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伝承その四
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星々は導かれてやってくる。
星系の中心めがけて、やってくる。
その針路上に、運悪くあったのが、今回は、
星々の集まりの中にある、数ある生きる者たちの住む星々。
その第三星系・ゴゼロッティが今回は大惨事を招く舞台になってしまうとは、まだこの時、誰も知りえなかった。
彼らは星が寿命を迎える前に気づいて、試行錯誤を行った。
寿命を延ばすために、星の中心に躍動を与え、それがだめなら、大気の浄化に励み、そこに住む者たちの淘汰をも目論んだ。
だが、最後は実行されなかった。
なぜか?
簡単だった。
理由があった。彼らが思っているよりも星の寿命でなく、星系が寿命を迎えようとしていたからだ。
星系の寿命が、星を蝕んでいたのだ。
理由が分かっても、もう遅い。すでに、解決する時期をとうに過ぎてしまっていたからだ。
こうなってはもうどうすることもできない。
彼らは住み慣れた星に、星系に別れを告げ、脱出を図る。
彼らは身を寄せれる星を探し、定住の地を見つける。
以前とは、違う、場所で暮らすことになった民たちが、絶望にあえぐその時、彼らの星が・・・・・・。
星系が爆発した。
それは、彼らが思っている以上に広範囲に影響を及ぼした。
彼らの星さえも被害を受けた。
被害を受けた。だけであればよかったが、空間そのものに亀裂が入り、最後には、、、、、。
彼らの星があった星系が丸ごと、ブラックホールになってしまったのだ。
彼らの星の最後の破片を追うものが、一人、また一人と現れだした。
普通なら、咎めることすらされない事だった。
だが、彼らはやってはいけないことをした。
研究目的に収集された彼らの星のかけらを研究していた惑星に襲撃をかけて、奪い取ってしまったものが続出したのである。
それは、間借りさせていただいていた星の者たちにとって、寝耳に水のごとき話になってしまった。
彼らは、奪い取った者を、襲撃された者へと、突き出さなければならなくなった。
この広い海の、広い星の海を漂い続け、子孫迄もを突き出ださなければ行けなくなった。
そうして、組織された者たちは、優秀な星渡りの技術を持った男たちで構成された。
そして、悲劇が起きた。
残っていた者たちが、襲撃されたのだ。
待てども待てどもやってこない者たちにイライラを募らせての犯行だった。
それが、結果として、大惨事を招く最初の・・・・・
大戦争勃発。
些細なことが原因で起きてしまった、戦争。
彼らは何回同じ過ちを犯せば、気が済むのだろうか。
伝承そのⅣ
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