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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
「違う、そうこくと読む。戦艦蒼黒リヴァルヴ」
黒色の中に緑色が少しわかる程度のことを言うならこれは青緑と言うべきものなのかもしれないが、ここは過去の色彩の名前から取らさせてもらおう。アオグロと呼ばないのはせめてもの抵抗だと思ってもらえればいい。
そして全ては巡る。回る。この言葉の意味を発した智也でさえ直感で言ったまでに過ぎず、意味はいずれわかる時が来るかもしれない。
【戦艦。この艦は超弩級戦艦の分類になる。
前回より500mほど全高も全幅も小さくなっているがまだまだ戦艦で言えば大きいからな。だからこそこの艦の言い方は変わってくると思わないか?】
・・・・それでも大きいって。前回もそこそこあったし、後半は気にしなかったけどさ。超弩級とか誰得になるよ。掃除は大変。艦長として発艦時の周囲の確認。日常点検から月一の点検など整備班たちも大変そうにしてたから修理資格の持つ俺も参加はしたよ。参加は。常にネジ一本の緩みや歪みを確認するだけでも大変だったのに。
「よし、超弩級戦艦 蒼黒 リヴァルヴと名付けて、略式名は蒼黒Rとしよう。
特殊特務大隊 大隊長 専用運用艦 2代目 超弩級戦艦 蒼黒リヴァルヴ
出航はまだ掛かるな?」
【当たり前だろ、まだ装甲の見直しで張り替え過程が全体の8%しか完了していないぞ。まだまだ掛かると言えば掛かるが、それでも2〜3日位で張り替えは終わるからな。もう少し待ってくれ。それと整備を楽にするために装甲板は厚く範囲を広げるためにネジなどは使わない溶接仕様に変更になった。整備班からのクレームを参考にしたそうだ。よかったな智也。彼らの意見が通って】
俺も言っていたクレームだったからな。それでもまだ時間はかかりそうだな。
「わかった」
あと数日か。なら次にどの場所に行くかを決めなくちゃ・・・って、艦が沈んだ新たな星系も確認と調査が必要だよな!あぁぁぁぁ!やる事いっぱいじゃねぇか!
「気密エリアのエアーを抜け。これより出航シークエンスに移る」
それから数日後、ようやく出航となる。だがここで少し問題が起きていた。元々乗っていた搭乗員たちは誰も艦に戻ることはなく、蒼海と晴凪に搭乗することが決まったそうだ。理由は知らん。寝て起きたらそうなっていたからな。俺に聞くな、何を聞かれてもこの先答えることはできないだろうし・・・・・。それでも一緒に旅を続けるものを紹介しよう。
俺こと艦長でもある智也。艦のAIとも言える存在でありこの艦から第二の体を得たアンドロイドボディで俺と共に活動することを決めたクロ。共に行くことに。
【出航シークエンス了解。
武器システムオンライン。推進系・エネルギー系の動力伝達全て良好。エンジン高回転数を維持。姿勢制御ユニット、重力システム、オートバランサーチェック終了。異常は認められず。酸素循環システム・水循環システムの作動を確認・・・・作動中のエラーは感知せず・・・】
かなりの量のシステムチェックをこなす必要があるのはわかっていたが、流石にいつもいつも確認するわけではない。確認するのは最初のこの初めて動かす時にシステムエラーがここで出たら出航は中止して改修を行うことになっている。
ゼルセタル航空宇宙軍の出航マニュアルに記載された最初およびメンテをした後のチェックには常にしなければならないのだから。
【全システム、オールグリーン。物理的武装関係の総合チェック作業に入ります。砲塔回頭チェック中・・・360度と90度の物理チェックで異音など感知せず。エンジンの動作不順確認されず、推力につながる部分は開閉部を含み異常はみられず、外装パーツ内部外装パーツのオート分離機構のチェックをしています・・・・】
は?なんて?外装パーツ分離機構?一体いつ付けた?そんなことして仕舞えば空気が漏れるだろ!何考えてるんだ?
【報告していなかったが今回から脱出ポッドは全排除した】
「は?」
【怒るな。これは画期的なシステムでもあるんだ。全方位に設置されている部屋が全て脱出ポッドになるように設定されているんだ。だから脱出したら簡単ではあるが、操縦桿とか緊急脱出プログラムに基づき避難所雲備わっているんだ。だが、まだ正式採用には至ってはいないが、この艦では実験艦つながりだったからな。ちょっと仕入れて付けてみたと開発班からの報告だな】
そんなことになっていたと言う報告も聞いていないが、しれっとそう言うことを組み込んで怖いからこの艦に乗りたくないと言っていたんじゃないだろうな。
【全てのチェック項目はALL OKだ。どうする?すぐに出航できるぞ】
はぁあこれ以上聞いても俺には理解できないものも数多く乗っていそうだな。だがそうだな。そそくさとではないが、久しぶりに宇宙に出て仕事をしないと上から早くしろと言われているのは確かだしな。
「出航する。目的地はトラウマの星系。1番艦が轟沈した宙域。調査対象は新たなる星系」
この場所のトラウマはさっさと解消して次に進もう。
【了解。では目標進路をメルヘLenへ】
メルへLenへ?聞き間違えか?
【違うぞ、メルへLenだ】
作者)引っ張りすぎたかもしれない新たな艦名がようやく登場。これからどんな旅になるか楽しみ楽しみ!
智也)引っ張ったかいなくしてすでに行きたくないんだが・・・・・。
作者)あきらめろ。これは決定路線だ。命令受けちゃったんだろ?
智也)
クロ)当たり前だろ。命令は絶対順守。
智也)まだ何も言っていない。
クロ)諦めたほうがいい。今回命令受諾をしたのは私ではなく、彼女だ。
智也)母さんか。
私)イオで~す!
智也)お前か!
クロ)すまん、気づいた時には勝手に出航日程まで決められていた。
イオ)邪魔。私の管轄している格納庫で一番邪魔なお荷物を早くどかすには最良の手なんだから飛びつかないほうが可笑しい。さっさと出ていって!掃除したいの、私。
智也・クロ)・・・・・・・。