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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
--SEID????--
あれからどれだけの時間がたっただろうか?俺は今回の戦争には反対だ。明らかに負けると思っているからだ。俺たちの星や、それ以外の星の住民もいるとはいえ俺の勘はかなり当たる。それも戦場においては絶対の信頼をもっているからこそなのだが、他の連中と来たらそんな勘は捨ててしまえと言うし、今回戦いで勝利しても配当は受けれなくなるぞ、とか。食料に燃料。給料に女。すべてが戦闘での評価で代わってくるのにこんなところで出ないで良いのか?と言われてしまう始末。まぁ確かに住処ですら戦闘の良し悪しでグレードが変わる手続きになっているとはいえ、今回は死ぬかもしれないな。
ほんとに家族なんか持つんじゃなかった。
家族が居なけりゃこんなクソみたいな戦いに身を投じなくてもいいのに。
それ以上にコイツらの態度は気に食わない。まるでこの戦争に勝った気で騒ぎまくっている。たかだか戦艦一隻沈めただけで酒を浴びるように飲んで、歌って踊っていやがる。だが俺は見ていた。こいつらが戦艦を沈めた直後に俺たちから見えにくい位置取りで脱出ポッドが大量に出てったのを。
俺たちは死ぬまで戦えと言われているが、彼らは全力で生き残れと教えられているとココに来る前に教わった。最初はなんで戦わない、このヘタレと思ったが、そうではないな。すべてを犠牲にしてすべてを無に帰す行為で行う戦闘ではなく、生き残って情報を持ち帰りさらに勝てるようにする戦いを彼らは行うのだろう。生まれた故郷は昔々に滅び、今生きているのは生き残ったカスばかり。滅びを呼んだ者たちも次の戦いですべてが死に絶えたと聞く。
そんな屑みたいな環境からしたら、手が出るほどの領域なのは分かるが、彼らの持っている戦争の無い世界はどうやって維持しているのか学べば、俺たちみたいな環境はきっと無くなるだろうに、上の人間は次勝てばいい。次勝てばすべてが手に入ると言って闇雲に戦争という名の勝利に手を伸ばす。
そこで地獄を見るのは下の者。勝利を欲する上が下にわずかばかりの金をばら撒く。それで集まったごみをまた戦場に送れば、また金が入ると思っているだろうが、俺たちは“生きているんだ”お前らのゴミでもなくば、ロボットでもない。
言うことを聞かせたいなら、ロボットでも自前で作って戦わせろ。そういう信条を持った星もあるのだから。
だが、彼らに言っても仕方が無いか。無い頭を使っても良策は出てこないだろうからな。
しかし、振り返れば気も休まると思っていたが、一向に震えが止まらない。これは本格的に脱出も考えないと危険かもしれないな。
ヨシ。脱出ポッド・・・は無いだろうから、宇宙服を探してハッチから堂々と出よう。出る理由は、敵艦に乗り込んで一番乗りがしたいとでもいえば、奴らもこぞって出てくるだろうしそのタイミングで逃げだせばバレないだろう。ついでに位置情報マーキングチップくらいは剥がしておかないとバレるだろうけど。
ついでにこんな場所には似つかわしくない女性も一緒に脱出する話・・・は不味いだろうから、危険なことになりそうだから一緒に来るかって聞くに留めておこう。仲良くなって、と言っても会って3日位だし彼女自身は貧困街の出で、確かあの国にはある問題のある暮らしだったはずだ。きっとどんな事があってもこの先驚くような運命しかない気がするが、まぁいいか。
そんなこんなで数十分後、一隻の戦艦がすぐ近くを通り掛かり検閲したいのでハッチを接続させろと要請しだした。
もちろんこの船に乗っているバカどもはまたすぐ銃火器をぶっ放して沈める気で居たようだが、案外装甲が強そうに見えたのか、船外に居る俺たちを呼び戻してから検閲を開始してやり過ごす方向性に決めたようだが、甘い。俺はその間にあの戦艦に乗り移って罪を全て洗いざらい喋ろうと思う。なんせ、戦っても明らかに分が悪すぎるだろうから。
砲塔なんか、この馬鹿どもに見れない位置で回頭してるし、ミサイル発射管なんか最初からハッチオープンにしている。明らかに疑っているのではなく、敵としての対応をしているのだからこんないつ沈むか分からない船になんか乗っていられるか。
そう思って、戦艦に向かってフヨフヨと漂いながら向かっていると、ワイヤーアンカーがやんわりとこちらに差し向けられた。ついでに彼女も俺と一緒に船に乗り込んだ。よかったよかった。あの肥溜めに残す方が怖かったし。この先の未来なんてわからないけどさ。さぁてどんな歓迎をされるのかな〜?拷問とかされなきゃいいけどさ、おっと!バカどもの船から見えないハッチに案内された。コレはいい事なのかな?
そこで出会った人が今後の人生を変える出会いの転換点になるなんて思いもよらなかった。
--SEID???? END--
時は少し遡り・・・・
【緊急アラート発令。




