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3時間ほど前・・・・
ハイネ君たちは皇帝陛下からの指示を受けて、大陸の首都が有る場所からかなり離れた海岸線に作られた発着場と称したロケット台に居る。
彼らが迎えに行こうと思っていた本来の宇宙船は現在メンテナンスのため動かすことが出来ず、仕方がなくこの惑星に有る“大気圏突破型推進器付きRGGTCX095”宇宙ロケット居住空間機能付き試作型X095の前に立っている。
「何このデカ物」
「何って、推進器付きのロケットだろ。原始的な宇宙に上がって帰還するために作られたと昔の科学者から聞いた。それ以上に事故の確率もかなり高いために、打ち上げ式でなく航空機型旅客タイプで大気圏突破を試行錯誤してロケットは兵器以外には亡くなったと聞いていたのだがな」
何それ怖よ
「じゃぁ、ココではこれが」
「主流だそうだ」
「なぁメンテが終わるまで待とうよ」
「それが出来たらいいけど、無理だろうな」
無理というか、アクションを起こさないと静止衛星軌道上に隠れている奴らが次の行動を起こさないためにも俺たちが出張るんだ。
この宇宙で誰よりも戦場を渡り歩いてきた俺たちに白羽の矢が立ったくらい、事態はひっ迫しているんだからな。
「さぁ、出発準備は完了しているらしいから、早いとこ打ち上げてもらおうじゃないか。指示も的確にもらっているんだ。俺たち判断で宇宙船ごと海に着水させてもいいし、何人か乗り込んでもらってご招待してもいいから頼んだといわれてるんだから」
「わかったって、押すな、押すなって!」
ハイ。現在背中側が地面で俺は空を眺めている。
「なんだこれ?なんで椅子に座ってるのに位置が違うんだ?」
「なぜってロケットだぞ?垂直に打ちあがるんだ。普通の椅子に座ってたって意味がないだろ?わからないお前じゃないだろ?」
・・・意味がないって、打ち上げ・・・!?
「空に打ち上げるってそういう意味か。はー、普通は地上からカタパルトで上がっていくんだよな。だから未来は分らなかったけど・・・・・技術の逆戻りを見てしまうと怖いな」
「それはそうなんだが、自分はこのロケットの整備と燃料補給を指示した立場だから、お前のその気持ちはすでに体験済みさ。それでもまさか自分が乗る羽目になるとはな」
「ハッ黙っていた罰だよ」
_____それから2時間後・・・・
「まもなく発射します。今回はいつも以上のハイスピードでの打ち上げですね。こんな最短打ち上げ記録ですね~まぁ発射させますけどね。それでは行ってらっしゃい」
「オイオイオイ。なんか外の景色が真っ白ていうか煙が吹いているじゃないか!危険だろ。さっさと逃げ」
「ハハ、あれは蒸気だよ、蒸発しているんだよ。だから問題ないよ」
「それにしてもだな…やっぱり原始的だ」
こえーよ。クォーツどんな心臓してるんだ?
「度胸あるだろ?だからこそ当時からあいつらとやり合っていても屈しなかっただろ。もしその根性と度胸が無かったら今頃お前たちも死んでたぞ。戦略的にだけどな」
「あの場所では確かにお前の戦略と戦術が無かったら死んでたね。ありがとよクォーツ」
「そして、このタイミングで死んだらごめんな、ハイネ」
発射600秒前
嫌なカウントダウンだ。これならゆったりと座った座席でコーヒーを飲みながら六十秒前になったらシートベルトをしてから発進だろ?なのに、こんなにも恐怖しかない乗物に乗るなんて・・・正気かお前ら。
「こんなのやっぱり怖いぞ。皇帝でもこれは怖いよな」
「それでか、だからあの人はこの惑星から飛び立たなかった理由が分かった。俺たちが乗ってきた船では護衛を連れて移動できない。あの人はもしかしたらどちらかに付けば自分も宇宙に上がることもできるかもと思って行動してそうだな」
300秒前
【私だ。どうだね、私の星で最高の人物たちが開発したロケットだ】
「怖いね。どうだクォーツ?」
「だな。ハイネ」
【そうか、ではどうする?私はこの星をさらに発展したい。だがそれ以上に厄介だ。どうあがいてもこれ以上の成果が出せないからだ。だからこそお願いするよ。今回ココに来ている彼らを連れてきてほしい。そして今回はもう後がない】
「「どういう意味だよ?」」
【すでに議会で採決されていたことだが、我々もすでに惑星外に知的生命体が住んでいることも分かっているし、そもそも地球がそうだしな。あの星は惑星国家同盟に加盟しているからこそできれば同じ同盟がいいのだがな。たとえ非同盟国家であろうが仕方がないそれでも外と交易が出来る】
「それでなんで議会?私でさえも参加して居ないのに?」
「そんな議会。聞いたことも無いし、クォーツが参加していた方がよかったんじゃ?」
【君らが来る前の話だからな。君らが現れたのがもう少し早かったら助かったんだが】
60秒前
【さてさて、そろそろ発射だな。期待しているよ。外との交易と私も旅行してみたいからね。そろそろ通信を管制室に移そう。それじゃあ行ってらっしゃい】