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それは、智也たちが、船体修理のためにドックに入ってからすぐのころの話。
飲兵衛どもの会話
「ささ、一献」
「っとと、、ん・・・ぷっはー」
「相変わらず、いい飲みっぷりだなDr」
「京介も相変わらずだな。そんなに冷酒が好きか?」
「Drも熱燗好きすぎて、専用の温め機を開発してもらっているじゃないか」
「「ハハハハッ」」
「それにしても、いいのかな?こんなにゆっくりしていて、俺も何か手伝ってきた方がよかったんじゃないのか?」
「気にしない、気にしない。俺たち飲兵衛どもはココに居ろとのお達しが出てるんだから」
「なら、いいか」
いや、良くない気がするが、すでに飲酒してるから危ないもんな。
「そういえば、最近アーカイブニュースで一つ気になることがあったんで調べてたんだけど、さ」
「んん?」
「星系図のなかで、俺の故郷ってなぜあんなに遠くにあるんだ?もっと近めに書いてくれててもよかったんじゃないのか?」
「・・・・・・?あぁ地図上ですごく下の方に書いてあるやつか」
「そうそう」
「あれに関しては正しくもあり、間違っているんだ」
「それとさ、天の川銀河やアンドロメダ銀河などが観測されていたのに、他の星との交流がなかったんだ?」
「それは、思い違いをしているせいだ」
「思い違い?」
「そうだ。皆今更なので気にしていないが、このゼルセルタ航空宇宙軍が管轄しているエリアは地続きの宇宙ではないのだ」
「え?」
「次元断層を覚えているか?」
「あぁ。たしか、最近アーカイブで見たな。次元断層内に進入して次元内を航行できるようになったとか」
「それを開発し実行したのがこの艦なのだが、次元を飛び越える技術は昔からあったのだ」
「へぇ、それってワープって奴じゃないの」
「そう、それだ。ワープの定義にはいろいろあるにはあるのだが、私もうまく説明できないが、あれには何種類か呼び方が異なるんだ」
「気にしてなかったし、知らなかったけどそうなのか」
「なぜ、呼び方が違うのか、それは宇宙空間に対して、次元を超えて移動するか、地続きの宇宙空間移動用かで分けているのがそうらしいが、詳しく理解して居る者の方が少ないので統一されていないのが現状らしい」
「へぇ~」
「そこで話は戻るが、先ほど星系簡略図を見たと言っていたが、あれには正確なことは書いていないのだ」
「・・・・?」
「あの星系図に書いてあった○○星系というのは一つの宇宙を指しているのだ」
「は?」
「エルフリーデン星系
ブラナルズミナス星系
ナバロシェム星系
ドヴェルゴ星系
ドラゴンナバロニクスハウウェザー星系
グランツフォーン星系
ワルピオン星系
この七つに関しては次元断層を挟んだ隣どうし、向かい側にあってな。昔からワープなどを用いた航法装置で次元そのものを飛び越える技術で行き来をしていたのだ」
「ということは、銀河星系というのは」
「あぁ。あれに関しては地球の本来の読み方・・・・銀河系という呼び方でも構わないのだが、あのあたりに存在する居住可能惑星が地球くらいで、あのあたりにある銀河系は生命の誕生に大変不向きなこともあって他との区別のために銀河星系という名を付けたんだ。あ、グランツフォーン星系の中に入っている理由としては、銀河星系は一応地続き扱いであり、次元断層は存在しないんだが、未開地エリア帯や小惑星帯。ブラックホールや、本当に何もない空間が存在しすぎて、最初の接触すら最近というくらいの辺境だったからな。彼らからしても異星人と会ってもややこしいことになっていただろうし」
「ということは、地球でたまに存在する、宇宙人ネタはもしかして」
「漂流者か密売人か、犯罪者か・・・・まぁ、彼らからしたらあまりの未開地過ぎて生活が困難になるか、生きづらくて別の星系にいく物が続出していたそうだからな」
「犯罪関係者は別としても、漂流者は助けに来てくれるのかな?」
「無理だろうな。まず、戻れない」
「そうか。残念だな」
「仕方がないさ。それが宇宙に出た者たちも覚悟の上さ」
「そうか」
「だからこそ今、ネットワークや往来ができるようになってだいぶ以前とは違うようになってきたとはいえ、大本のなぜ、別々の宇宙に所属する者たちが、こうして同じ同盟国として存在しているかというと話は別なんだよな」
「そこは聞いてもいいのか?」
「あぁ。あんまり面白くは無いがな」
「聞かせてくれよ」
「宇宙大戦争。聞いたことあるだろ」
「あぁ」
「アレ、止めた後にゼルセルタ航空宇宙軍と惑星同盟国家ができたんだが、理由としては、別の宇宙空間にあるから、取締もできない・戦争を起こしても周りが干渉しない・植民地化するのに楽なのでは?というバカげたことをやらかした者たちが後を絶たず、仕掛けられた側からしたら、どこから仕掛けられたか分からないから、手前から順番に報復するだろ」
「あ、もしかして関係ない国をつついたのか」
「まぁそうなんだが、一番まずかったのが、仕掛けた国が、隣の国だと思って二つほど隣を攻撃したから、やられてはやり返しが宇宙全体それも何もない空間において仕掛けたのが始まりだったんだ」
「もしかして、この星図のちょうどいい感じに開いている空間って」
「その昔は全世界の星からやってきた軍隊がぶつかっていた緩衝地帯であり、ほんとに何もない空間であったためにいろいろな危険ブツを持ち込んでの戦争を繰り返していたんだ」
「・・・・戦争が止まったことが奇跡みたいだな」
「まぁなぜ戦争が止まったかは今の歴史上、謎とされてきているのが現状だな。当時でも誰が戦争を止めたかまでは分らなかったそうだからな」
「すごいな。戦争を止めた英雄か」
「そんなわけで、今現在も緩衝地帯兼危険地域としてその場所を航行するのは同盟国家としてもおススメはしていないんだ」
「なんで?」
「当時のヤバい武器なんかが不発で漂っていたり、宇宙海賊が廃棄された軍港を根城にしていり、犯罪組織がいるから、というのが理由らしい。それ以上にその空間自体は星が一切存在しないのは過去から現在まで調査しても見つからなかったくらいらしいから、今の交通手段は、すべての星系を経由するルートが一番一般的であり、安全なルートだと言われている」
「中々、興味深い話だったな」
「だろ、また気になることが有ったら言ってくれ。またいくらでも教えてやるさ・・・・っと、酒が無くなったな」
「こっちもだ」
「今日はお開きにでもするか?」
「そうだな、そろそろ帰って寝るわ」
「俺もそうするかな」
「ハハハハハ、寝てすぐに患者が来たりして」
「言うな。来そうで怖い」
「「ハハハハ」」
誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
この後、3日ほど飲兵衛たちはお酒を飲む生活を続け、しまいにはレティとセティから禁酒命令とともに飲兵衛の断る口実を無残にも撤廃させたほどだった。
まぁ、適当なことを言って、大変なのに手伝いもせずに飲み食いしまくっていれば誰でも怒られますよね。