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誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。
誤字発見したので修正しました。
「なあ、陽平」
「なんだよシチュー」
いきなり謹慎中の身ながら部屋に入ってきて早々声をかけてきた悪友。
「もうすぐブラナルズミナス星系だぞ!わかってるのか」
「何がだよ。シチュー」
「お前、前に言ったよな!モフモフの知り合いが居るって!紹介しろや!!」
「!?」
何、お前。このタイミングで言うのそこかよ!
「なぁ、いいだろ。もうすぐ港に艦が寄港するんだぞ。こんなところで説教食らう前に俺に彼女をくれ」
「・・・・」
それ、俺も確実に怒られることになるのでは?
「頼むよ。陽平の受けたとばっちりの時も助けただろ?」
「いつの話だよそれ」
「なぁ、行こうぜ。陽平、君!」
『本館はまもなく、ブラナルズミナス星系にある軍港に寄港します。ココでは食料の補給と燃料の補給。最後に情報の仕入れを行います。情報収集を行う者は前もって通達しているため、通達されている者は速やかに艦を降りる用意をしてください。
港への寄港時間は本日、U.C.1813/7/6 AM10:00に行われる。
出港は3日後、遅刻することのないよう乗艦せよ。
以上』
「ほら、このタイミングを逃すと次、いつ来れるか分からないんだから、さぁほら、早く!!」
「まてって、押すな!シチュー!!」
この後、艦が寄港し智也がやってくる40分後の間に逃亡、追っ手を投入。
「現在手の空いている者の中で逮捕・拘束に秀でたもの達全員で追いかけろ・・・・・逃亡をさらに図るようなら、骨折までは許可する。必ず連れ戻せ!!」
「『ハイ!』」
「ホントに、兄貴たちは困ったものだよな。まったく、こんな時に羽目を外さなくたっていいのに」
監視カメラの映像を確認していた智也が、艦長席で発した言葉は艦橋に居た者に聞こえており、皆が苦笑の表情を浮かべ、準備に入ることとなった。
恥ずかしい奴ら。
~~???SIDE~~
「船の掌握は現在80%です」対して
【犯罪組織 大樹の杜】
あれからしばらく調査班を編成して調べてみたら、この犯罪組織はゼルセルタ航空宇宙軍並びに惑星同盟国家共同での全星系に対して最重要危険組織として指名手配されていることが判明。
明らかに危険なことが分かり、早々に脱出を図るように画策したのが5日前。
現在、生き残りを集めて大樹の大屋敷に接舷していた船を奪取し脱出を図るために行動している。
そして、あの爺どもに気づかれる前に艦橋を抑え、現在船の掌握進捗度を確認しているところだ。
早くても30分後にこの場から逃げれる。
「ファルムス様もうお帰りですか?」
「あぁ、僕も本当はゆっくりしたいんですが、表の仕事がありますから。爺たちも今回の件はなるべく早く対処してほしい。父が行っていたこととは言え、亡くなった。僕自身父の業務の表しか教えてもらっていなかったんです。裏はほんのさわりだけでしたから」
「今回の件は凍結、ということでよろしいんですか?」
「手に負えない、外に漏れると判断したら連絡をください」
「わかりました。ファルムス様。私たちはココでお見送りをさせてください」
「また、アダンジェリスプで会おう」
「『ハイ、ではお気を付けて。坊ちゃま』」
「じゃぁね」
・・・・二度とお前らに会いたくないよ。
僕の名前はファルムス。
大樹の杜という犯罪組織のボスが父親だったということを死んでから知った。
父は僕には黙っていたことがあった。
僕も父には黙っていたことがあった。
似たもの親子だ。
僕は組織犯罪対策対応部隊・通称OCCUの捜査官だ。まさか入隊してからずっと探していた組織が自分の父親が運営していたとは、皮肉なものだ。
本件はすでに上司に報告済み。
惑星同盟・ゼルセルタ航空宇宙軍からの同時命令書を受諾した。
それが2日前。
ゼルセルタ航空宇宙軍特殊特務大隊第七大隊に配属が決定した。そして犯罪組織を引き継いで完全消滅を目指すことにした。
そして、今日。大樹の大屋敷に来て思った。
なんてものを建造していたんだよ!クソ親父!!
次元震を発生させた人物を匿っていたとは。最悪だよ!あの災害で死人が出てるんだから。
・・・・裏、か。
ここにはきっとたくさんの謎があるな。
知りたくもない。だけど、調べないと。それに、親父は知らない。爺どもも、身元調査したところでボロが出ないようにした。元々親父の部下の子供たちが幼馴染として俺の近くに居て、俺と一緒で何も聞かされていなかった。
俺と一緒にOCCUに入ってくれている。彼らと一緒に本作戦任務に従事することが確定した。
大丈夫だよな?