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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
っと、しばらくして惑星に降下し超弩級戦艦蒼は皇地球の海に着水した。
その後彼らの案内を待つばかりだった。
待ったんだが、彼らとの通信回線を開いたところ雑音のオンパレードであることにすでに最悪な滑り出しが確定した。
待てど暮らせど・・・なんで来ないの?やはり、真っ暗な夜の海面に降り立ったのがまずかったか?
「だれも迎えが来ねぇな」
【遠い昔地球に伝わる古い言葉に、待てど暮らせどという言葉があったそうだ。意味は待っても来ないという意味らしい。まさに今がそんな感じであろう】
「意味はあってますが、待てど暮らせど迎え人来ずとでも言わないといけないのでは?」
「さすが有紗。言い方がカッコいいな。そして、待てど暮らせどは俺も思った」
上から順番に、オレ・クロ・有紗・陽平と何を言っているんだと言われてもいいくらい、暇なのだ。
ハイネとクォーツは現在ほかの隊員たちとの情報のすり合わせ中で、クロは複数の処理が可能であるため、ココに居てしょうもないことを言っていても、向こうでは真面目にしていると思うし、ココに居るメンツは情報擦り合わせに必要ないか、使えないと判断されたメンツが艦橋で見張り兼通信担当をしている。
全く持って、酷い扱い・・・・
に見えるだろうが、向こうの方がややこしいので俺としても有難かったりする。
【それで、よく艦長が務まるな。私だったら即交代要請出していたが】
「シー!黙れ、クロ。少し黙っておけ、それ以上は言ってはダメ!適材適所。ね、適材適所。良い言葉じゃん」
・・・まぁ我ながら追い出されたのは不本意だけど、適材適所ということで・・・っと、ようやく到着か。。。
「イヤイヤ、ロケットで降りてくるものとばかり思っていまして、我々の観測をするりと抜けてくる技術力に感服しました」
「いえ、申し訳ありません。許可が出ていたとはいえ連絡なしに降下してしまい申し訳ありません」
「いえいえ、それで皇都にはココにある宇宙船で向かっていただけるんですか?」
「このまま乗り入れてよろしいのでしょうか?」
「かまいません。ココにある時点で国の者たちでも聡いものは気づいておりますので」
「は、はぁ」
と、この国に?この星の役人に出迎えられて、挨拶を交わす艦長が怪訝な表情でしゃべっている。
この星の住民たちは宇宙に対しての恐怖を何も考えていないのでしょうか?それ以上にこの艦は戦艦です。それを自分たちの懐に入れるという所業、とてもではないけど怖くはないのでしょうか。
「皇都ですか。ということは自宅からはかなり離れた場所に行くことになりそうですね」
そう語る人物は、御察しのとおりかなり遠くに飛ばされてしまった人物“鳳京介さん”まさにその人。
そう語るということは、自宅はかなり遠そうということで、だいたいどのくらいの距離があるのかを聞くわたし、有紗です。
「どれくらい離れているんですか?」
「皇都ですか?皇都は日本という島国の中でもさらに中心に近く、西は大阪、北は京都、南は和歌山、東は三重という囲まれたエリアに有る、最も災害とはかけ離れた場所に有るんです。昔から災害に見舞われることが少ない土地として皇帝陛下の住む都として1,000年近く前からありますからね」
「へ~、ていうことは場所は奈良ですか」
「?」
「アレ?違いましたか?」
やはり位置付けが違うし、こちらの知っている地球の地名とやはり違うのかな。ほかの場所はあっていた気がしていたんだけど・・・
「いえ、奈良で合っていますが、正式名称は違いますがよく知っていましたね?」
「私も地球の日本に住んでいたので、地名は分かるんです」
「それはそれは。それなら、地球の首都は・・東京と言うところですよね。知ってますよ、確か、他にも国が有って戦争を経験しているんですよね?」
「えぇ、というかそれを聞くってことはこの星では、戦争を経験していないんですか?」
「もちろん小競り合いや小規模な武力衝突はありましたが、この星の皇帝陛下の権威は高いので、皇歴が誕生して以来大きな戦争というものはないですね。だからたぶん地球では敵味方だった方たちもある程度は生きて生活向上に役立つ仕方でかかわったそうですよ」
「ということは、人殺し兵器の開発はされてこなかったんですね」
「いがみ合いの世界はそもそも存在しませんし、言語も統一されているので言葉の行き違いもありませんしね」
それはすごいことだと思う。今でこそ地球でも言語統一に近いことができてきて戦争的緊急性のある空気は収まってきてはいるけど、この星に居る人たちは戦争を知らずに生きてこれたんだ。
「理想を体現していますね。この星は・・・・」
「それでも大変なことは、あるんですけどね」