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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。



「ようこそ、ワラクジェルシェへ。歓迎したいところですが、現在の状況をご理解いただいていますか?」


この人物は、この惑星・・・のようなコロニーの港湾施設を管理している軍の管理者。名前は聞いていない。



「あぁ聞いている。大変なことになったことも、すでに軽めに周囲を調査したが今の所なにも見つからなかったが、ここを拠点に調査したい。協力を頼めるか?」


俺はとりあえず提案をしてみるが、


「いえ、現在このコロニーは配給制になる恐れがあるほど物資が足りません。申し訳ないのですが、他の拠点をお探しになった方が良さそうです。我々軍人としてはすでに物資補給艦の要請を行ったほど誰も宇宙航路に出たくないそうです」




あぁ、船体を焼かれたという未知の状況に尻込みしてしまっているということか。どうするかな。ここが一番被害が大きいが、ここまで疲弊しているコロニーに迷惑をかけてしまうのはまずいか。



『艦長』


ん?クリス艦長から通信だ。


「ホイホイ」


『先ほどゼルセタル航空宇宙軍からの通信が入りました。ワラクジェルシェ宛の補給物資と共に我々への宙域での補給ができるように簡易港湾施設も輸送してくれているそうです。この港湾施設を拠点に活動してほしいそうです』


本部が、この事件を重要視していることがわかった。なら、



「了解したと伝えてほしい。簡易港湾施設は惑星コロニーの静止衛星軌道上に係留できるようにしてほしい」



・・・・


「聞いての通りだ。こちらはこちらで調査を行うし、補給物資を輸送する便の手配も行なったことでこちらに係留することはしなくて良くなったが、採掘業者がまた宇宙に出れるようにするための調査を行いたい。そのための簡易港湾施設を惑星上空の静止衛星軌道上に置くことの許可を出してほしい。もちろんこれは、ここに到着する前までに考えてくれればいい。どうだろうか?」



「了解しました。こちらの代表たちと話し合ってきめさせていただきますが、私は軍人です。命令には従います。彼らも貴殿の活躍と共に今回の件を解決できるだけの実力があるとだけ伝えてから交渉に入ります」


「あまり持ち上げないでくださいよ。まだ原因究明すらできていない現状なんですから」


「とりあえず、この辺りの資源衛星は採掘されすぎた廃棄衛星に成り代わっているとはいえ、作業員たちの道標には変わりありません。あまり移動させることはないようにお願いします。もし移動させたなら報告は逐一でお願いします。彼らの採掘ルート変更も行わなければいけませんからね」


「了解しました」



そう言って、港湾施設の管理者と別れた。これから忙しくなるな。


【話のわかる男だったな】


「あぁ。そしてこの星の住民をよく理解していた。経歴を見た時はココとは全く違う星の出身で違うところで勤務していた割には、彼らに理解があるようだな。なら話が早い。彼は必ず静止衛星軌道上に簡易コロニー設置の許可を撮ってきてくれる。こちらは彼らの期待に応えて調査を早速開始しよう。まずは、三方向に別れての調査だ。小回りのきく晴凪を資源衛星と廃棄衛星のある中心エリアに、右側を我々が左側をクリス艦長に受け持ってもらおう。調査の最初はこの宙域全ての地図化データ作成を行いつつ、マス化してA1、A2といったようにエリアを絞ってさらに詳しく調査しよう」


【詳細データを私が直接分析すればいいのだな】


「あぁ。それに今この艦はあまり無茶な行動を取れないからな」


【やはりガタが来ていたところに先の戦争の影響が多大に出てしまってはな。本来なら君も乗せることができないはずだが、君も無茶を通す男だな】


「フフ、何事も最後まで慎重に行えば事故は確実に少なくなる。それでも起こった時は対応を頼むぞクロ。俺だってこの艦には愛着があるんだから」



そう、まだ数年とはいえ、かなり無茶なことばかりしてきた。次に建造中の艦もきっと無茶なことをさせるだろうが、今度は実験艦ではなく俺の専用運用艦としての正式配備される艦だ。まず間違いなくこの艦の数倍はすごいのができるだろうが、それまではこの艦でどんな荒海でさえ乗り切って見せるさ。




さて、先ほど二艦とは別れたが、ココの宙域地図を作成しようにも目に見える範囲に惑星も小惑星も浮かんでいないな。


「何か見えるか、クロ」


【今の所は肉眼では見えないほどの塵は感知できているが、これがどれほどの年げつをかけて小惑星になるかはわからないな】


「途方もない時間とさらにぶつかったり砕け散ったり、くっ付いたりしたことで出来る自然界の時間の流れさ。俺たちのような今を生きる者たちの知覚では分からないだろうさ」


【そうか、私のようなAIであればきっといずれはわかるだろうが、それまでもつかどうかわからないものまで調査できる時間も処理できる機械があるかも分からないか】


「おっと、久しぶりに聞くクロの哲学かな?」


【そこまでのものじゃないだろうさ、きっと。だが我々には君たちと過ごす時間以上の時間を与えられたら調べてみたいものだよ】


「さよか」



本当に、壮大な夢を聞かせてくれるな。そうなったらいいなと思えてしまうほどクロの夢は実現してほしいものだよ。





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