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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
【そして当時この三原則を守らせるために、支配領域を増やして、帝国にまで国土を増やしたが、この兵器が作られた時代は腐敗した国家にでもなっていたのだろうな】
醜く汚く姑息な兵器とでもいう代物だった。それだけは言える。そしてそんな兵器の解体方法を今現在模索中といったところだ。
「だから、解体できる代物じゃない時点で朽ちていくのが一番なんじゃないのか?」
ハイネはいきなり議論している元反乱軍リーダーとうちのAIコンピューター頭脳を持つクロの間に割って入りそんなことをのたまう。
そして今まで頭を抱えていいアイデアをひねり出そうとしていた二人からの制裁をハイネの頭に落とす。
だがな、クロ。お前までその制裁に参戦するというのはいかがなものか。お前人間のように柔らかさを持っていない、であるならばそれすなわち・・・・
ゴン!(握りこぶしを叩き落す音)
ガッ!(金属の鈍器を軽く叩き落す音)
「イッ、テッーーー!」
あーあ。言わんこっちゃない。痛そうだが自業自得でもある。作戦を立案するものとその作戦が実行可能かを確認するものが居ても尚作戦が決まらないのだからそんな彼らに馬鹿なことを言うのは間違っている。
しばらくして結論が出たようだった。
【よし、壊そう。解体できるぞ、智也】
「そうか、どうやって?あれは三原則で守られているはずなんだろ?それを解体するということは、できるのか?」
作戦の立案が終了して、確実に実行出来ることが確認できたってことだな?できるんだよな?そして作戦立案者よ、なんで首ひねった?お前が建てた作戦なんだよな?
【少々厄介だが、えーとだな少々やっかいできけんなことをするのだが、な】
なぜ二回言う?そしてお前俺に今語り掛けてきてるのに携帯端末のメッセージで文字を送ってきているのになぜ文字が崩れていっているんだ?そんなにややこしいのか?それを俺にやらせることに罪悪感を持っているとか言わないよな?
なぁ?クロ?
「智也、ハイネと共にブラボーアルファに向かってもらってCRtps4というエリアに行きコントロールデルタのプラグを引き抜け」
クォーツが急に饒舌に語り始めた。が、お前さっき首ひねっていたのを俺は知っているからな。
「いくぞ、ハイネ」
「え、マジで行くの?俺嫌なんだけど?」
「は?お前の知り合いが作った兵器だろ?自分で片をつけろよ」
こいつは自分は当事者じゃないから関係ないとでも思っているようだが、残念だったな。俺を巻き込んだんだ。だったら俺も巻き込んでやる。行くぞといっても逃げようとするんだったらこちらも考えがあることをわからせてやる。
「はい、ゼルセルタ航空宇宙軍式拘束術。反乱容疑で一時拘束させてもらう」
「は?」
だよなおれもそんなこと言われたらそんな顔になるわ。
「貴殿が犯した数々の犯罪は今現在把握されてはいないが、元々国家転覆を目論でいたのだろ?ならば
貴殿は今後自分に自分の身の回りに起こることで危害が及ぶと判断したならば、それは国だろうが世界だろうが、敵に回すという行為に打って出る可能性もあるだろ?もしそんなことをしないと誓えるなら、一緒にきて俺に証明してくれ。もちろん双方が俺たちすなわちゼルセルタ航空宇宙軍に理になると思え、なおかつ反乱の兆しを見せないということが絶対条件だ。
できるか?」
究極の問題になるかもしれないな。彼らは信念のために戦い、自分または他人のために行動してきた。その行動を今ここで否定されかかっているのなら、彼らはココで否定する。
だが、もし彼らの心が反乱行為を否と変化してきているなら、ここで揺さぶりこちら側に引き込めるかもしれない。だがもしも是となった場合。よくて拘束、最悪射殺の可能性もある。こんな大事をいきなり言って揺さぶりをかけることはすまないと思っているが、これもゼルセルタ航空宇宙軍にとって大きな問題になっているからな。いきなり新たな国家が惑星同盟国家の一員になりました。は、まだ理解できるが、以前反乱軍を率いていた統率者とその一員でした。という人物には監視の目が向けられる。彼らに監視者がこれまでついていたのか、それに関してはこちらよりも専門部署がことにあたっていたことは聞いていたが、その彼らが最終試験を俺に依頼してきた。普通自分たちかその上位存在がこの二人に条件を提示するはずだったが、ちょうどいいということでこちらに依頼してきたのだ。
で、結果はどうなるか。言わずにいきなり試験だなんだと言われても判断に困るであろうこの議題。これらはあっさりと答えた。
「我々に監視の目が向けられて実際に監視されているのには気づいていた。これは最終試験のようだな。わかった。私は反乱軍を率いていた統率者でもあったんだ。今後の私の行動をこれからも見て決めてほしいが、彼は智也と共についていきその目で見て確認してくれ。彼が一番に何を考えていたのか。彼の行動が何を意味していたのか。彼はお気楽な気分で世界を壊そうと思って行動したのか。その経過と結果を見て判断してほしい。
そして、智也君。君につらい質問と判断を任せる立場に置いてしまったことを深く謝罪する」
そういって、ハイネとクォーツは頭を下げた。




