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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
「それじゃ、あとは向こうからのアクション待ちだな」
で、アクション待ちをしてから、かれこれ数時間。いったい全体何を待てばいいのやら。
「俺が間違ってたのかな?」
【どうした急に】
どうしたって言われても何時間も待機していても全然接触を図るどころか、データの送受信も一切しなくなってしまったからだ。
「もしかして気づかれたと思って、静かに静観しているとかじゃないよな」
もしそうなら次はどう動こうか。
「艦長!」
惑星を見張っていた観測班の一人から声をかけられた。
「どうした?」
「大陸海岸線沿いにて動き有。何か・・・ロケットですかね。宇宙に上がってきてる模様です。接触を図ってみますか?」
ロケットで大気圏突破。
ふむ。なかなか時代遅れの手段だな。今の地球でさえ反重力航行で宇宙に上がる機体さえあるのに、いまだにこの惑星ではロケットを使ってるのか。なら接触迄の予測時間を計測して準備しようか。
「クロ。彼らと接触できる時間はどれくらいだ?」
【現在の位置と高度だと・・・・・周回コースを回って出ないと来れないだろうから、3時間くらいだろ。彼らと接触を図るだけなら通信でもいいのではないか?】
そりゃ、接触を図るだけならだけど・・・・ここに俺たちも用事があっていることだし、鳳京介を送り届けることも視野に入れて行動しないとな。
「ほんとにそれだけでいいのか?“お宅の星に住んでいた住民が違う世界の惑星に転移していて送り届けました。引き渡すので回収お願いします。”とだけ言えば万事すべてが丸く収まるのか?そうでないと俺は思うぞ。なんて言ったってあの星からロケットが飛んできている。これを要約するとだ」
【すると?】
「あの星の文明は高いということだが、宇宙関連に関しては未発達の部分が多いということだ。あのロケットの部品は海か宇宙に投棄することを前提にしていそうだしな。この艦にはスペースデブリが当たっても貫通しないだろ」
通常の船舶はちょっとわからないけど、な。
【それはそうだ。この艦は戦艦。戦場で戦闘空間において武器の使用した攻撃にさらされたときに簡単に装甲を突破されることになれば、人命にもかかわる。例え近接武器・実弾などが当たっても対応できるだけの装甲くらいある。
それに民間船にもスペースデブリごときでは問題ないぞ。あれには運航時にはシールドが張ることを義務化されているからな。もし守られていないことが発覚すれば、運航中止の上最悪の場合、逮捕拘束される場合もあるのだから。宇宙海賊たちはそこに戦闘用のシールドを張るからややこしいが、そこは戦艦だからこそこの艦には影響もなく問題なく仕事ができているからな】
そう。宇宙において何が飛んでくるか分からない現状、防護壁と防護シールドは宇宙空間では必須のアイテムとなる。これをケチるだけで周りからは自殺志願者とみなされ友達すら無くすこととなる。親にも見捨てられる恐れもあるくらい危険をはらんでいるので絶対に付けなければいけない。
「まぁ確かにシールドだけは気を使って選んだ気がするな」
【私が取り付けたがな】
「それでも安易なシールドを付ける愚か者もいるが、たいてい検査で引っかかって落とされるからな。毎年何人かはそれで落ちるらしいし」
あれはホントに不思議だよな。どれだけ命が大事か分かっているのにケチるとこを間違える奴は毎年出てくるからな。宇宙海賊でさえその部分はケチらないのに。
「それにあのロケットって帰還までを計算に入れているだろうけど、訓練していないと帰還時のGに負けてひどい目に合うとも聞くし、酸素なんか計算されてるんじゃないかな?」
【確かに。ならココで合流して事情を説明したほうがよさそうだな】
それにしても準備が早いな。まるで出会いは必然だとでもいうように準備されて打ち出されているようにも見えるが・・・・少し気を引き締めてかからないといけないかもしれないな。
――――――
これは、3時間ほど前にさかのぼる。
ハイネ君たちは皇帝陛下からの指示を受けて、大陸の首都が有る場所からかなり離れた海岸線に作られた発着場と称したロケット台に居る。
彼らが迎えに行こうと思っていた本来の宇宙船は現在メンテナンスのため動かすことが出来ず、仕方がなくこの惑星に有る“大気圏突破型推進器付きRGGTCX095”宇宙ロケット居住空間機能付き試作型X095の前に立っている。
「何このデカ物」
「何って、推進器付きのロケットだろ。原始的な宇宙に上がって帰還するために作られたと昔の科学者から聞いた。それ以上に事故の確率もかなり高いために、打ち上げ式でなく航空機型旅客タイプで大気圏突破を試行錯誤してロケットは兵器以外には無くなったと聞いていたのだがな」
何それ怖よ
「じゃぁ、ココではこれが」
「主流だそうだ」
「なぁメンテが終わるまで待とうよ」
「それが出来たらいいけど、無理だろうな」




