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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
以上、解散して持ち場に着け!」
全員指示された船室に向かっていった後に残ったのは、気まずい雰囲気を醸し出す、有紗と母さん。
・・・・く、空気が重いな。
【AIである私でも感じてしまうくらい、どんよりとした空気だな】
おい、コラ。変なこと言って油を・・・ヤバい。目がこっちを向いた!
だが、聞くしかないのだ!聞くしかな!
「ね、ねぇ、なんで、そんなに変な空気出してんの?」
全く、この子はなにいっているのかしらね。呆れてため息しか出ないわ。
「ハァ~。
私は、いいんだけど、貴方、あーちゃんにこの第七大隊の大隊長だって、言った?」
言ってないかもね。
【言っていなさそうな顔だな】
だから!そういうことを言わない!余計なことを言ってくれると、弁解しても聞き入れてもらえないんだから!!
「い、言っていないかもしれないな・・・・アハハハハ」
「それでね、あーちゃんはちょっとだけ距離感図り損ねてるだけよ、それと私については、なぜ呼ばれたのか分かってないだけよ」
「あぁ、母さんを呼び出したのには訳があってね。今回の航海でだいぶ予定が遅れた原因が、兄貴とシチューにあるから、言い訳聞いてくれないかな?でも、一応、説教するって言ってたし、この後すぐに案内しようかなと思って」
「・・・・・・・。後ででもいいでしょうに」
っハハハ
「そう思って、油断している、あの二人を驚かせようと思って」
「・・・・待って、そのために私をココに留まらせたの・・・・。(その顔はどうやら本気みたいね・・)ハァ、本当に悪い子ねぇ」
「あの二人が最初の15日を無駄にした気がするんだ」
全く、いいわ。今回は急な事件案件なのに大人な対応をしなかった人たちにはこってりと搾り取ってあげないとね。
「解ったわ、任せて、どこにいるの?」
【目が、笑っていないな】
だから、声出さない。
「んん。えーと、兄貴の部屋」
「どっちのかな?」
怖いって。
「・・・・陽平のへや、です」
「そう、あの子の部屋で男の子ふたりで何してるのかしらねー」
えーと、もしかしたら二人じゃないかもだけどな。
「そう、少し行ってくるわ。
あーちゃん。大丈夫、智也はなんでも受け入れてくれるから話してごらんなさい」
「は、はい!」
・・・・
【ちょっとだけ、般若が見え隠れしているな】
「だからそういうこと言わない」
「お兄さんもいたんですね」
・・・あーこっちにも弁解しないと行けなかったな。
「い、いや。実を言うと記憶が無いんだよあるのはここ数年の記憶のみ」
「えっ?」
【もっと正確に言えば知識は覚えているが、家族や友人の顔を覚えていないようだ。ギリギリ仕事に影響がなかったのが救いだな】
「あー、そのえーと」
【今は記憶を埋めながら経験も積んでいる。記憶も取り戻せるように頑張っている】
「まぁそうだな。それと有紗、ごめん。言ってなかったから、突然で驚いたんだって?」
「そうだよ。もっとちゃんと、早めに言ってほしかったよ。いつ言うつもりだったの?」
そういって、涙目でこちらを見てくる有紗。
「研修の時に言うつもりだったんだ」
「酷いよ、もっと早くに教えてくれれば、私も態度変えていたのに」
そして、俺の胸に飛び込み胸をたたいて泣き始めた。
「ごめん。俺の立場だと、対等な関係では無くなるから、最初は黙っておくように頼んでいたんだよ。みんなにもあとで謝るから」
「ホントだよ、あとで、私からもフォローは入れてあげる。だから、ちゃんとした自己紹介が欲しい。」
真剣な眼差しを上目遣いで見てくる有紗。そして、そんな目に弱い・・・・おれ。
「長いぞ?」
「いいの、早く!」
「では、改めて、自己紹介させてもらう。歳は・・・アレ?いくつだっけ?」
「もう、そこは後で聞くから、次々」
「わかった、わかった。急かすなよ。あーたん。・・・・では、最初に、ゼルセルタ航空宇宙軍所属 特殊特務大隊所属 特殊特務大隊大隊長 兼務 特殊特務大隊第七大隊 大隊長 兼務 戦艦『蒼』艦長 兼務 艦隊総司令官 智也・ルルーシュ・ラングストン 元帥
それでこっちは副長の」
【ダブルクロスナインと言います。この艦のAIであり大佐で、副艦長をしております。私のことはクロとお呼びください、有紗さん。】
「さっきから毒吐いてたけどな」
【そんなことは無いぞ。たぶん】
「ハハハ。まぁそんなことでよろしくな、有紗」
「よろしく、お願いします。クロさん、智也艦長」
「【よろしく】」
そういって、彼女は、戦艦蒼の正式なクルーとして、クルー専用の船室に案内された。