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伝承その参
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大流星群接触。
10,000年の周期でやってくる。
遥か彼方の周期、普段でさえ、星系の最果てに位置する、その惑星から見れる。
だが、ある周期のタイミングだけは、引力によって、引き寄せられるせいで、知らなかった、星の流れを作り出す。
遠い、遠い、遥か大昔。過去の、記録される以前。それ以上の時をもってしてもわからない。
銀河系での観測は、今回が初めてなのかもしれない。ただし、今回は、銀河系での穏やかな観測ではない。
1万年の時を経てやってくる。未曾有の大災害級の流星群。
人類はまだ、それを知らない。
今だって、観測すらされていない。
なぜか。
その星々の流れは、通常の空間では突発的にやってきたと思われているからだ。
もう、皆は知っているだろ。
星だって、ワープするんだ。
流星群だって、速度が出れば、ワープしてしまうんだ。
ワープするだけの勢いと、スピードが揃い、いつも出るタイミングが、銀河系の端っこだったせいで、1万年周期でも、人類に気づかれることが一切なかったのだ。
しかし、何度も繰り返すようにワープすればどうなるのか。
簡単に言えば、ワープ脱出後に、引力に引かれて、加速し、ワープする。出るところは毎回同じ。
しかし、少しづつ、位置はずれていき、さらに距離が伸びていく。
次の到達点は、
銀河の最果て渦から二番目に被るあたりに出現し、さらにそれを繰り返す。
結果
さらに、加速し、飛距離を伸ばす結末を迎える。
それは、大流星群。
星々のかけらが、引力に引かれて加速していく。
星々のかけら=星系の爆発
何故、知っているのか、なぜその存在は回避できたのか。
星系と聞いて、違和感はないだろうか。
私にはある。
惑星破壊は人類の武器開発終着点にして、戦争の終わりを意味する。
惑星破壊が行われれば、それを教訓に、二度とこんなことはしないと、世界で決める。
そんなことが、積み重なると、人々の記憶からも忘れられる。
最終的に、惑星破壊を行ったつもりが、星系の強度問題で、瓦解し、最後に、その宇宙すらも閉幕してしまうかもしれない、禁断の・・・・・。
星系爆発は、星系が存在していた、宇宙の成れの果て の存在。
私は、その星系でただ一人の生き残り。
私は咎人。罪を犯した。だから、最後の仕事はこれ以上、被害が出ないように誰かにこのメッセージを届ける。
目論み道理、銀河の果てまで届き、これを、このメッセージを読んだものが、すぐさま回避の手段を取ってくれることをお願いいたす。
私は、咎人。
私は・・・・・・人類最後の最終兵器を作ってしまった技術者。
どうか、迷わずに逃げてくれ。君たちの星すら滅亡するのはいただけない。
我々の手でやりたかったが、無理なことが分かっている。
死期が近い。
どうか、この戦いの結末を幸せに変えてくれ。
伝承そのⅢ
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