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「各員。そのままの作業のまま聞いてくれ。現在、敵がこの艦に乗り込んできている。敵の発言では、少し前に、乗り込んだ我々の新しい仲間は、ゴミで殺処分しなければならないと、のたまう暴言を吐いている。さらに、敵はあろうことか、この艦に武装をしたまま乗り込んで人を殺すと発言。これに対し、私は犯罪取締特殊免許を持っているため、殺人と殺人未遂と差別的発言の強制力がどこまであったかを確認するために、ブラナルズミナス星系に対して、徹底捜査を敢行することに決めた。
今ココで、捜査を下りたいものは、すぐに名乗り出て、部屋に居てほしい。処分などは一切下さない。処分は彼らだけで十分だからだ!
さぁ、この不愉快な世界を、俺たちが矯正していこう。手伝ってくれよ、仲間たよ!」
さて、ココまで言って誰も付いてこないとなると人望が無いとみるしかないが、それは無いだろう。最低二人はこっちに付いて来てくれるだろう。っと誰かから通信が来たな。
『艦長。最初に謝っておきます。すでに、命令を待つ者しかココにはいません。・・・・ご指示を』
「ッ!ありがとう。まず、残りの準備時間は20分ほどだと伝えておく。それを念頭に置いて行動してほしい。
それと、応接室にいる大佐は、外部との連絡ができる立場だ。迂闊に接触を図るな。バレれば、尻尾切りで済めばいいが、証拠隠滅されるとややこしい。俺が、相手をしておくので、彼らを中に入れて、一緒に行動してほしい。その時、完全武装、フルフェイスマスクで顔を見られないようにして置け、何かあってもすぐに対応できるようにほかの者は、艦の周辺への警戒に従事しろ。クロ」
【どうした?】
「シチューが元居た部署に連絡しているはずだ、繋ぎを付けて、向こうでも極秘で動いてもらえ。人種の差別があるのは知っていたが、ココまで酷いと確実に過去何度か監査が動いてるはずだ」
【わかった、繋ぎを付けつつ、この星系の情報を精査する】
「頼んだ」
クッソ、こんな展開になるなら、一個小隊だけでなく、全員で行動したほうがよかったか?いや、新人を使うのは躊躇いが出るし、兄貴たちのアグレッシブな行動もなかっただろうから、ココまで事態も動かなかったかもしれないな。
今回だけは、不問に・・・・してやるか。
でも癪だから、母さんにだけはチクろう。
「私のことは気にしないでください。私たちの種族は昔から他種族の嫌悪の捌け口になる宿命なんです。だから、誰も傷つかない今のうちにシチュー君が私を追い出せば、彼らはシチュー君に悪さはしません。だから、だから、」
シチュー君が傷つく姿を見たくない。きっと彼にはもっと特別な人が付くよ。いつかで会えるように祈ってるから。
「もういい、わかった。君の言う通り、俺は君と一緒に外に出ようではないか」
そんな顔をするのであれば、仕方がない。艦長に言って彼女を連れ出すほかなさそうだ。そうしなければ、彼女はココで自殺してしまいかねないな。
「ありがとう。シチュー君」
「いいさ。だが、連れ出すにしても、すでに事態が動いているから、艦長に連絡だけしておかないとな」
「うん。私から言おうか?」
「いや、俺が言う。言わせてくれないか?」
「わかった、大丈夫。お願いね?」
たっく、俺もそいつらの拘束を手伝いたかったってのにな。
「艦長、艦長。今大丈夫ですかね?」
『ん?どうした。急に?』
「おれ、これから彼女を治安部隊に突き出すために、格納庫ハッチから船外に出るつもりなんですが、格納庫ハッチ前で彼らと引き合わせ頼んでもいいですか?」
『おいおい、話が違うが、どうした?』
「彼女自身が決心したんで、隔離BからDY通ってニーナジョイフルのエレベーターで降りて行って引き渡ししますね?」
※-※-※-※
緊急事態に使われる、第七大隊のみで運用する隠語。
※1:DY
エマージェンシー。
※2:ニーナジョイフル
隠語で話すことを希望する。
※3:秘匿回線03
全員に通信回線を開け、
※4:ジャナシス
取り押さえは300秒後
※-※-※-※
『そういうことか、それじゃ、俺たちも降りていくよ。それと、通信回線は共通を使うなといつも言っているだろ!そういうことは秘匿回線03を通して、喋れ。馬鹿か貴様は!それと、DYルートは了承した。ただし、ニーナジョイフルは分かったが、そのエレベーターはだめだ。ジャナシスを使え、そっちは俺がよく使う方じゃないか』
「了解。秘匿回線03に切り替えて言い直す。・・・・
俺はこれから、DYを通りジャナシスのエレベーターを使い格納庫ハッチから彼女を引き渡します。準備のほどをよろしくお願いします。スチュワートより・・以上」
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