほしいところなんだが、無意味な休暇を取るのはもういやなんだろ?」
あぁ、子供も独り立ちするし、嫁も実家に帰って両親の面倒を見ると言ってたしな。今家に帰ってもやることは無いし。
「そこで一つ提案なんだがな、隊長の様子観に行ってくれないか?航路はわかってるからな」
「いいのか?隊長のお迎えなんて?」
隊長、怒らないかな?
「お迎え?何言ってるんだよ。あの人の様子を見てくるだけだよ」
「・・・・・厄介払いされるのか?いらないということか?」
「違う違う、お前にも久しぶりにどんな様子か聞いてきてほしいんだ。それにあの人のことだ、きっと厄介ごとに首を突っ込んでいるからついでにあの人の悪だくみを聞いてあげて。理解できないものは聞かなくていいから」
「マジか、何か厄介ごとをしているのか。嫌な気がする。俺はココで書類仕事していたいな、厄介ごとはゴメンダ・・・・・・絶対嫌な予感がする」
いやだ、ぜったいにあのひとややこしいことに手を出してる。昔の話を聞いていたんだが、戦争を止めたとか、疫病撲滅をしたとか、惑星の滅びを救ったとかいろいろな武勇伝を聞いたぞ。行きたくない行きたくない。
「あきらめろ」
えー。
「これより、隊長を追いかけ現在の状況を確認します」
航路はコレか?ココからかなり先のはずだけど、なんでワープしちゃってるんだよ?
『亡霊、出撃準備完了』
「おい、誰が亡霊か、誰が」
もういい、出撃、アレ?俺この機体武装していないんですけど?
「いってくる」
あーあ、隊長。本当にバカンス名目で首突っ込んでるんだろうな?いやだな。リゾート施設でゆっくりしてくれないかな?
・・・・
「あれ?ハイネじゃん」
そこには青い海とパラソルを立てて椅子に腰かけて海以上の青い色をしたジュースを飲んでいる隊長を発見した。
「何してんですか?隊長」
「無茶苦茶だな?4日前にこの場所に到達したんだぞ?何してんだはひどいだろ」
? 4日前?
「もう数十年もたってますよ?」
「当たり前だろ、わざわざ時間軸的にこの場所は仕事場から距離が離れているのと、こっちの時間の方が、向こうよりゆっくりながれているんじゃないかな?それより仕事は終わったのか?」
「ええ。おわってますけど?」
で?それがどうしたんですか?
「え!?本当にあの書類地獄を終わらせてくれたのか?なら帰ろう!いい物があるんだ」
なんなんだよ?俺には仕事を押し付けて旅に出たくせにこの後なにするんだよ?
「ハハハハ、見てろ!これこそマッドサイエンティストのなせる業だ!彼は最高傑作を作り上げてくれたんだ!」
あの沈着冷静な隊長が興奮しているところを初めて見た気がする。だが何をするにしても不安なことに変わりない。この後何をするにしても俺を巻き込むのはやめてほしいんだけどな。・・・・ダメそうだな。彼は俺の乗ってきた一人乗りの宇宙船を隊長専用艦の腹に収めて俺に手招きしてる。
「おーい、どうしたんだよ。ほら早く乗って!君を待ってるんだから」
俺を待っている?
誰が?
「やぁ!君が彼の優秀な部下の一人だと自慢していた人物だね?ようこそ。私はこの艦の設計者でありこの宝箱を作った人物だよ!」
・・・・・・・。
設計者?宝箱?どういうことだよ!?
「あー、うちの部署では見かけないから知らないよな?俺の艦とか所持している武装とかはこの自称マッドサイエンティストが製作しているんだ。まぁ自称で通称は魔女。君も聞いたことがあるだろ?普段は俺の自宅兼研究室にこもって何か作業してるんだけど、俺が休みを取ったと知って面白いことをしようと提案して、それに乗ってきたってわけ。ちなみにちゃんと確認してからここにいるし、君の部署以外は理解ある共通の友人からの協力でこれからやる実験で実証実験をやるんだ。これが成功すればこの先多くの移動時間で消費してしまった無意味な時間をすべて回収できるという素晴らしい開発結果を世間に見せつけることが・・・・