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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。



「初めましてだな。私は、惑星同盟国家のゼルセルタ航空宇宙軍に所属している者だ。君たちの所属または国を聞かせてもらっても?」

初めて会った投降者たちは何ともちぐはぐな宇宙服を着ていた。上は正規部隊の宇宙服だが、下は何だろう。後でクロに教えてもらったが、水に潜る潜水具の一種を改造して使っているのかもしれないと教えられた。


「始まして、私はパウエル。敵対国家バルシミオンで中佐の地位についていました」


!?

「(なんてこった。こんな人物が投降したということは戦場の機敏を感じ取ったとも思える。使えるかどうかは、これから次第だが、まずは要注意人物に繰り上げだな)」

「(そんな!敵対国家バルシミオン。私でも知っている超危険国家。出会ったら、すべてを取られてもいいから命だけを守れと教えられている国の人じゃない!それも中佐ということは、一体いくら払ったの!!)」

(・・・上記の彼女の国では、実績とお金の両方で尉官以上の階級が貰えるそうだ。だから勘違いしているようだ)


「それで、君は?」


「・・えーとカナミといいます。20歳(ハタチ)です。よろしくお願いします」



・・・・ん?この感じは、なんか初々しさを感じる。


「キミはもしかして」


「(あぁもしかしてと思ったが、やっぱり傭兵だとは聞いていたが、ド素人かもしれない)」

【(戦争初参加なのか。それで自分の年齢を言ってしまったのか。これでは重労働収容所に入れられて食い物にされても文句は言えないだろうな)】


こういう場合、年齢は黙っておくことが基本正しく、尋問室で尋問されている時に何かの条件とともに小出しにしていかないと、食い物にされて投降したはずが、戦場で捕まったものや、捕虜者より過酷な場所に収監される場合がある。それを防ぐために国元でしっかりと教育されていくはずなのだが、彼女はそんなことを知らなそうだ。相当国が腐っていたということが、実証されてしまった。今後彼女の捕虜交換時にこの映像が、公開されると、彼女の国は相当の恥をかくこと間違いない。


何故なら、情報漏洩を気にしているのは、どの国でも同じなはずなので、ペラペラと喋るものが捕まるリスクだけは避けたいはずだから、こんな喋る人間どの国でも調査のためという理由でとらわれること間違いなし。


「そうか、なら別室でもう少し詳しく聞くことにしようか。カナミさん」


「はい」


「!?(まて、せめて口止めくらいさせろ! ちょ、お、おい!待ってくれ。俺から先、俺から!)」

「キミはうちの副長から話を聞かせてもらおう。同じ尋問なのだから一緒だろ?では、行こうか」



「(クソ! まさか、ココまで常識がないものがあの船に乗っているとは。俺でさえ拷問されそうになったら喋る内容もあれば、拷問されても喋らない情報もあるんだ。あの玉王国家め、どんな人間をこの作戦に組み込んだんだよ!)」

【それでは、改めてここでは聞けなさそうなので別室に行きましょうか】

「えーと、案内してくださるんですよね?」

【足元の矢印を追いかけてください。それ以外の場所に進もうとした場合、電気ショックを与えます】

「・・・」






「カナミさんは、戦場に出て何回目なの?」


「えっ?今回が初めてなんです」


「そうなんだ、じゃ、今回投降して本当によかったね。この惑星同盟国家に喧嘩を売ったらただじゃおかなかったよ」


「そうなんですか!私、自分の場所から出たい一心で傭兵になったので、そういうところには疎くて」


「そうなのか。っとココが今から話し合いをするスペースだよ」


「ありがとうございます」


そうかそうか、こういう場合の手順を何も知らないと。なら情報を引き出して、亡命させた方が彼女のためになりそうだが、片割れは、投降なれしてそうだな。まぁあっちはクロに任せておこうか。



「それでは、まず我が惑星同盟国家に亡命する意思は有るかな?・・・・












「(クソ!しくじった。彼女の口止めうんぬんより、今後の生活面がすでに不安で仕方がない。どうなることやらだが、とりあえず危険な賭けだが、まずやっておくに越したことは無いか)一つよろしいでしょうか?」


【・・・・この後二階へ階段を上っていただき、808号室と書かれた部屋に入って待機していてください。それまでは質問等一切不可です。それと、我が惑星同盟国家に今後一切裏切ることのない兵士になるのであれば、待遇はよくしますが、とりあえず部屋に入っていて下さい】


まじか、取り付く島もないとはこのことか。


・・・808、ココか。殺風景な部屋じゃなきゃいいが。


鏡。扉を開けて入って左右の壁一面にこれでもかと、どでかい鏡が一面に置いてあるところを見るに、マジックミラーのような存在なのだろう。

扉の反対側の壁には、収納付きのベットが備え付けてあって、部屋の真ん中にはシンプルな一本の棒で支えられたテーブルと、動かない一本の棒で支えられている丸椅子が一個あるだけ。テーブルにはこういうメモが張られている。


『椅子に座り、扉側の壁のテレビを視聴して、その後問いに答えよ』


うーん。シンプルなことだ。そして、座れと。寝た瞬間に転げ落ちそうな椅子だ。


座ろ。


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