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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
「ホッホッホ。やはりかなりやられておるわい、そして本人逃げおったな」
「アぁ、ここまでボロボロにしておいて張本人はどっか行ったとか、ふざけてんのか?」
この二人、魔工技師長と機関長という異色の二人がこれからタッグを組むことになる。
本来の業務的に発明家のような、開発者のような魔工技師長。
機関室という船のエンジンを動かすための技術屋。
なぜこの二人がこんなセリフを吐いていると言うと・・・・
数日前・・・
【お二人に早急な補修工事を行なってもらう筆頭になって欲しいんです】
と小惑星型ドックのAI、イオに言われ困惑する二人。
「お、おう。エンジンがやばいから呼ばれたんだよな?」
【いえ、全面補修が必要なようですね。装甲はかなり痛んでいるようで、総取っ替えが必要ですし・・・エンジンはもう使い物にならないものを強引に動かしてココに到着するようですね】
「ッハァ!?エンジン!俺が特別にチューンしたスペシャルチューンナップエンジンをォ、ぶっ壊したのか!?アンニャロぉ次会ったら、ぶっ飛ばしてやる!!!!!」
機関長がいい感じにキレている。というかまぁわかる気がする。
自分たちが特別に調整して改良したエンジンを壊されたと、聞かされたら。
「まぁまぁ、ボス落ち着きましょうよ」
「そうだよ、お父さん。また1から作り直せばいいんだよ。時間はたくさんあるんだから」
「そうだな。時間はある。なら1から作ってやり直せば」
【あ、それは無理ですよ】
「は?」
【だって、早急に修理してこの場所開けてもらわないといけませんから、大隊長が到着後・・・・そうですね。7は難しそうですが、10日でお願いします。こちらのスケジュールが遅れないギリギリなので、それが終わり次第当初のスケジュールに戻って作業を行なってください】
つまり、小惑星内ドックですでに作業が行われていたのに智也たちの帰還により、修理を行う作業が追加で盛り込まれた。
【次に、装甲板が死んでます。次の装甲板の試作を載せてもらえれば良いかと思いますが、任せます。なんとかして全面張り替えをお願いします。
それ以外は既存のシステムを少し手直しすればなんとか・・・・なるはずです。予想外なことが起こらなければ大丈夫です。きっと】
次に魔工技師長が膝立ちになって頭を抱え始めた。
「儂の、儂の、儂が作った最高傑作品が!!誰が、潰したんだって!?儂の装甲板・・・わしの・・・儂の・・・・」
そして、独り言をずっと言い続けていく。
そして現在・・・
【修理が終わるまで艦を降りていてください。邪魔です】
「おい。クロより口悪いぞ」
そう、智也を追い出そうとする現在小惑星型ドックに存在しているAIのイオ。
【そうだな、だが智也いいのかこんなところでゆっくりしていて、今回の艦破壊は不本意であり、あんな戦場で起こったとはいえ、エンジンが何度も停止するほど酷使してしまい、装甲が破損どころか、一部区画は宇宙空間と繋がるほどの大穴を開けてしまうほどの損壊を起こしているのに、これから補修する作業員たちが怒りに満ちてこちらに来るかもしれないぞ】
そして、それに便乗して智也に逃げるように提案するクロ。
大隊長思いの良いAIたちだ。本当はどうしたいかは知らないが。
「ついでに追い出されるなら、本部に出頭要請が出ていましたから、ついでに向かわれてはいかがですか?こちらの蒼海はほぼ無傷ですし」
そう会話に割り込んできたのは戦艦蒼海の艦長クリス。
「なら、向かうか。というわけで行ってくるわ。早急にな」
そして急ピッチで修理が行われ、その間に本部に出頭要請を受けていると言われて、報告に行っていく智也。数日で向かい報告に数日費やすことにより目標とされていた修理期間10日はすぐにきた。
修理は完了。したかは微妙らしいが、システムの全バージョンはアップデート完了。
期間は10日と定められた期間ではあったが、問題は多数残った。それは乗れる場所を絞らないとまた大穴が開く可能性が出てきた。
よって、ゼルセタル航空宇宙軍の航空規定により乗員の乗り込みは禁止。
(艦長には脱出ポッド付きで避難もできて居住スペースが確保されていることが、確認されて調整されていることが検査済みであれば動かすことができるようになった)というなんともかなりアバウトなやり方だ。
【みっともない。もう少しスマートにできませんか?】
「無理じゃわい。これ以上はできないな。どう頑張ってもこれ以上はどうにもできないわ。後は、なんとか撃沈しないように戦場には行くなよ、としか言えないな。気をつけろよ」
【は、ハハハハ。もう少し直せる予定だったんですが、もう少し説明させていただくとですね。
乗員スペースにはついこの間の戦闘で大穴が開き装甲板を入れても多数の穴のせいで完全修理は無理だそうです。強度の問題で大隊長とクロ先輩以外は乗組員を乗せることは承認が下りませんでした。危険ですし。
そのためドックで建造中の戦艦の内装や外装の人員にしばらくの間、使って無駄をなく、せるようにしますね。勿体無いとかそう言うのではなく、蒼と蒼海、晴凪の乗組員が多いので人員移動を分散は難しいですし、すいません】
そんなこんなで、船舶の製造工程を眺めて、書類作成とハンコ押しの毎日を続けていたそんなある日のこと・・・
「なんて?」
【ドヴェルゴ星系内の資源惑星で採掘中の船体が高温で焼かれたような症例が報告された。本部から調査せよのことだ】
なんだそれ?今まで太陽のような高温の惑星に近づいたとか、そんな感じの報告は受けてたけど、クロの話からそんな感じには聞こえなかった。むしろ突然焼けたよう聞こえて、むしろ驚いてゼルセタル軍に連絡した連絡したんだろうな。
一体なにが起こってるんだ?
とりあえず調査だな。
[To Be Continued]
次回、第十二章 災害編




