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大昔に予言だの未来の決まりだのと言われた曰くつきの禁書目録。だがこの世界に住まう物たちの言葉を止めることかなわず、弾圧をすればするだけ広まったため、取り締まる側も諦めた禁書目録。
「いつの日か世界が平和になる日に雷雲が晴れて雨が降る世界になることを切に願いて、今日より戦争を開始する。」
いつどの場面で言われたのか記録には残っていないが、この言葉が発せられたその時までは、世界は雨も星も太陽の光も全てが人々に降り注いでいた。等しく誰に対しても。だがある時を境に突如として、雨が降らなくなった。どういう原理か、雨降らなくとも地下水脈から流れ出る水で人々は喉を潤し、食べ物は陽の光が届かぬとも生育し食べられるようになった。だが、それでも昔の食材を知る者や違う星の食べ物を知るものはまずいと感じてしまうほどに痩せほそった世界。
だがその対策をしたところで、世界の環境は戻らずに人死にの方が被害は大きかった。誰も彼もが予想外の展開についていけず、また1人また1人と死んで逝く世界で希望も尊厳も無くし、ただ生きることのみになった世界でただ1人だけが、立ち上がったとされる。
嘘か誠か。本当の事は誰も知らないが、今ある現状では、誰かが立ち上がったからこそ、今があるのだろう。
雷が降る世界。
それが日常の世界になった世界。
戦争で敵の攻撃か自国の事故が原因かは今となっては誰も知らない世代。
それでも、人は生き続けていく。今日を明日を生きるために。
雷ノ惑星 雷雲刻物語ー禁書目録 絶版シリーズ X章
ーーSIDE 雷ノ 終ーー
これは、投降者の一人男性が女性に聞かせていた話の一つだ。
それを聞いていたクロが録音して智也に後日聞かせた答えが、
「遠い、遠い昔、遥かなるときの中で聞いたことのある物語」
智也自身聞いたことはあっても覚えていない。はるか昔に語り継がれた奇跡の章。この世界とは真逆の逸脱した世界。
聞いた者には恐怖が舞い降りる。翼は折れて、千切れ飛び、人間として苦痛の中で生きた人々の一生と言われているが、実際の話としてはだいぶ盛られているのかもしれないが、今現在で言えば誰も分からない。
実際にどこで聞いたか覚えていないなら、それ以上は良いか。とかってに納得するクロ。
そんなこんなで、二人の投降者はしばし放置されることになる。
検閲に関して言えば、買収されることなく、検閲用のためにハッチを開放して招き入れて殺す算段を建てていたテロリストたちを全員無力化した。
「正直なぜこんな奴らに・・・・この程度の奴らにやられてしまったのか意味が分からん」
【決して弱いわけではなく、そして彼らが武装をもって船外に居たことを早期発見したからこそ初期動作が決めれたのだ。通常の国境警備隊の艦からでは望遠レンズは採用されていないだろうし、敵かどうかを識別しているとはいえ、初っ端から攻撃的ではダメだろうから最低限の安全圏内からの検閲を実行したのだろう】
んーそう考えると、やはり国境警備隊とゼルセルタ航空宇宙軍とは統合したほうがいい気がするんだが?
【ゼルセルタ航空宇宙軍との統合は反対するぞ。国境警備隊の役目は広範囲になっている惑星同盟国家と非惑星同盟国家との境界線を守ることを生業にしている者たちだ。彼らの業務を軍が持ってしまうと軍の予算の4割が取られる恐れがあり、最悪特殊特務大隊という部隊が消滅する恐れもある】
「・・・・確かにそれは困るな。この会話はここまでにして、彼らの拘束と投降者の話を聞きに行こうか」
【それがいい。ちなみに投降者の男性が、女性に物語を聞かせているようだ。すでに録音しているから、後で聞いてみるといい。なかなか凝った物語のようだぞ】
「そうか、それは楽しみだ」
「初めましてだな。私は、惑星同盟国家のゼルセルタ航空宇宙軍に所属している者だ。君たちの所属または国を聞かせてもらっても?」
初めて会った投降者たちは何ともちぐはぐな宇宙服を着ていた。上は正規部隊の宇宙服だが、下は何だろう。後でクロに教えてもらったが、水に潜る潜水具の一種を改造して使っているのかもしれないと教えられた。
「始まして、私はパウエル。敵対国家バルシミオンで中佐の地位についていました」
!?
「(なんてこった。こんな人物が投降したということは戦場の機敏を感じ取ったとも思える。使えるかどうかは、これから次第だが、まずは要注意人物に繰り上げだな)」
「(そんな!敵対国家バルシミオン。私でも知っている超危険国家。出会ったら、すべてを取られてもいいから命だけを守れと教えられている国の人じゃない!それも中佐ということは、一体いくら払ったの!!)」
(・・・上記の彼女の国では、実績とお金の両方で尉官以上の階級が貰えるそうだ。だから勘違いしているようだ)
「それで、君は?」
「・・えーとカナミといいます。20歳です。よろしくお願いします」
・・・・ん?この感じは、なんか初々しさを感じる。
「キミはもしかして」




