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すぐに、風呂からでて、クォルク・ナルベーリック魔工技師長に会いに来た。
「私の研究もそこで行き詰ったんです」
やはり、俺と同じことを考えていたんだな。
「なぁ、確か最近ある理論が定義されてなかったか?」
「何でしょうか」
「超光学超高性能超望遠鏡を使用すればはるかかなたの星すらも肉眼で見ることが可能とか言っていたよな」
「えぇ、そうでしたが、それがなにか」
「なぁ、研究者たちは勘違いしていないか?それはつまり今の星を見るのではなく時間すら飛び越えた現象を見れるのではないか?例えば、100年前の現象とかでも」
・・・
「つまり、過去の現象を見れるのではないかと」
「やってみる価値は無いか?もし過去を見ているのだとしたら正確な日付と場所を選択すれば、」
「あぁぁぁぁ!」
「そう、ちゃんとした日付を使えば時間を飛び越えて見れるのでは?」
「理論的には可能か、と。ただしどうやってその時間をあぶりだしますか」
「例えば、ゼス惑星なんか絶好の場所かもな」
「おぉ~、確かにいいアイデアですね。艦長は確かあの星に居た者たちの足取りなどを調べたいと申されておりましたな」
「あぁ、あの場所で世話になった奴もいるから彼らの足取りを確認したい。だからあの後、歴史上に彼らが登場した痕跡が無いか、探したが形跡がないんだ。だから、あの星に居たAIのイオに時間を算出してもらって、場所と確実に見える光の方角を出してもらい、それと俺がいた地点と時間研究所からの位置を割り出して彼らがゼス惑星を出発した方向が割り出せ無いかやってみたんだけど・・・」
「結果は?」
「ダメだった。だからあきらめた・・・つもりだったんだけど、この理論が役に立つのなら試す価値は無いか?」
「そうですね、試してみましょう。まず、時間を計算して光の方角を確認、時間と光の角度を・・・・・あるいはその付近の彼らの動きが把握できる距離にある星を観測して行方を捜し・・・・・・、彼らがいなくなった地点を重点的に・・・・・・・」
「じゃ、と、、とりあえず。任せるわ」
やっと、彼らを見つけれるかもしれない。徹底的に探す!たとえ彼らが次元の壁を越えていったとしても・・・・・もしかして、なぁ。あり得ないよな・・・・・・
考えないでおこう。イヤな予感がするけど。先送り、先送り。
戦艦蒼 とある船室での会話・・・・・
「なぁ、すでに怒られる以外選択しないどうするんだよ!」
「考えるな、そんなこと誰でもわかってることだろ」
「智也に報告しなかったのはお前だからな!俺はしたほうが、いいって言ったからな!!」
「ずるいぞ陽平!俺を裏切るのか!」
「知るか、シチューが全て悪いんだ!」
【と、容疑者二人は申しております。いかがされますか?】
「とりあえず、ココにし・・・」
【シチューを呼びますか?】
「兄貴を召喚」
はぁ~。なんでこうなったんだろうな。
さかのぼること2時間前・・・・・
風呂から出て、魔工技師長の所に向かっていると、Drが俺に近づいてきて、言ったセリフが今回の発端に繋がるとは夢にも思わなかった。
「艦長が幹部候補生学校の研修か何かの時に発見した少女が、艦に居ますがどうされますか?」
「は?」
「シチュー殿と陽平殿の指示でして、艦長が艦に戻られるまで隔離し、周りに気づかれないようにするよう、命じられていたのですが・・・」
「・・・・・わかった、もう少しそちらで保護を頼む」
「わかりました」
「クロ」
【ハイハイ】
「バカ二人がこの艦に乗艦してから今までで不審な動きは確認できたか?」
【少女保護のため、医療室で手当てを受けて、その後の指示は艦長と相談すると報告されていましたが、聞いていなかったのですか?】
「聞いていない。行方不明としか聞いていなかった」
「【・・・・・・】」
【大至急、彼らの行動を徹底調査し報告します。それまでは内密でお願いします】
「わかった」
・・・報連相という言葉が昔からあるが
まず、報告・・・・・・彼女の行方は連絡が来なかった。
次に、連絡・・・・・・引き続き調査するという連絡は来た。
最後、相談・・・・・知らないよ、この艦に乗艦してからあいつらに会っていないし。
どういう事かきっちりと説明を願おうかね。
「そこで聞いている、お二人さんは、ね」
!?
「『は、ハイ』」
(やっぱり、バレてるじゃねえか!)
(仕方がないだろ、緊急案件でドタバタしてて報告や連絡もできないし、相談すらできない状況だったんだから)
「二人とも、自室にて待機せよ、指示があるまで誰にも喋るな!話していることが確認され次第、営巣入りと思え」
「『ハイ』」
誤字脱字、もし見つかればご報告、よろしくお願いします。




