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「笑える展開きたー!」



そうどこかで誰かが叫んだ気がした。





「お前たちは相変わらず面白いことをしているな!会議が終わってお前たちを迎えにきて、現在の状況を聞いてちょっと智也くんの船から映像を転送してもらって私の船で見ていたが、ハイネ君君最後の最後でやってしまったね。もちろん今年の大爆笑200連発宇宙仕様ver.としてすでに利用が決定してるよ! あっはっはっはっはー。テンション上がってきましたよー♪これからやるべき書類仕事もこの映像で疲れが吹っ飛ぶねー!!」


このテンションアゲアゲ状態で登場したのは、皇地球の皇帝陛下だ。彼は惑星同盟国家参入の挨拶回りと各上層部との顔繋ぎがてら情報交換のために各惑星ごとに会議をしてそろそろ、遊び歩いていたクォーツとハイネを迎えにきたようだ。そこで今回の件に遭遇し現在の状況を教えれる範囲でデータを送り映像を確認してもらっていたところ最後の一歩を踏み外してしまったシーンを見て、我々が下山して暫くするまで笑い転げていたらしい。


ハイネが今回1番の貧乏くじを引いてしまった可能性があるようだ。残念だね。



「皇帝陛下 御剣様。

お久しぶりでございます」



「ん?おおぉ!智也艦長!久しぶり久しぶり!元気そうで何よりだ。君がここでハイネの面白動画を撮って送ってくれたことに、まことに感謝しているぞ。それでもう一つ君に頼みたいことがあるのだが聞いてくれるかな?」


「私に聞けることならお伺いいたしますが、もう目回しされてあとは私に話を持ってこられているように思えるのですが」


皇帝陛下。自信満々に君なら僕の考えてることくらいお見通しだよね?って顔するのやめてほしい。それにしても陛下自身もあいつの気持ちに気づいていてここまで策略するとは、あいつは凄いやつだね。


「ハイネリック・アリアン・V・ラングストン。彼を君の艦に乗せてやってほしい。彼が調査した内容の報告書は君が閲覧して改定修正したものを私に送ってほしい。もちろん軍事機密になるようなものは省いてもらって構わない。詳細な宇宙冒険物の小説を読みたいのだ。私の期待を裏切ることなどあるはずもないハイネの実力を買っての申し出だ」


おっと、これには僕も予想外な展開だ。ハイネを艦に乗せろとは言ってくるだろうことは顔を見ればすぐに理解できたが、まさかの冒険をリアル体験させて小説のように報告書を書いてくると予想した皇帝陛下の先見の明には驚かされる。


「ハイネの以前の経歴。反逆幇助の罪で現在取り調べが行われていることはご存じですよね?」


「あぁもちろん理解しているつもりだ。私もゼルセルタ航空宇宙軍に正式訪問した際幹部の方たちからも言われ、現在調査中だとも伝えられている。そこでいっそのこと本人にしゃべらせてどういう状況での参加だったのかを聞き出すのはどうかと確認を込めて伝えたところ、その案は採用されたといわれた。



聞き出せたのだろう?ハイネやクォーツの過去の話を。私は怖くて聞き出せなかった。彼らが皇地球の月夜で酒を飲んでいるときの彼らの顔はいつも物悲しそうだったからな。どうしてもあの場所に私が突撃することはできなかった。だからこそ彼が次に見る夢を私たちもともに見守っていきたいのだよ。



ちなみに私たちの()()というのは、ハイネを知る人物全員が希望したからこそ私も全力で行動に移すことができたわけだ。それがなかったらできない芸当だよ」




凄い自信満々でハイネを新たな旅立ちに向けての目回しを行ったと語る皇帝の目に俺は思わずうなずきかけたタイミングで本部からの着信があった。たぶんこの電話がハイネの今後の行く末を決めることになるのは確実だろう。







「・・・・・・。

ハイ。はい。はい?えーまぁ。わかり・・・・え?えーと、はい。わかりました。はい。そのように伝えます。はい、OKです。次の準備を行い行動に移します。ええ、了解です」




えーと、こう自信をもって言える一つのことが決定した。ハイネリック・アリアン・V・ラングストンという男は俺の専用艦に乗ることが決定した。そしてもう一つは、現在いるこの星系に対しての惑星同盟国家に参入するか否かを聞けとのこと。これに関しては以前女王陛下と側近。貴族たちにも確認をしたが、全員満場一致で可決されたことで、すでにその方向で話が進んでいるのだ。


そして交渉役が到着したのち、挨拶を行ってから我々はハイネ少尉と共にこの星を旅立つことが決定した。





少尉としてこの艦に乗り込むとかいいご身分ですな。他の人たちよりよっぽど待遇面がいい尉官。しかしそれは正規の船舶ならばの話。俺の艦は特殊艦。今現在は俺とクロの2人だけしか居ないんだから掃除に洗濯と食事なんかもクロがやってくれているから俺の業務はないとかそう言うことじゃない。




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