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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
「そもそも君がココに来た時から」
「生き残ることは、無理でしょ。私たちの寿命は5年前から極端に死ぬ人が増えました。ですからたぶん」
そうか、ならこれ以上言うことは無いな。
「上層部に報告してくる。
敵は機械化された軍。人類が存在しない亡霊軍である。これを機にすべてを抹消しなければ永遠に艦が製造され続けこちらにやってきます。殲滅を」
【簡略され過ぎてるだろう。だがそれ以上は言えないだろうな】
あぁ辛いものさ。救難信号のようなものを受け取り助けた要救助者はすでに死地の元に居て助けられることは不可能。そして助けられない仲間たちと血のつながった敵対者たち。敵対国家バルシミオン。その運命はもう無いに等しい。ならばすべてをこの世から消し去ってほしいと願う少女。
聞いたところで無意味なのだろうが、聞いてみたら、歳は18歳だそうだ。
辛い経験。辛い過去を乗り切ってここまでたどり着いたのだ。ならば最後は幸せだったと思えることをしてほしいと思い、聞いてみた。もちろん承諾待ちの方はすぐには無理だと言ってあった。
【彼女自身出来るとは思っていなかったようだな】
「あぁ、あの時の表情。可笑しかったな」
彼女が願ったのは、『自然豊かな惑星での食事と満点の星空を見たい』とのことだった。
直ぐ近くによれる場所が有ったので割込み予約で予約を行い向かったレストラン。
夜の側にあるレストランでのフルコースの夕食をいただきながら空を見上げると満点の星空。
現在惑星同盟国家全体に厳戒態勢が敷かれていたため、ちょっと出てもらうのに許可が必要だったそうだが、俺の持っている権限で何とかなった。
「すごく、すごく綺麗。こんな星を眺めれる環境はもうあのバルシミオンには残っていなかったからきっと昔はすごくきれいだったんでしょうね」
彼女の頬を一筋の光が・・・
見なかったことにしとくよ。
その後上層部から連絡が来て、惑星上に存在しその他の工場にのみ破壊活動を認める有無の通知が来たので、敵船を全て撃沈させた。工場を破壊するため彼女の母星へと向かった。何隻何十隻もの戦艦が襲ってきたが、すべてを塵となるまで粉々にした。戦艦の造船工場は無限に排出し続けるだけの誰も命令するものが居なくなっても作り続ける無限工場。明かりもなく、時折見れる光も作業中に出る工作用の光だと分かるほどだった。
「本当にいいんですか?」
彼女が指をかけるのはこの艦の主砲のトリガーだったりする。
後から情報が回ってきたのだが、潜入中の我が特殊部隊たちが見た景色はこの星はすでに地表もマントルも全てが人工物に支配されていて、工場を破壊しても惑星内部の機械工場で再度作られることになると分かったからだった。
そして現在、特殊部隊も撤収を果たしており、あの星に存在する生命体は0だ。こちらでも索敵を行ったが、本当に誰もいなかった。だからこそ彼女にすべての締めを行ってもらった。俺がやるより彼女自身もやりたそうにしていたし聞いてみてもやると言うので。
「あぁ大丈夫だ。確認は取れた。やってくれてかまわないよ。
敵対国家バルシミオン 国家元首ハバシリの長女ニーチェさん」
「え?」
彼女の驚いた声。
【こちらの調査はかなり前から行われていたが、智也に情報が来たのが先ほどなだけだ】
「キミはあの星の次期国家元首だったんだろ?反乱により急速に国が廃れて行くこと、すでに惑星の寿命が尽きていて国外脱出を民に話したところで反乱がおこり事実が嘘ということにされて隠蔽され民たちもその後死んでいく現象に襲われ君と近衛兵だけが逃げ出せた。だけど残った機械関係が独自に動き始めた。だから君はまるで血のつながった叔父が全て悪いように見せかけてすべての破壊を頼んできた」
そう、工場破壊について上に掛け合っていたタイミングで向こうから報告が有ったのだ。そこで知った彼女の本当の真実。目を背けることが出来ない過去の真実。
「・・・・さすがに最後まで騙すことは出来ないようですね。どうするんですか?本当に工場だけの破壊で済ませるんですか?」
悲しそうな表情にはなるが、どこかホッとしてそうな表情でもある。
「それは本部の指示待ち。とりあえずあの工場だけは先に破壊させる。それが最善手であり現状を維持するのに最も有効だと思うよ。もしかしたら機能を停止してくれるストッパーもあるかもだしね」
本当にそんな機能が有ればいいがたぶんない。だからこそ経過観察は居るだろうが、彼女の短い寿命の元にはそんなことは無意味だろう。
「そんなの無理に決まってるじゃないですか!?」
そりゃ怒るな。
「どうして?」
それしか彼女に聞けない。分かってるさ、星が死んでるのなんて。それでも即座に破壊なんて出来ないんだ。許してくれ。
「あの星はもう死んでいるんですよ!なのにそれすら延命が必要なんですか?いらないでしょ?機械の星なんて」
そう、星としては死んでいるが、天体としては生きているからこそ、
「いるかどうかじゃない。あの星には他の天体と同じく重力を発生させている。ココであの星だけを消し飛ばすと他の天体にまで影響が有るかもしれないから迂闊に破壊は出来ないんだ」
また超新星のような爆発には至らなくても可能性があるなら阻止しなければいけない。
「そんな。私は 望んでたのに。あなた達にこの星の運命を任せられると思って破壊を望んだのに」
彼女がトリガーを絞り引き金を引いた瞬間。主砲がロックされていた工場にのみ攻撃があたり破壊していった。ちょっとだけ口元が開き、ありがとうと言っているように見えたが、
その後彼女は後ろ向きに倒れ、気を失う。
最後に彼女が見た景色は




