165
誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
「こちらを見上げていた人物を確保。残りの生存者はいません」
「もう一度、サーチをかけろ!さっきはザックリ確認したせいで見逃していたんだろうから、今回は威力最大で確認しろ!それと、ゼルセルタ航空宇宙軍から通達が来た。住民と生命活動している生物を確保次第、彗星となった星の爆破を敢行せよとのことだ。準備にかかれ!!」
そんな簡単に爆破していいのかと、艦橋にいたメンツから聞かれたが、ココで見逃して別の惑星に衝突しただけでその世界が消滅するなら、この方がいいだろう。思うところはもちろんあるが、その時はその時だ。
人生で何度も星を爆破させることが今後起きないことを祈りつつ、俺が、主砲の発射ボタンを押した。
艦橋から見える外の景色は、ある一色の色で染め抜かれた。
光輝く白い色、としてだ。
その光が収まった時、彗星はすべて消滅した。
例え半分になっていたとしても、星は星。
その星を消し去るだけの高威力ですべてを消滅させたのだから当然といえば当然。艦内の電力供給が追い付かず、エンスト状態。
復旧まで残り6時間かかるそうだ。
その間に保護した人物に話を聞くと、あの星に愛着などは一切なく、両親の墓はすでに消滅した側にあったし、海は循環することなく宇宙に流れ出ていただけで、自分以外の人間が居ないので、助かった。ということらしい。
その後、どうしたいか聞いたところ。両親が生前言っていた場所までのお金なりをくれればそこに向かうそうだ。
彼の両親はナバロシェム出身だそうで、一カ所に留まることを嫌っていることだけは受け継いでしまったので、親戚に会ってから今後の身の振り方を考えるそうだ。
ちょうどいいので、このまま彼の行きたい星に連れて行こうと思っていたのだが、星の場所を確認したら、思いっきり正反対の場所だったので、その星に行く便がある惑星で降ろすことが、話し合いの場で決まった。
ついでに言うと、彼は時々、単語がおかしかったので、修正中だ。
こちらで把握しているだけで、えーと・・・・
・狼のことを、おおおかみと読んだり。
・太陽のことを、たいおうと読んでいたり。
・場所のことを、ばそと読んでいた。
最初、「このばそに行きたいんです。えーと、アカ、セウント星ですね」
「・・・・。ドコ?ばそ?」
「ばそ?アカセウ、ント?で通じてますか?」
「あぁ~、アカセウントね。それで、ばそってなに?」
「ばそは、ばそですよ。このばそって使い方で合っていませんか?」
「・・・・・」
「・・・・・・・・(あれ?ココのばそに行きたいってことなんだけど)」
「もしかして、ココのばそに行きたいって意味か?」
「そうそう」
「それは、場所」
「・・・・アレ?」
「ちょっと、君の単語おかしいね。悪いんだけど訛りじゃなさそうだからちょっと確認を込めて、ちょっと言っていってもらえるかな」
てな感じで、担当者がひたすら聞き出して、単語の間違いを調整していく作業を開始してしまった。
だから、俺はその場で席を離れて、彼を降ろすためにアクセスの良い場所に向かうことにした。
それから、二日後の今日。ナバロシェム星系の中でも一番のターミナル惑星として名高い(らしい)ジェラタギリオンに到着した。ココに来るまでの道中に要救助者が居たことと、自分で勝手に向かうとのことを伝えたところ、彼のご両親の友達が迎えに来てくれるそうで、とりあえず軍港のゲートで待ち合わせをしている。
「あれがお迎えの人物かな?」
「だと思いますが、あいにく会ったことが無いので判りません」
だろうな。君が生まれたのがあの星ですでに数年過ごした後らしいし。
「ハク、君だね?私はモリアーヴェ。君の父君の親友だったものだ。母君とは腐れ縁だったがね」
現れた人物は独特のセンスの服を着た、おじさん。それ以外のコメントとしては・・・・・頭にシルクハットをかぶり、靴はサンダ・・・・・・・ヒール。だね。それとイヤイヤ、初対面の人の服装にダメ出しはマズいね。これ以上は・・・・
(なんで、カッター着こまずにそこだけ蛍光色のドピンクだけなの?ズボンは・・・・・この人ほんとにそれがズボンだと思ってるのかな?それ周りの人の反応と聞こえてくる声を総合しても・・・・・・・・・・・・・それは!ブーメランパンツって呼ぶ代物だよ!!)
「は、はじめまして。ハクです。ココではその恰好が標準なんですか?僕もそのズボン履いた方がいいですか?」
ハク・・・・履く?くくくくく、ヤバい。さっきからおっさんのブーメランパンツとハクのセリフだけで連想ゲームを頭の中でしてる。ヤバい笑えて来てる。
やめてくれーー。