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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
「おーい、ともみゃー。くりょー!ぺんじしてくれぇりょー」
「ハイネの声音ではなかった」
【彼の声紋ではなく音声プログラムで声を調整しているような音声パター・・・・ン?
智也】
「ハイネの回収を急ぐ。そちらもあいつらをすぐに急かして、撤収いそげ!
今行くぞ!ハイネ!
次回。この施設。なんかいる。」
「そんな次回予告はいらん!逃げるぞ、智也」
そこからは全力ダッシュでクロたちと合流を目指すのではなく中継点として全員一時、脱出を目標にして離脱を開始した。
「まずい、足がもつれる」
ここまで走り込んで最近運動不足気味だったクォーツから戦線離脱の申し入れがきたが、誰もそれに応えることはない。そりゃそうだ。確実に何か背後からやって来ているのにそんなツッコミもボケも入らない。彼自身もわかっている。ここで足をもつれさせたら最後、本当に全員がここで自分を置いていくであろうことは明白だからだ。だから彼は必死についていこうとする。続いて根を上げたのは、
「無理。無理。もう、無理。死んじゃううう」
「ハイネ。南無
彼のその後を誰も見たことはおらずその生涯を終えたのだった」
「そ ソンナ 解説じみた発言以前にこっから先は崖に等しい下り坂!どうす 」
そこから先は全員で崖の大きな岩辺でこちらを追いかける存在をじっくり観察すること・・・・・にするつもりだったが、ハイネだけ最後の一瞬気でも緩んだのだろう。崖から飛び降りる形で蹴躓いてしまい山から磁力兵器のあった方向に向かってダイビングを決める瞬間、クロのワイヤーアンカーにより右足を固定され宙吊りにされるも、全員一時放置して今後の成り行きを確認することにした。下からハイネの絶叫の混じる悲鳴と共に泣き叫びながら助けを求める声に全員が黙殺していると、出ました。我々を背後から追いかける存在。
案内役の爺さんの話では、もしかしたら警備ロボ程度の存在が居るかもとは思ってはいたが、実際に見つけたことは無く今回クロがデータバンクを探る目的で電力を一時的に復活させたことによりセキュリティ自体も再起動されたかもしれないとのこと。ただし、このデカブツが空から降ってきた当時からこのエリアと内部の調査を行なったのが、この爺さんなので多分だが、元々置かれてはいたが不備があって起動ができていなかったのでは?との意見に対してクロの一言で全員が戦闘状態に突入することになる。
【先ほど確認したデータにはこの磁力兵器には二段構えの処理がされていたようだ。まず最初に大前提として、磁力兵器が作動しこの惑星が破壊可能になったことを確認できたらそれで良し。もし磁力兵器が作動せずに惑星へのダメージが軽微ならば磁力兵器に備えた多脚コンバット型 近接戦闘工兵 C・G・C】
「それがなんだというのだ?」
爺さんは理解できていないようだが、あれは多脚型。少し前に軍の連絡で回ってきた危険兵器群の一部で追加されたやつだ。その時は蜘蛛型のロボット兵だったが、今回は蜘蛛よりも足の多い虫型。虫型には数多くの種類が模倣されていたが、あれは初めて見るタイプだ。
【多脚型。これに関しては人類が文明発達と共に人工兵器として注目を集めている代物だ。我々ゼルセタル宇宙軍でさえ、これらの多脚型ロボットを分解して徹底的に調査し、平和利用のための救助目的での発展型として研究開発している部署もあるくらい多足虫の効率の良さはわかる。それを軍事転用していた古代遺跡などからの発掘もたまに出てくるが、これはその発掘品の中でもさらに危険度が上がる。今まで見つかっていた多脚型がLv7−8をうろうろしていたのが、今回の件でLv3あたりになるかもしれない位強いということだ。あの兵器でこの星の人間をどれだけ葬ろうとしたのか理解できないが、確実に全ての生きとし生けるものを殲滅するための兵器だと思ってもらって構わない。一応気休めだが、こちらに遅れる戦力はあるだけ送るてはずを現在整えている。智也の乗ってきている戦艦にはそれを可能とするだけの製造ラインが構築されているが、今回使用スルトは予想外でまだ準備が整っていない。発送を許可されても数時間は確実にかかる】
かなりの無茶を強いることになってもこの場所で動かずに奴らの目をこちらに引きつけていれば敵が他の場所に移動しないという絶対的な保証はないまでも、ある程度の足止めはできると。
「やるしかないな。武器だけでもこちらに送れるか?この場所で迎え撃つ。ハイネを引き上げろ!」
もうすでに全員の顔に覚悟を決めた男の顔が張り付いていた。そして準備のため、事後報告にならないために早急に各々やることを始めることにしたようだ。俺?連絡も何もこの星はまだ惑星同盟国家の同盟締結をしていない。独自裁量権で行えるのは地元民と地元政府からの協力要請に応え、この俺が承認して初めて戦闘に参加することができる。それも含めて連絡と承諾。そして援軍の要請も始めている。追加情報ではここに近しいエリアにいる民間人や関係者も全員が一時的に避難する警告を速やかに出したことだろう。そして、連絡を入れてしばしの時間の後こちらへの援軍要請が来たので速やかに武器弾薬の輸送をこちらの艦から行うことにした。